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特に、小説だと真ん丸です
(・w・)まぁ、これはこれで……
とりま、ペリーヌ&宮藤です
季節ものをテーマにしましたが、失敗した感がひしひしとしますね~
「鬼は外。福は内」
ネウロイの出現もなく、穏やかに過ごす午後の一時。
勿論、大気中の身ではありますが、お茶を飲むくらいは許されるでしょう。ええ、静かに過ごす権利はあるはずなのです。
「何をしていらっしゃいますの?」
けど、彼女にはその大切さが分からないようですわね。
「節分なので、豆まきです」
外に向かってせっせと大豆を撒いている宮藤さん。
その表情は真剣であり、叶うことならそのまま放っておいてあげたい。
「まったく、大豆も大切な食料ですのに。何を考えていらっしゃるんですか?」
ただし、平穏な時でならのお話ですわ。
今は戦時下であり、大切な食料を撒き散らすなんてことは、許されません。
それに、私のティータイムを邪魔しないで欲しい。
「けど、これだって扶桑の文化ですよ?」
扶桑の文化。それならば、坂本少佐もご存知のはず。
確かに私は少佐をお慕いしておりますし、尊敬しています。
それでも、見逃すわけにはいきません。
「文化が大切なのは分かりますが、駄目な物は駄目です。せめて、生の大豆でやられては如何ですの?」
宮藤さんの手にある大豆は炒ってあり、投げてしまっては食べられなくなる。
そんな勿体無いこと、容認出来ませんわ。
「んー。けど、節分は炒った豆でやるんですよ?」
「はぁ……それは平和な時にやって下さいな。今は生の大豆で我慢なさい」
一々説明しないと駄目なんですの?
少しは自分で考えて、自分で判断なさい。
「分かりました。このお豆は食べる事にします」
「そうなさい、大豆だって貴重な食料ですわ。投げるぐらいなら、お食べなさい」
まったく、調理当番をしているのに、食糧事情を把握していないなんて。少し、困り者ですわ。
もう少し考えていただかないと、すぐに尽きてしまいますわよ。
「それにしても、その掛け声はなんですの?」
「災いは外へ、良いことは家の中へどうぞって。そんな掛け声ですよ」
つまり、節分とは福を呼び込む文化。そういったところでしょうか?
災いを外へと出し、福を招き入れる。確かに、それ自体は理想と言えるでしょう。
「外へ出た災いはどうされますの?」
「え? 外へ出した災いですか? んー、どうなるんでしょう?」
けど、外へと出した災いは、どうなるのでしょう?
宮藤さんは文化とおっしゃいましたから、そこまで考えてはいないのでしょうけど。
それでも、少しは内容を理解すべきですわ。
「自分だけがよければ、それで良いとはいかないでしょ?」
自分が良ければ、他の人はどうでも良い。自分自身を最優先に考える。
確かに、人間としては普通の考え方かもしれません。誰でも自分が可愛いのは、ある種当然でしょう。
しかし、それは普通の時のみに許される、普通の考え方ですわ。
普通ではない今、その考え方は少し改めるべきですわね。
「あなたが冷たい人間でないことは、理解しているつもりです。あなたなりの優しさがあるのは、理解していますわ」
「急にどうしたんですか、ペリーヌさん。熱でもあるんじゃないですか?」
「し、失礼な方ですわね」
人が褒めているのだから、素直に受け取りなさい。
あなたのお陰で助かっている部分も、ほんのちょっととは言え存在するのですから。
「とにかく、意味を理解しないまま、誤解を招くような事は言わない方が良い。そういうことですわ」
意味を理解していれば、少しは気をつけるでしょう。理解さえしていれば、修正することも、訂正することも出来ますわ。
けど、何も理解してなければ、誤解された時に弁解すら出来ない。
自分が理解できない内容で、相手を怒らせてしまいます。不愉快な気分にさせてしまいますわ。
それを良しとするほど、あなたはひどい人ではないでしょ?
「うーん、良く分からないけど気をつけます」
「いや、だからそれを止めなさいと言っているのです!」
きーっ! 人が折角教えて差し上げているのに、何を聞いていたんですの?
そんなのだから、いつまでも新兵扱いされるんですのよ?
――まったく、本当に困った人ですわね