リンクフリーです。
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ほんと、珍しいわ
(・w・) あ、5月3日分です
明日はうpできそうにないので
友情出演:ペリーヌさん
今までの自分から脱却し、より魅力的な私へと成長する。
それと共に、本当の自分をエイラに好きになってもらえるように、変えていく。
この2つが、私の目標。今すぐにでも、実行すべき事。
けど、何をすれば良いのかな?
どうすれば、変わっていけるのかな?
「分からない……」
私は私だからと、今までそんなことを考えたことはなかった。
自分自身を変えて魅力的になろうだなんて、そんなこと考えたことない。
だから、どうすれば自分自身を変えていけるのか、それが分からない。
どうすれば良いのかな?
勉強したり、本を読んだりでも少しは変わるかもしれないけど、劇的に変わることはない。
今の自分の上に重ねるだけで、今の自分をほんの少し変えるだけで、大きく変わることはない。
もっと根本的に変わらないと。
「例えば……もう少し、活動的になってみるのは?」
夜間の任務があるからと諦めず、もう少しエイラとの時間を増やす努力をする。
部屋に閉じこもっているのではなく、もっと外へ出るように。せめて基地の中を歩き回る程度の、活動性を見につける。
そして、みんなともっと仲良くなって、社交性を取り入れていければ。私だって、変われるはず。
良い方へ変われるように、エイラがもっと好きになってくれるように。理想を、現実にするために。
だけど、何を頑張れば良いのだろう?
◇
「それで私のところに来られたんですの?」
「ご迷惑、でしたか?」
「ええ、迷惑ですわ。なんで、私が……」
扉をノックした時、とても驚かれてしまった。何事かと驚かれてしまった。
今まで伝令以外で音連れたことはないし、おしゃべりした事も殆どない。それに、私は嫌われているみたいだから、避けていたんだけど。
今回の相談には彼女が適任だから。
「まぁ、良いですわ。困っている人を放って置くほど、私も冷たくはありません。私なりの考えで宜しいのならば、お教え致しますわ」
「お願いします」
ペリーヌ・クロッセルマン。ガリア内領主の娘であり、貴族階級出身である彼女。
ガリアをネウロイに制圧され、撤退した後も祖国奪還を目標に戦い続けてきた。
ちょっときついところはあるけれど、強い人。大切なものを失っても、膝を折らずに戦える人。
そんな彼女に、強さを教えて欲しい。
「誰しも知られたくない本当の自分、心の醜い部分を抱えているものです。これはどんな人だって例外ではありませんわ」
誰にも知られたくない、鍵をかけて閉じ込めたい自分。
好きな人に知られたくない、知って欲しくない醜い心。
この2について質問したのだけど、予め答えがあるかのように彼女は答えてくれる。
「私の憧れである坂本少佐も、あなたの憧れであるエイラさんも、ね。小さな子供も、ご年配の方も、みんな一様に心に抱えているものですわ」
そうなのかな?
エイラにも、私の知らないエイラがいるのかな?
隠しておきたい、人に見せたくない自分がいるのかな?
「だから、それについて悩むのはおよしなさい」
「そう、ですか……」
本当の自分がいるのは、心の中に見せたくない自分がいるのは諦めるしかないのかな?
「当然、見せるかどうか。それを決めるのはあなた自身の心ですが、悩んでも答えは出ませんことよ?」
見せるかどうかを決める?
それは、心の中に抱えたままにするのか、エイラに伝えてしまうかという事かな?
うん、それなら私でも分かる。
考えている事を全て口に出してしまうか、出さないかの違い。タイミングを見計らって伝えるようにする。
そういうこと。
「それにしても、自分自身を変えようとするのは良い心掛けですわ。普通、考えはしても、実行には移れませんわ」
「私も凄く悩みました。けど、今のままじゃダメだって、そう思ったんです」
「そう。何にしても良い心掛けです、私も微力ながらお手伝い致します」
やっぱり、芳香ちゃんの言っていた通りだ。
ペリーヌさんはきついところ、厳しいところはあるけれど、いい人みたい。
「ところで、具体的にはどう変わりたいんですの? そこが分からなければ、アドバイスのしようもありませんわよ?」
「あの……明るく、なりたいんです」
幽霊に間違われたり、いるのかいないのか分からなかったり。そんな自分を変えていきたい。
もっと積極的になれるようにしたい。
「それでしたら、簡単ですわ」
「そうですか?」
簡単、なのかな?
私でも出来るかな?
「今日みたいに、部屋の外に出て御覧なさい。散歩でも、お茶でも構いませんわ。誰かと出会い、会話する。それを繰り返していれば、自然な明るさが身に着くでしょう」
「それで、変われますか?」
確かに、今までの生活に少しの変化が生まれる。
寝る前に、みんなが起きている時間帯に、出歩けば会話をする機会も増える。
「明るくなりたいのでしょう? ただ、あまりにも激しい変化をもたらせば、必ずマイナスになりますわ。だから、少しずつ、毎日の積み重ねで変わっていくことこそが、大切よ」
「はい」
急激な変化はマイナスになる。必ずそうなるとは限らないのだろうけど、リスクが存在するという事。
それに、急に変わったりしたらエイラを驚かせてしまう事になるから、ちょっとずつ変わることにしよう。
いつか理想の私になれるように、努力を続ければ良い。
「ありがとう、ございました」
「どう致しまして。大変だとは思うけど、諦めちゃだめよ?」
「はい」
今日みたいに誰かと話していれば、私の中にも小さな変化が生まれるだろう。
みんなのことを知っていけば、私の中で何かが変わっていく。
それが良い方向へと変わるよう、ちゃんと理解していけば良い。
――夢ではなく、現実へ