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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


メールアドレス
yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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(・w・) まだ休みなんですよ、はい

そんなわけで、ぶち抜き連休中のらさです
そろそろ仕事って存在を忘れそうですね

テーマ:譲れないもの なのフェイverです
うん、なんか昨日までと雰囲気違うわさ~


展望台から見渡す首都クラナガン。地球では想像できないような高層ビルが立ち並び、人が溢れ帰っている。
その人達それぞれが夢や希望を持ち、今現在を生き抜いている。
未来を夢見て努力をする者、夢に破れ失意に沈む者、家族の為に勤労に励む者。本当に色んな人たちがいるね。
「これだけの人がいれば、良くないことを考えちゃう人もいるんだよね」
私は時空管理局の職員であり、出来るなら事件が起きる前に解決したい、起きないように努力したいと思っている。
だけど、現実には悲しい事件が発生しており、それの解決に追われている。
呼びかけること、宣伝すること、伝えようと努力すること。それが無駄だとは思わないけど、もう少し効果のある方法はないかな?
そうすれば、悲しむ人も、悲しませる人も減らせられるのに。
「そうだね。それだけ、今の世の中には直すべきところがあるって、そういうことかもしれないけど」
「そうなのかな?」
「悪い事をする人だって、悪い事をしよう、事件を起こそうって思って生まれてくるわけじゃない。育った環境や、周りの考え方に影響を受けているパターンが多いいんだ」
事件を起こしてしまう人。悲しい選択をしてしまう人。
結果だけを見れば、彼等は犯罪者だ。他の人を傷つけ、悲しませ、許してはいけない事をしてしまった。
だけど、彼等だって小さな時から犯罪に加担していたわけではない。計画を立てていたわけではない。
その多くは恵まれない環境で育ち、価値観を歪められてしまっている。または、犯罪に走ってしまうほどの悲劇に直面している。
そういった問題を解決するのは管理局の仕事であり、行政が努力すべき面。それを無視して、彼等だけを糾弾するのは間違いだ。
「もっとも、周りがどんな状況であれ、真直ぐに育つ子は育つけどね。みんながみんな、強くはないんだ」
「そうだよね」
強い心を持ち続けていられたのなら、犯罪に走る必要はなかった。他の方法で、現状を変えようと努力しているはず。
だけど、みんなが強いわけではない。強くあろうとしても、強くなれない人だっている。
身体が強くても、力があっても、心が弱い人は多い。だから、悲しい事件が起きてしまう。
「譲れないものがあれば、守りたいものがあれば、頑張れるのかもしれないけどね。簡単には見つけられないよね」
「うん、見つけたくても見つからない。そんなものだよね」
譲れないものがあれば、守りたいものがあれば、心は強くなれる。
だけど、その譲れないものを傷付けられたら? 守りたいものを守れなかったら?
やっぱり、犯罪が起きてしまうののかな?
「なのはには、譲れないものはある?」
「あるよ。あるけど、話したくはないかな?」
「そっか。だから強いのかもしれないね」
私が下を向かずに、前を見ていられる理由。諦めずに、努力を続けられる理由。
それは、この胸に宿った気持ちが教えてくれているから。折れそうになった心を支えてくれるから。
「私にとって守りたいものは、フェイトちゃんだよ。そして、譲れないのは魔法の使い方」
「あはは……面と向かって言われると、恥ずかしいね」
「ごめんね。だけど、大切なことだから」
私の心の中に居るフェイトちゃん。私の心を支え続けてくれているフェイトちゃん。
彼女の笑顔が影らないように。彼女が悲しみに飲まれなくても良い様に。世界が良い方向へ進むように、努力し続けているから。
「それにしても、魔法の使い方が譲れないものなの? なのはらしいと言えば、なのはらしいけど。ちょっと難しいね」
「そうかな? そんなに難しいことじゃないんだよ?」
魔法の使い方。魔法に対する使い方。
もっと大きなことを言えば、力をどのように使うかという事。ただ、それだけのこと。
「魔法はね、私とフェイトちゃんを出会わせてくれたもの。とても大切で、温かいものなんだよ」
初めて出会った女の子は、とても冷たい目をしていた。何かを諦めたような、自分を無理矢理納得させているような、そんな目をしていた。
だけど、その優しさを隠し切る事はできなくて、冷たく振舞おうとしているのに優し過ぎて、泣きそうになったんだからね。
「大切な人と出会わせてくれて、かけがえのない仲間を与えてくれた。私に、新しい世界を教えてくれたの」
きっかけになった事件は、今でも忘れられるはずもなく、私の心に大きな影響を与えた。
だけど、それでも私は感謝している。私と魔法を引き合わせてくれたことに。私と、フェイトちゃんを出会わせてくれたことに。
「だから、それを悪用しようとする人は許せないかな? 正しい使い方を知って欲しいって、そう思うの」
罪を憎んで、人を憎まず。そんなことわざが地球には存在する。
罪自体を憎んでも、誰かが傷つく事はない。だけど、犯人を憎んでしまえば自分が道を誤ってしまう。悲しい事件を引き起こしてしまう。
そんなふうになりたくないから。私は、みんなに正しい使い方を知って欲しいだけだから。
武装隊ではなく、教導隊に入ったのもその為。
空を飛ぶ、その楽しさをみんなに知って欲しいの――


     ◇


「やっぱり、なのはは凄いよ」
「そんなことはないよ。私は我侭を言っているだけ。こうして欲しいって意見を、みんなに押し付けているだけだよ」
私の考え方、想いが間違っているとは思いたくない。
だけど、反対する人はいるだろう。納得できない人は沢山いるはずだから。
私の考え方だけが正解だなんて、そんな傲慢な事はいえない。
「それにね、なのははとても強い」
「もー、褒めても何もでないよ?」
私が強いのなら、それはみんなが分け与えてくれているだけ。
私の中にあったものではなく、みんなが教えてくれたんだ。
強くあろうとする姿を、諦めずに立ち向かう姿を、疑うことなく信じぬく姿を。
教えてくれた事を、教わった事を、私は広めているだけ。
「なのははね、きっと私とは違うんだよ。魔法がなくても、強かった」
「けど、魔法がなければ誰も救えないよ。この手にある力が、みんなを助けてくれたんだよ」
「私達の場合は、魔法という存在が一般的で、当たり前だけど、地球には存在しないでしょ? それなのに、なのははあんなにも強かった。心が強かったの」
心が強い、か。本当にそうなのかな? 私の心は強いのかな?
ちょっとした事で揺れて、ほんの少しの事で憤りを感じて、自分を抑える事も下手。
そんな私の心は強いのかな?
「なのは、知ってる? 魔法はね、助けてくれるけど、救ってくれないんだよ?」
助けてくれても、救ってくれない。それは、なぞなぞかな?
難しい事を言われても、私には理解できないよ? フェイトちゃんみたいに得意じゃないんだからさ。
「本当にね、人の心を救えるのは、同じ人の心だけ。強い願いと想いが、心まで救ってくれるの」
人の心を救えるのは、人の心だけ。そう語る彼女の横顔は、私のしているどんな顔よりも真剣で、私の見えていないものを見ているのだと感じさせる。
ちょっとだけ遠くに行ってしまったような、そんなふうに錯覚させる。
「理解しようとする優しい気持ち、受け止めようとしてくれる温かい気持ち、助けようと見捨てない強い心。それが届けば、人の心は救われるんだ。それこそが、人を変えていけるんだよ」
「難しくて分からないよ。私は、そんなに大きなことをしたつもりはないよ?」
私はただ、私の心に従いやりたいようにやっただけ。逃げたくないと感じれば、立ち向かい。助けたいと感じれば、飛び込んだ。
ただそれだけのこと。ただ、我侭を貫いただけ。
「なのはは、それを無意識でやっちゃうんだよね」
「そうなのかな? うーん、全然分からないよ?」
「あはは……なのはにとっては、普通なんだね。特別な事でも、なんでもないんだね」
特別なことではないと思う。不思議なことでもないと思う。
それに、フェイトちゃんだって同じことをしているのに、私だけがやっているように言われるのはイヤだなぁ。
「うん、なんだか大丈夫な気がしてきたよ。なのはと一緒なら、私も諦めずに頑張っていけそう」
「なんだか納得いかないけど、フェイトちゃんの力になれてるのかな?」
「うん、なのははいつも私を助けてくれているよ」
そっか、なら良いのかもしれないね。
言葉だけでなく、私の心も彼女を助けられているのなら、嬉しいだけ。
彼女の笑顔の為に、糧となれているのなら何も問題はない。

――明日も頑張ろう

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