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リニューアル!
いや、SSをね
書き直しは初めてかな?
うん、多分
「名前を呼び合うだけで幸せになれる、確かに言いたいことは分かるわよ?」
「うん、アリサちゃんも分かってくれるんだね。早速やってみようよ」
「いや、流石に朝っぱらからそれはないわ。せめて放課後にして頂戴」
目の前で意気込んでいるすずかには悪いけど、朝からそんなことをしていたら、授業に集中できなくなってしまう。
確かに今習っている程度のことなら分かるし、1日くらいサボっても平気だけど。そう言う問題ではないでしょ?
「うー、折角なのはちゃんに習ったのに……」
「そんなことは教わらなくて良いの。アタシ達にはアタシ達のリズムがあるでしょ?」
成る程、元凶はなのはか。それなら、仕方ないのかもしれない。
朝から何の話をしていたのか、非常に気になるところではあるけど。いや、間違いなくノロケ合いなんでしょうけど。
必要のないことまで、教わることはないのよ?
「それはそうだけどね。たまには、変わったアプローチをしてみようかなって、そんなふうに思ったの」
マンネリ化を防ぐ為に、新しい方法を考える。今までとは違ったやり方で、気持ちを伝え合う。
それ自体が悪いとは言わないわ。マンネリ化しているつもりはないけれど、新しいことをやって驚かせてくれるのは大歓迎よ。
ただ、朝のホームルームすら終わっていない教室でやるのは、問題あるでしょ?
「アリサちゃんだって幸せになりたいでしょ?」
「……ア、アタシはすずかの傍にいられるんだから、今でも十分幸せよ」
いつまで経っても慣れない感覚が、幸せであることを伝えてくる。
飽きることのない、飽きるはずのない幸せを、教えてくれる。
「なら、放課後なら良いよね?」
「好きにすればいいじゃないの」
そんなこと、聞かないで欲しい。恥ずかしくて、答えられないわよ。
それに、その笑顔。どうせ、私の心の中なんて見透かしてるんでしょ?
◇
「アリサちゃん」
確かにそんなやり取りを、朝にやったわ。
朝からはダメ、放課後にして欲しいとお願いしたわよ?
「すずか……」
だからと言って、学校の教室でやるなんて、聞いてないわ。逃げるところもないし、みんなの目があるから凄く恥ずかしいじゃないの。
「大丈夫だよ。全部私に任せて」
「すずかに全部任せたら、とんでもないことになるわ」
家に帰ってからにして欲しい。それまで待てないなら、屋上とかなら良いから。
教室で、今この場では止めて頂戴。すずかの魅力に囚われたら、周りが見えなくなっちゃうんだから。
「おーい、そこのバカップル。ここは学校やでー」
「そんこと分かっているわよっ! すずかを説得しているんだから、少し見てなさい!」
外部からの野次。はやてがからかうようなことを、言ってくる。
もぅ、アタシは真剣なのよ? 邪魔しないで頂戴。
「嫌やわー。見られたいなんて、そんな趣味があったん? どっちにしても、アリサちゃんがすずかちゃんを説得するなんて、無理やろ?」
「うるさいわね。アタシだって、たまにはやれるのよ」
たまには、そう今回は説得出来るはずよ。今までずっと負けている、情けない成績だけど。今回こそは、説得してみせるわ。
「アリサちゃん、私と幸せになるの嫌なの? 私のこと、嫌いになっちゃったの?」
「そ、そんなわけないじゃない……」
あれ? アタシ、さっき心に決めたはずよね?
今回こそは、すずかを説得してみせる。せめて、教室ではやらないって。
「ただ、その、ここは学校でしょ? 他の人の迷惑になるじゃない?」
「大丈夫、みんな祝福してくれるよ。はやてちゃんだって、ずっと見守っていてくれたんだから」
うぅ、それを言われると弱いのよね。
今ではからかうことしかしないけど、アタシ達を心配してずっと相談に乗ってくれていたのは、はやてだから。
本人には気にしないで良いと言われたし、そうしようと気をつけているけど。事実は変わらない。
「ね? だから、私に任せて。2人で幸せになろ?」
そして、冷やかしはしても、遠ざけたりしないのはクラスメイトも一緒。
アタシ達がちょっと変わった恋愛をしているのに、今まで通り接してくれている。
「アリサちゃん、信じて」
「すずか……」
アタシは、このまま信じてしまっても良いの?
すずかと幸せになろうって、努力をし続ければ良いの?
「すずか」
愛しい人の傍にいて、幸せに包まれていたい。アタシの愛で、包んであげたい。
一方通行にならないように、お互いが幸せになれるように。
「アリサちゃん」
アタシを呼ぶ声が、永遠に途切れないようにして欲しい。
アタシを見つめる瞳は、永遠に閉じないでいて欲しい。
ずっと傍で、感じさせて欲しい。
「すずか」
「アリサちゃん」
すずかの可愛らしさも、すずかの美しさも。全てアタシが輝かせてみせる。
今以上に、尽きることのない愛を注ぎたい。
「アリサちゃん」
名前を呼び続けて欲しい。ずっと、傍にいて欲しい。
片時も離れることなく、アタシに幸せを教えて欲しい。
「すずか……」
今までも、これからも、そう願い続けるから。口に出して伝えるから。
2人で一緒に、幸せになりたい。
「アリサちゃん」
その為になら、多少の恥ずかしさなんて我慢できる。
すずかの幸せの為、アタシの幸せの為になら、我慢する。
「すずか」
だから、ずっとずっと傍にいて。繋いだ手を離さないで。
アタシに、すずかを感じさせて。
――幸せは、ここにある。