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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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フェイトさん、かむばーっく!
迷子になってる場合じゃないですよー

なのフェイ テーマ:希望 UPです


「ねぇ、なのは。この世界は平和になれるのかな?」
ずっと気になっていたこと。なんとなく、心にひかかっていたこと。
心に渦を巻き、私の身体を重くさせているもの。
「急にどうしたの? 何かあったの?」
「ううん、そういうわけじゃないんだけどね」
正直、食後ののんびりした時間に切り出すべき話題ではないと思う。我ながら、最悪のタイミングだ。
折角なのはと過ごせるというのに、進んで重たい話を振ってしまった。
「ほんと、何かがあったわけじゃないんだよ? ただ、ちょっと気になったから……」
私の心を重くしているのは事実だけれど、他のものが重た過ぎて分からないくらいだから。気に病んでいるわけではない。
どちらかといえば、久しぶりになのはの顔を見られて、気が緩んでしまったからこそ、気付いてしまったのかもしれない。
私達が毎日会えない理由。それぞれの仕事が忙しくなっている理由。
そして、私となのはが出会えた理由。
「うーん、フェイトちゃんは難しいことを考えながら仕事をしているんだね」
「そうなのかな? 私にとっては、なのはの方が難しいと思うよ?」
消えることなく心の中にあるけれど、気になっているわけではない。
ただ、なんとなく忘れてはいけないような気がするだけ。
なんとなく、心にひかかっているだけ。
「教導隊は、正しい魔法の使い方を教えるのが仕事だよね?」
「そうだね。折角手に入れた魔法も、使い方を間違えれば暴力になってしまうから。誰かを救うことも出来るのに、同時に使う人の心次第で憎まれる対象にもなってしまう。そんなことになってしまったら、魔法が可愛そうだもん」
「そっか……」
魔法が可愛そう。そんな感情を抱けるのは、なのはくらいじゃないかな?
なのはの出身である、地球には魔法という概念は存在せず、開発もされていない。
そんな場所で、たまたまユーノに出会い、魔法使いとして覚醒してしまった彼女。
最初は戸惑うことだって多かったはずで、逃げ出したいこともあったはずだ。
けど、彼女は力の使い方を間違えることもなく、また逃げ出すこともなかった。
怖いことにも、痛いことにも、正面からぶつかって。それでどうにかしてしまう。
そんななのはであれば、悩まずに済んだのかも知れない。
「なのは、私達は世界の平和を目指して戦っているんだよね?」
「うん。少なくとも、私はそのつもりだよ?」
みんなが笑顔でいられるように、誰も泣かなくていいように、私達はそれぞれが頑張っている。
辛いことを飲み込んで、苦しみを乗り越えて。立ち止まることなく前を目指している。
「けど、今のやり方で平和になるのかな?」
ただ前を見ていれば、何も悩まなくて済んだ。この疑問に行き着くこともなかったかもしれない。
執務官として働き、ただ事件の解決だけを目指していれば良かったんだ。
ちょっとだけ余裕が出来たからって、周りを見渡したからこんな気持ちに囚われている。
「私達は、戦って世界を平和にしようとしている。力のない言葉だけでは何にもならないって変わっているけど、このやり方では平和は遠い気がしたんだ」
武力を持って、暴力を封じる。犯罪者は制圧し、犯罪は抑圧する。
確かに、間違った方法だとは思わない。思いたくない。
だけど、私達の目指している平和には、武力が必要であるとも思えない。
武力があるからこそ、暴力に立ち向かえる。けど、道を間違えてしまった武力は、暴力にしかなり得ない。
魔法は世界を豊かにし、様々な恩恵をもたらした。
だけど、それと同時に今までに存在していなかった、考えられなかった犯罪が起きるようになってしまった。
質量兵器は危険だからと規制がかかっているけれど、魔法だって十分危険なんだよ。人を傷つけることも、世界を壊すことも出来てしまう。
「だからね、なのは達のしてりる『誰かを助ける為の方法を教える』というのは、正しいと思うんだ。だけど、私のやっている方法では、平和が目指せないような気がする」
力がなければ、執務官にはなれない。力を持ち、扱えるようになることが、執務官として第一歩でもある。
ただ、間違った使い方をしてしまえば、私の力も暴力になってしまう。
「そっか……うん、なんとなくだけど、フェイトちゃんの言いたいことが分かるよ」
平和の為の力。力によって支配され、受け入れられる平和。
それは、私達が目指している『平和』なのかな?
「悩むことは大切だよ。分からなくなったら、立ち止まっても良いよ。下を向いて、涙を流しても良いんだよ」
私の心は、迷子になってしまった。
道もなく、出口もない。そんな世界で方向性を失ってしまったんだ。
「大丈夫、そんな時は私が傍にいてあげるから。フェイトちゃんが元気になるまで、ずっと傍にいるから」
そんな私でも、彼女は見捨てないと言ってくれる。私の傍で支えてくれると、そう言ってくれる。
心が削れ、命も削れ。そんな世界でも、彼女は前を向いてくれている。
「私も、なのはを支えたいな」
だからこそ、私も力になりたい。彼女が支えてくれるように、私だって力になりたい。
この手は小さく、彼女を守るには弱い。
だけど、逃げるんじゃなくて、立ち向かえるだけの想いを持ちたい。
「大丈夫だよ。私がフェイトちゃんの力になるように、フェイトちゃんは私を支えてくれているよ」
何も分からなくなって、何もなくなってしまう。そんな世界でも、2人一緒なら何かをなせるのかもしれない。
うん、少しだけやりたいことが見えてきた気がするよ。

――ありがとう、なのは

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