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ええ、完全にハマってますね
まぁ、可愛いからOK 無問題☆
エイラ×サーニャ テーマ;2人 です
この2人は告白とかしなくても、恋人みないなものですよね?
サーニャはエイラの嫁ですよね?
「エイラ、お疲れ様」
「サーニャもお疲れ様」
珍しい昼の遠距離哨戒任務。今回の担当は私とエイラでした。
「しっかし、あんなところにもネウロイがいるんだな」
「そうだね、ちょっと驚いた」
どちらかといえば、偵察が主だった今回の任務。目標とされていたのは、巨大な積乱雲。
雨に変わることもなく、雷が響くこともなかった不気味な雲。
その中は、ネウロイの要塞と化していた。
「まぁ、私とサーニャだから良かったものの。他のウィッチじゃあれは無理だぞ?」
「そんなことはないと思うけど……私達が1番相性が良かったかもね」
雲の中に隠れ、姿を見せることなく射撃を続けるネウロイ。実際のところは、小さなネウロイが大量に隠れていて、殲滅するのに時間がかかってしまった。
どちらにしても、私の魔力針、エイラの未来予知のどちらかが欠ければ、とても危険だったに違いない。
「それにしても、エイラ怖くなかったの?」
「ん? さっきの雲のことか?」
「うん。シールドを張ることもなく、避け続けるなんて」
シールドを張り、足を止めれば狙い撃ちにされてしまう。そうなれば、どんどんと魔力を消費してしまい、その内堕ちてしまう。
そんな危険な戦いだった。
「私にとってはいつもの通りだからなー」
シールドを張ることなく、未来予知で全ての攻撃を回避する。速度を落とすことなく、攻撃を避ける。
エイラにとってはいつも通りかもしれないけど、私としてはとても心配で見ているだけでも怖かった。
「それに、私としてはサーニャの方が心配だったぞ?」
「え……私が心配だったの?」
魔力針による索敵、空間把握はいつも通り。別に精度が落ちていたわけでもないし、外れたこともないけど?
「あはは、サーニャのレーダーのことじゃないさ」
私の魔力針ではない? そうなると、ますます分からなくなってしまう。
私は、エイラに心配をかけるようなことした覚えがない。
「サーニャ、私に避けるのを全部任せてくれただろ?」
「うん、エイラなら大丈夫だと思ったから」
私の魔力針は、敵の位置を掴むだけ。攻撃の予測は出来ても、余地は出来ない。
だから、エイラに抱きかかえられて攻撃を避けた。エイラの腕に抱かれたまま、ネウロイの攻撃を避け続けた。
「いや、普通なら、ちょっとぐらい怖がっても良いだろ? それなのに、サーニャが全部任せてくれるから、こっちが緊張したよ」
「そうなの?」
確かに、始めは怖かったよ。
すぐ傍をビームが通り抜け、私を撃ち落そうとする。
私達がさっきまでいた空間を、ビームがなぎ払っていく。
その1発1発は、私達を撃墜するには十分で、とても怖かった。
「けど、エイラがいてくれたから」
そう、私は怖くなかったのではなく、怖くなくなっていった。エイラがずっと抱きしめてくれていたから、段々と恐怖が薄れてきた。
エイラの温かい腕が私を抱きとめてくれて、エイラの体温が私を安心させてくれた。
話しかけてくれるエイラの声は優しくて、私の心は恐怖から開放された。
「エイラと一緒なら、エイラに抱かれていれば安全なんだって」
私の心が、そう理解した。そう感じたんだ。
どんなにレーザーが飛んできても、どんなにネウロイに狙われていても、エイラが一緒にいてくれれば私達は安全。
レーザーに当たることもなく、また怯える必要もない。
エイラがいつもやっているように、確実に落としていけば、この戦闘は勝利出来るんだって。
「そ、そうなのか? 私が抱きしめていれば、サーニャは怖くないのか?」
「うん。エイラの温かさが、私を安心させてくれるから」
どんなに危険な時でも、どんなに危険な場所でも、エイラが一緒にいてくれれば大丈夫。
今日の戦闘は、大切なことを私に教えてくれた。
「そうなんだ。あはは……」
「どうかしたの、エイラ?」
どうして、そんな変な笑い方しているの?
乾いたような、焦っているような。そんな不思議な笑い方、似合わないよ。
「その、あれだ。もし、サーニャが良ければの話なんだけどさ」
とても言い辛そうなエイラ。私、そんなに難しいこと聞いたかな?
それとも、魔法力を急激に消費したから、調子を崩したのかな?
「今度また、怖いことがあったりしたら、抱きしめてみようかなーなんて。も、勿論、サーニャが良ければの話だけど」
「今度……抱きしめる……?」
怖いことがあったら、抱きしめてくれる?
エイラが私を抱きしめてくれるの? 怖いことがあったら、恐怖が消えるまで、抱きしめていてくれるの?
怖かったり、寂しかったりしたら、エイラにお願いしても良いの?
◇
「ど、どうかな?」
「――嬉しい」
もしかしたら、エイラには気付かれてしまったのかもしれない。
私が抱え込んでいるものに、気付いてしまったのかもしれない。
だから、こんなふうに優しくしてくれるのかもしれないけど、私は純粋に嬉しい。
「エイラ、ありがとう」
「気にしなくて良いさ。その、私はサーニャが好きなんだから。ちょっとでも力になりたいんだ」
エイラは、私を心配してくれている。私を受け止めようとしてくれている。
そんなに年も変わらなくて、エイラにだって怖いことがあるはずなのに。私を気遣ってくれる。
その事実は、嬉しくて。そして、寂しい。
「私も、エイラの力になれるかな?」
エイラは、私を勇気付けようとしてくれている。私の恐怖を消そうとしてくれている。
その優しさに甘えるだけでなく、私もエイラの力になりたい。
私を受け止めてくれているエイラを、私の大好きな彼女の力になりたい。
「どう、かな?」
助けられるだけではなく、助け合える関係になりたい。頼るだけでなく、頼られる関係になりたい。
私もエイラを助けられる存在になりたい。
「そっか、ありがとうサーニャ。嬉しいよ」
「う、うん」
勇気を出して、言ってみて良かった。私でも、エイラの力になれるんだね。
助けられるだけだけではなく、エイラを助けることが出来るんだ。
「サーニャが助けてくれるなら、私はもっと強くなれるさ」
「あんまり、無理はしないでね?」
「大丈夫、大丈夫。私に任せとけって」
エイラ、時々無茶をするから心配。私の手の届かないところで無茶をしそうで、心配になる。
そっか、そうすれば良いんだよね?
エイラが無茶をしないように、危険な目にあわないように。私がずっと傍にいれば良いんだ。
今日だってあれだけのネウロイを相手に、怪我さえしなかったんだから。私が傍にいれば、大丈夫だよね?
――エイラ、こらからもよろしくね