リンクフリーです。
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まぁ、それでもSSUPが出来るからOKとしましょうw
「幸せに向かって」に『2人一緒に』をUPしました☆
これにてシリアスっぽかった展開は終わりです(ヒャッホー♪
以下拍手レス
>エリオくん、ガンバ。・・・あれ、なのはで応援出来る異性カップルってなんでエリキャロだけ・・・?
でもキャロはルーテシアがいますよ☆
普通ではないものは排斥される。普通から外れたものは破棄される。
人の世で何度も繰り返し行われてきた事。普通という名の定規で測り、法の名の下に判定し、常識という名の鉄槌を下す。
それが日常を逸脱した猟奇的なものでも、それが純粋で清らかな思いだとしても、等しく否定する。
何故否定されなければいけないのか?
普通を語る人々が責務だと、勘違いしているから・・・
何故改めなければいけないのか?
常識という名のルールが存在すると、勘違いしているから・・・
人が人を好きになるのに理由はいらない。誰かを愛し慈しむのに言い訳はいらない。
誰も止めることが出来ない想いを失わなかった結果。自分を偽る事無く、想いを偽る事無く、相手にちゃんと伝えた。
それが普通とは違っていても、それが苦難多き道だとしても、2人なら歩んで行ける。
何故排斥されなければいけないのか?
自分達こそが正しいと、勘違いされているから・・・
何故受け入れられないのか?
異例を認める事は出来ないと、勘違いされているから・・・
自分を責めることもあるだろう。
でも、忘れてはいけない。貴女は1人ではない事を。
相手を疑う事もあるだろう。
でも、忘れてはいけない。貴女が抱いた想いを。
――――純粋な思いは狂気にも等しい。
だが、貫くことが出来た想いなら、それは素敵な事ではないだろうか?
◇
泣き続けていた声が収まり、何とか会話が出来るようになった。
「ごめんね、急に泣いちゃったりして・・・」
「気にしなくていいよ。それより、なのは大丈夫なの?」
苦しそうに眠っていたかと思えば、起きるなり私に抱きついて泣く。とても普通の状態だとは思えない。もしかして、私が気付けないだけで体調が悪化しているのだろうか?
「にゃはは・・・ちょっとね、フェイトちゃんがここに居てくれた事が嬉しくて泣いちゃったんだ」
「そうなの?ごめんね、なのは。私が早く気づいていればこんな事にはならな・・・んっ」
昨日の事を謝ろうとしたら、柔らかく温かいものに塞がれてしまった。
「えへへ、なのはが好きでやった事なんだから謝らないで。今のキスは看病をしてくれたフェイトちゃんへのお礼だよ」
そんな場合じゃないと分かってはいるのに、なのはの笑顔にドキドキしてしまう。看病を続けていて少し疲れていたけど、それもまとめて吹き飛ばしてしまった。
なのははこんなにも温かい気持ちをくれるというのに、まだ求めて良いというのだろうか?私の胸の内に渦巻いているこの思いを伝えても良いのだろうか?
美由紀さんはもっと我がままになるべきだと教えてくれた。でも、私は今のままでも十分幸せなんだけどな。
「フェイトちゃん、少しなのはのお話を聞いて貰っても良いかな?」
まっすぐに私の目を見つめ聞いてくるなのは。
「うん、何でも言って」
彼女が何に苦しんでいるのか分かるかもしれない。そう思うと聞き逃すわけにはいかなかった。
「ありがとう。…私ね、夢の中で昔の自分と会ってたの」
柔らかく微笑み、一息つくとゆっくりと語りだした。
「それでね、フェイトちゃんとの事色々質問されて不安になって泣きそうになってたんだ」
質問とは言っているがただの興味本位で聞いてきたものばかりでは無いのだろう。自分が自分自身に問いかける時、すべてが分かっているせいもあり、一切の遠慮が無い。その状態で質問されたとなれば、泣きたくなるような、逃げたくなるような質問もあったに違いない。そう考えると、先程の行動も理解できる。
でも、ぞうだとしたらなぜ彼女は笑っていられるのだろう?
泣いていた理由は分かった。震えていた理由も分かった。
だけど、私に向かって微笑んでいられる理由が分からない。
「でもね泣きたい時に、苦しいときに聞こえたんだ。私が一番聞きたかった声が、私が一番聞きたかった言葉を・・・フェイトちゃんがなのはって呼んでくれるのが聞こえたんだ」
私の声?
たったそれでけで?私が名前を呼んだだけで、なのはを助けることが出来たの?
「傍にいるよって言ってくれたのが聞こえたんだ。いつまでも、どこまでも一緒に居て欲しいフェイトちゃんが呼んでくれたんだ。・・・そして、私を悲しみと苦しみの檻から連れ出してくれたの」
でも、私が同じような状態にいれば・・・悲しくて苦しくて、そんな時になのはが私を呼んでくれれば。
うん、きっと同じように笑える。同じように微笑むことが出来る。
「よくは覚えていないんだけど、結構酷い事も言われた気がする。フェイトちゃんの事も、フェイトちゃんと恋人になった事も。悲しかったなぁ」
ふと遠い目をしてどこかをみているなのは。でも、その横顔は晴れやかなものだった。
「でも、ごめんね。なのは、その子の事嫌いじゃないんだ。色々嫌な事言われちゃったけど、嫌いになれなかったんだ。」
何でなのはが謝るのかな?私にはさっぱり分からないよ。
「う~ん、意地悪をしたのもなのはなら、私はその子も愛してあげないといけないね」
私の言葉に驚いたようだけど、私が同じような状態になれば、きっとなのはだって同じようにしてくれると思うよ。
「えっ?で、でもあの子は怖いなって思う私の心で、フェイトちゃんとの事を疑ってしまった私の心だよ?」
「―――だって私はなのはの全てを受け入れて、愛し続けて、一緒に飛ぶって決めたから・・・ね?だから、なのはも自分の事を嫌いになろうとしないで。それに私が愛した高町なのはは、そんな事で誰かを嫌いになるような、相手の事を嫌いになれるような女の子じゃないよ」
言わなくても分かっていると思った。言葉にしなくても伝わっていると思った。
だけど、やっぱり目を見つめて言葉に出して伝える事は大切。名前を呼んで微笑めたら、幸せになれるでしょ?
「やっぱりフェイトちゃんは優しいね。それに私よりもずっと強い」
「そんな事は無いよ。私の強さはなのはがくれたものだから」
もうダメだと思っていた。私はダメだと諦めていた。
だけど、あの時だってなのはは諦めなかった。
「そうなの?よく分からないけど、ありがとう。でね、私はそんなフェイトちゃんが大好きだから、これからもずっと一緒に居たいな。大好きだよ、ありがとうって伝えさせて欲しいな」
「うん、大歓迎だよ。これからも宜しくね、なのは」
なのはのお願いは私のお願いとまったく一緒で、ちょっとズルをしちゃった気持ち。でも、私と一緒の事を願ってくれていて嬉しいな。
「それでね、フェイトちゃんにお願いがあるんだけど良いかな?」
「なのはのお願い事?キスはさっきしたし・・・え~と、そのわ、私はいいけど、そのなのはの体調は万全じゃないし・・・で、でもなのはがしたいって言うなら私はいつでも・・・」
「フェイトちゃん、何の話をしているのかな?フェイトちゃんは欲しいけど、今回のお願いは違うよ」
「えっ?そ、そうだったんだ・・・」
さっきキスされたせいもあって、ちょっとモヤモヤってしてたからアレかな~と思ったんだけど、違ったんだね。いつもお願いがあるって言って迫ってくるから、勘違いしちゃったよ
「そ、それで何かな?」
「うん、最近よく考え事しているでしょ?悩み事じゃなさそうだし、幸せそうになのはって呼んでくれるのは嬉しいんだけど、私はフェイトちゃんの目の前にいるんだよ?想像の中の私じゃなくて、目の前にいる高町なのはに甘えて欲しいな」
そっと私を抱いてくれる暖かな腕。何度助けられたかも分からない暖かな心。
そうか、そういう事だったんだよね。なのはに甘えたい、なのはに手をつないで欲しい。それを勝手に1人だけで我慢しちゃいけないんだ。なのはに話して、なのはと相談して決めなきゃいけなかったんだ。
美由紀さんが伝えたかったのはきっとこの事だったんだね。
道を決める時も止まる時も、なのはと相談して、なのはに我がままを言って、決めれば良いんだ―――
◇
私のお願いはフェイトちゃんに届いたかな?
いきなり泣いて、いきなり笑って・・・そのまま抱きついたりして、変な子だと思われていないかな?嫌われたりしないかな?
心の中でそんな事は無いと信じていても、あの子に言われたこともあり少し不安になる。本当は顔を見るのだって怖かった。
でもフェイトちゃんなら、フェイトちゃんにならそんな私が居ることも知っておいて欲しかったから、逃げなかった。でも、まっすぐに見れなくて抱きついてしまったのはちょっとズルいのかな?
「なのは・・・そんな悲しい顔をしないで私の太陽を見せて欲しいな」
「えっ?ど、どうして分かったの?」
頑張って笑顔を作ってバレないようにしたのに・・・なんでわかちゃったの?
「ふふ・・・なのはの事だよ?ずっと一緒に居るんだから、ちょっとでも変わったことがあれば気付くよ。今のは寂しいから言ったのかなとか、今のは恥ずかしかったんだなって。だから、これからは遠慮しないでドンドン甘えて欲しいな」
「そうなのかな・・・私、もっとフェイトちゃんに甘えても良いのかな?」
「その代わり、私だってなのはに負けないぐらいに甘えちゃうから覚悟しててね」
嬉しい、私1人では抑えることが出来なかったこの気持ちをフェイトちゃんは分かってくれた。
それにドンドン甘えて良いってことは・・・みんなの前であーんとかやっても良いのかな?おはようのキスとかもして良いのかな?
・・・そこまで舞い上がったところで私は大切なことを思い出した。
フェイトちゃんとこれからも真剣に付き合っていく為に、悩むことなく幸せをつかむ為に、確認しておかなきゃいけない事がある。
「フェイトちゃん。こんな事聞くのも何だか変なんだけど・・・私はフェイトちゃんを縛っていないかな?フェイトちゃんが誰かを好きになる邪魔をしていないかな?」
夢の中であの子に言われて気になったこと。
私はフェイトちゃんの全てを知りたいと思っている。私がフェイトちゃんの1番の理解者でありたいと願っている。
だけど、どんなに努力しても、どんなに望んでもフェイトちゃんの心はフェイトちゃんだけのものだから、その奥底まで理解することは出来ない。だから、コレだけは聞いておかないといけない。
告白をしたあの晩以来、ココまで心臓の音が大きく聞こえたことは無い。今にも暴れだしてしまいそう。
私以外に好きな人が居ない?恋してる人が居ない?って聞いているようなもの。こんな事あまりしたくはないんだけどなぁ。
私の質問に対し、フェイトちゃんは笑顔と主に答えてくれた。
「心配しないで、なのはの隣に私がいるように、私の隣にはなのはがいるから。他の誰にも譲ってあげないよ」
口付けのサービス付で・・・。
「なのはが寝ている間にね、美由紀さんが来たんだ。それで恋人であることがバレてて・・・アドバイスを貰ったんだ」
お姉ちゃんにはバレてたんだ。でも、別に隠すことじゃないから良いよね。
「私達はまだまだ子供で恋をするにも、誰かを愛するにも経験が足りないって」
むぅ、お姉ちゃんと違ってなのはは大人だもん。フェイトちゃんと大人の恋愛だって出来るもん。
「でもね、それはダメな理由じゃないって教えてくれたんだ」
「・・・普通そんな言い方したら、ダメな理由を言っているふうにしか聞こえないよね」
「そうかもしれないね。でも、美由紀さんは言ってくれたんだ。経験が足りないからこそ、なのはと話し合って決めなさいって・・・」
足りないから話し合う。それは相手を分かる為に・・・
「始めは何のことか分からなかったんだけどね、勝手に決めちゃだめだよって事だと思うんだ。私達は始めて恋をして、初めて愛を知った。怖いなって思うこともあるし、どうして良いか分からない事だっていっぱいある」
足りないから話し合う。それは私を分かって貰う為に・・・
「だから2人で相談して、こうしようって決めれば良いと思うんだ。さっきも言ったけど、相手に甘えて、求めて・・・そうやって進んでいくのが良いと思うんだ」
「何をするにも2人一緒で、1人で悩まないって事かな?ちょっと難しいかもしれないけど、フェイトちゃんと一緒に居られるならなのははソレが良いな」
フェイトちゃんからの提案は素敵なもので、悩む事も考える事も無かった。
「うん、そんな感じだと思うよ。そういう形でなのはとお付き合いさせて貰っても、恋人でいても良いかな?」
・・・なんで私の恋人はこんなに可愛いことばっかり言うのかな?
「えっ、えーとね、別になのはが嫌なら別の事を考えても良いんだけど。そ、その折角教えてくれたから・・・」
「フェイトちゃん、勝手にオロオロしているお仕置きです」
「え?お仕置き?」
それで良いよって答えたのに、いまいち分かってくれていない恋人にお仕置きターイム。
「ちょ、ちょっと、なのは。まだ風邪治って無いんだからだ・・・んっ、ダメだってば。ね?今日だけは大人しくしようよ?」
強引にキスをして、布団の中に引きずり込んだのに嫌がりもしない。これじゃお仕置きにならないよ。
「ん~、それなら今日は我慢するから、フェイトちゃん一緒に寝てくれるかな?」
折角捕まえたフェイトちゃんを放すのが惜しくなって、そんな我侭を言ってみる。さっきドンドン甘えて良いよって言ってくれたから、これぐらい大丈夫だよね。
「も~、なのはは甘えん坊さんだね。良いよ、一緒に寝よう」
私達はバランスの取り方を間違えていたんだ。相手の事を想い、想いすぎる余りに何かをしてあげたいとだけ願っていたのかもしれない。求める事もなく、ただ受け身で・・・相手に拒絶され、嫌われる事を恐れていた。
でも、それじゃダメなの。私とフェイトちゃん、将来の事を考えている恋人だからこそ相手に求め、相手に捧げ・・・時々は我がままだって言わなきゃいけないんだ。
ごめんねフェイトちゃん。寂しい思いをさせちゃって。
ごめんねフェイトちゃん。今まで辛い思いをさせて。
ありがとうフェイトちゃん。今まで一緒に居てくれて。これからも宜しくね。
これからはもう大丈夫。私達は気付く事が出来た。私達は2人一緒に変わる事が出来た。
明日の私達はもっと輝けるから―――
次はすずアリかなと思う!