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なにやら時空管理局様に捕捉して頂いたようで・・・内心ビクビクしております。
どこから足がついたんでしょうね(コラ
さて、なのフェイSS UPでございます。
3月3日に我がハラオウン家で開かれた雛祭りパーティーには、結局なのはしか来れなかった。
みんな仕事や家の事情だから仕方が無いのだけれど、少し寂しいと感じる私は我侭なのかな?
ところでその雛祭りパーティーに関して私はほとんど覚えていない。とても楽しく、嬉しい気持ちでいっぱいだったのは覚えているけど他の記憶は曖昧で、特に甘酒を飲んで以降の記憶が無い。
その後、3月4日の朝に自室で目覚めた。
でも、なぜか裸でベッドに寝ていて、部屋の隅では正座をして、きつく目を閉じているなのはがいた。
その事についてなのはに何度尋ねても
「フェイトちゃんはね、甘酒を飲んで酔っちゃっただけなの。本当にそれだけで何も・・・無かったの」
と、同じ答えしか教えてくれなかった。
他にも私の家族に聞いてみたけど、みんな同じような返事しかしてくれなくて訳が分からない。
何か失敗をして怒らせてしまったのかもしれないけど、事情を一切話してくれない。
そうなると弱いもので、私に出来る事はほとんどなかった。
だからといってそのまま諦める訳にはいかない、そこでいつものようにはやてに相談にのってもらうことにした―――
◇
3月7日13時20分
八神家 リビング
最近相談を受けることが多なった私のもとにフェイトちゃんが訪れた。
実のところ、昨日なのはちゃんに相談されたこともあり内容は大体想像がついた。でも・・・プライバシー保護って事で知らん顔で相談にのることにした。
「ごめんねはやて、毎回相談にのって貰って」
「気にせんでええって、フェイトちゃんはあたしの大事な友達なんや。あたしで聞ける悩みならなんぼでも聞くで」
「うん・・・ありがとう。その、今回もなのはとの事なんだけど―――」
真剣な顔をして話し出したフェイトちゃんの内容を整理するとこんな感じかな?
雛祭りパーティーに来てくれたなのはちゃんと楽しく過ごしっとたんやけど、途中からの記憶が無く、その以降なのはちゃんと自分の家族の反応が何か変やっと・・・
「それにね、朝起きたとき私は・・・その裸でね。な、なのはに何かしちゃったんじゃないかって心配なんだけど、誰も何があったのか教えてくれないの」
まぁ、それは言えんわな。
リンディさんとかエイミィさんは多分、仕事に行ってた事もあって全部を知らんのやろう。
そしてなのはちゃんは相談の内容的に何があったかのか予想は付くけど・・・これは教えてあげる訳にはいかんのよ。
「う~ん、つまりフェイトちゃんとしては、その変な感じを解決するためにも原因が知りたいと。でも、なのはちゃんもリンディさん達も何も教えてくれへんちゅう訳やな?」
中身を知っていて惚けるのは結構キツイもんがあるけど、特別捜査官として働いている今、こんな事は日常茶飯事や。
家族と一緒に居る為とはいえ、難儀な仕事を選んだもんやなぁ。
「うん、そんな感じだよ」
「・・・残念ながらあたしもその場に居合わせたわけやないし、答えを教えてあげる事は出来へんなぁ」
あたしの答えにションボリした様子になるフェイトちゃん。
この表情はあたしに好きな子がおらへんかったら危険やな。
「やっぱりそうだよね・・・ごめんねはやて、変な相談しちゃって」
そのまま落ち込んでいきそうなフェイトちゃん。でも勘違いしたらあかんで?
「ちょい待ち、あたしは原因が分からんって言っただけで何もアドバイス出来んとは言ってない。・・・なのはちゃんがこんな状態になってしもうた理由ぐらいなら、思いつくで・・・って」
「え?ほ、本当はやて、それは何教えて。今すぐ教えて」
「ちょ、ちょっとフェイトちゃ~ん。そ~んなガクガク揺すられとったら~答えられへんで~」
「あ・・・ご、御免なさい」
やっと開放されたけど、苦しかった。
なのはちゃんの事になるとフェイトちゃんは見境が無くなる、これは覚えとかな命にかかわるな。
でも、まぁしっかりと恋人しとる証拠みたいなもんやし・・・でも、これから伝える事も受け止める事は出来るやろうか?
「フェイトちゃんの話の通りやったら、なのはちゃんがそんな状態になってしもうた原因は分かる。でもな・・・これから言う事はあまり綺麗な事やない」
相手を想うからこそ欲しくなる。この感情を理解するのは結構難しい。
「どちらかって言うと生々しくて聞かんかったら良かったと後悔するかもしれん。それでも聞きたいか?」
これは最終確認や。フェイトちゃんがなのはちゃんの全部が好きなら、綺麗なところも綺麗や無いところも好きなら問題はない。
でも、もしそうでなかったら破局を迎えてしまうかもしれん。
2人共あたしの大切な親友や、幸せになって欲しい。だから、これを喋った結果が破局への引き金となりそうならあたしは話せない、話す訳にはいかんのや。
「大丈夫だよ、はやて。私はなのはの全てが好きなんだ。ちょっと怖い感じもするけれど、全てを受け入れる覚悟は出来ているよ」
「あたしはそれを聞きたかったんや。OK、ほなあたしの思っている理由を話すわ」
覚悟もええみたいや。なら、遠慮する事はないな。
なのはちゃんの相談内容も織り交ぜて話したろか・・・。
「ズバリ言うで、なのはちゃんはフェイトちゃんに欲情してしもうたんや」
「え?なのはが・・・欲情?」
さすがにショックやったか?でも、まだ続きがあるで・・・
「話から推測するに、フェイトちゃんは間違いなく酔っ払ったんや。原因・・・甘酒やろうな、慣れてなかったらあれでも酔うて、聞くしな」
「そ、そうんなんだ」
本当は1つずつ理解できるよう、ゆっくりと話してあげたいけど、途中で止めると誤解する可能性がある。
ちょお辛いかも知れんけど、最後まで話すで。
「フェイトちゃん、正直に答えて欲しい事があるんや。本当はこんな事、他人のあたしが聞くべきではないんやけどな・・・」
本当にあたしが聞くべき事では無い。でもこれを確認せんと、この先は話せない。
「フェイトちゃんは、なのはちゃんが欲しい思うた事はあるか?つながりたい思うた事はあるか?」
「え?ええっ?」
この2人に幸せになって欲しい、何にも負けないような幸せを掴んで欲しい。そう思うからこそ答えが知りたい。
勿論2人の問題やから、関わらないでと言われれば何も聞かへん。
でも、あたしの直接的な表現に真っ赤になっているフェイトちゃんも、先に相談に来たなのはちゃんも本当に相手の事を思っている。
「あたしは2人の力になりたい。2人が幸せだよって笑っているところが見たいんや」
だからなのはちゃんは耐えれたし、フェイトちゃんだって相談に来てる。そんな2人の思いを無下にせんためにも・・・
「恥ずかしいし、言いたくないのはあたしにも分かる。でも今回だけ答えて欲しい・・・フェイトちゃんはなのはちゃんが欲しいか?」
長い沈黙やったと思う。何度か顔を上げ、言葉にならず口をパクパクさせているフェイトちゃん。
可哀想やとは思う。でもな、今回ばかりは本人の口から言ってもらわんとアカン、促す事も出来んのや・・・。
「し・・・よ・・・」
聞き取れへんかったけど返事やろか?
「私はなのはが欲しいよ・・・」
ふぅ、良かった・・・。
目で続きを促し、フェイトちゃんの想いを聞いていく。
「私はなのはが好きで、大好きでもう止まれないんだ。いつもなのはの事を考えているし、なのはと離れただけで寂しくて死んじゃいそうになる。朝も昼も夕方も、もちろん夜だってずっと一緒にいたい!」
最後のほうは叫びに近かっただろう。幸い家にはあたしとフェイトちゃんしかおらん。誰にも聞かれることはない。
「・・・でもね。私はなのはが大好きで堪らないんだけど・・・なのはがこんな私を受け入れてくれるとは思えないの」
さっきとは違い、明らかに消沈している。
ははぁん、コレが原因やな。
「なのはが欲しいけど、嫌われるぐらいなら我慢する。離れるぐらいなら我慢してみせる」
「・・・我慢してみせるか。まぁ決意は立派やな」
相手の事を想い、相手と一緒に居たいと願うならそれも必要な事だろう。引く事で、我慢する事で守れる物もある。
「でもな、フェイトちゃんソレを1人で決めたらアカンで?」
「え?・・・どういう事?」
・・・いちいち動作が可愛らしい。なのはちゃん、よお耐えとるなぁ。
「さっきの話やと、なのはちゃんには相談して無いやろ。それに、日頃は恥ずかしくてイチャイチャしとらんのやないか?」
「え?な、な何ではやてが知ってるの?」
まさか、なのはちゃんから聞いてるとは言えない。
まぁ、たとえ聞いてなくても分かるけどな。
「フェイトちゃんの態度を見取ったらな・・・。恋人に何も相談せずに決めるのはええ事やとは、あたしは思えん」
勢いに任せた行動に出ない為にも自分を律する事は大切。だけど、それは相手に相談しない事とは別なんや。
「フェイトちゃんは我慢する、我慢してみせるゆうとったけど、なのはちゃんが我慢出来るとは限らん。・・・多分、そろそろ限界なんやと思う」
抱きつきたくて、キスしたくて堪らない。フェイトちゃんの事が好きで好きでどうしようも無い。なのはちゃんはそんな想いがビシバシと伝わってくるほど愛情表現をしている。
でも、肝心の恋人には伝わって無い。まぁ、そこが難しいところなんやろうなぁ。
「雛祭りパーティーで何があったか具体的にはあたしには分からん。でも・・・おそらく、酔ってしもうたフェイトちゃんはいつものように自分を抑える事は出来んかったんや」
「そうなの・・・かな?」
「日頃から裸で寝とる訳やないんやろ?それもなのはちゃんの前やで?日頃なら絶対に出来んはずや」
「あっ・・・そっか・・・」
納得してくれたんかな?それやったらええんやけど・・・
「もしかしたら、裸でなのはちゃんに迫ってるかもしれんなぁ。まったくお熱い事で」
「そ、そんな事・・・してるかもしれない」
否定出来んところがあるんか・・・これはビンゴと見て良さそうやな。
「なのはちゃんがおかしいのはソレが原因やろうな。可愛い愛しい恋人の裸を見せられて迫られたんやで?普通なら襲ってしまうところを何とか我慢したんやろな。ただ、その変わりに距離を置かんと自分が抑えれんのや」
「はぅ・・・そうだったんだ・・・」
でも、悔やむ事は何一つ無い。フェイトちゃんは心の底からなのはちゃんが好きだからこそやってしまった。
結果は芳しくなかったかも知れないけど、なのはちゃんの気持ちの確認も出来た。
実際、今日のなのはちゃんはフェイトちゃんから意図的に逃げてた。帰りも1人だけで走っていってしもうたし・・・据え膳状態はきつかったんやろうなぁ。
「私、どうすればいいのかな?」
う~んソレまであたしが教えてしもうてええもんやろうか・・・。
既に喋り過ぎたかなとも、思うてるし・・・どないしようかな?
「それじゃあ―――」
「いや、待ってはやて。この先は自分で考えるよ」
私の言葉をさえぎった声、そこにはさっきまでの弱気な態度とは違い決意が含まれている気がする。
「そか・・・」
「ここまで相談しておいて勝手な話かもしれないけど、やっぱりこれは私となのはの問題なんだ」
『なんや、心配せえへんでもちゃんと分かっとるんやな・・・』
「だから私がなのはへの答えを見つけなきゃいけないんだ」
これならもう大丈夫。フェイトちゃん1人でやっていける。
そう思わせる何かをフェイトちゃんは掴んだんやろう。
「構わへんよ。・・・フェイトちゃんがなのはちゃんにしてあげられる事を頑張りいや」
「うん、そうするよ。ありがとう、はやて」
そう言って笑うフェイトちゃんは可愛くて、あたしはつい見とれてしまった。
「はやて、私の顔に何かついてる?」
「・・・目とか鼻とか口がついてるで~」
ほんま危険やわ―――
◇
「お邪魔しました」
「気にせんでええよ。またいつでもおいでな」
今回も相談にのってもらっちゃった。
はぁ、何やってんだろう・・・。
はやてから参考資料にと借りた漫画や小説、DVDを手にさげながらトボトボと帰り道を歩く。
私はなのはの恋人なんだ。なのはの事を全て受け入れて、抱きとめるだけの覚悟を持たないといけない。
「それに・・・」
か、可愛い恋人を前に我慢してくれたなのはに、私はちゃんと正面から答える必要性がある。・・・なのはなら襲われても良かったんだけどね。
とにかく、私は行動に出ないといけない。
なのはの恋人であり続ける為、自分の為に、想いに答える。
今日も日記に書く事が多そうだなぁ・・・。私はそう思いながら帰路についた。
勝負は3月15日、なのはの誕生日―――
日本語の構成がおかしいかもしれないです orz
今回もまたはやて師匠にご出演頂きました。ご苦労様です。