ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
最近は、なのは以外も書き始めました。
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らさ
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1986/07/28
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ご報告頂けたら相互させて頂きます。
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当ブログ内のSSは無断転載禁止です。
恥ずかしいので止めて ^^;
はい、土曜日です
定期更新できるぉ☆
すずアリ【星の元で】をUPです
純粋な想い
それゆえのモロさ
強いばかりでは、恋はできない
定期更新できるぉ☆
すずアリ【星の元で】をUPです
純粋な想い
それゆえのモロさ
強いばかりでは、恋はできない
どこまでも続く道。アタシ達が歩む道。
終わりなど望まず、どこまでも伸び続ける道。
終わりを望み、幸せな結末に向かう道。
魔法なんて使えなくても良い。アタシは、アタシの手が届く範囲で頑張るから。
みんなが笑ってくれなくても良い。アタシは、彼女が笑ってくれれば幸せだから。
大きなことは望まない。
だけど、ソレは最大級の我侭。
「……押し付けるわけにはい、かないわね」
アタシの理想は、アタシだけのもの。
どれだけ彼女を愛していたとしても、押し付けてはいけない。
アタシの苦悩は、アタシだけのもの。
どんなに望まれても、彼女には分けてあげない。
「苦しさも、辛さも。すずかに続く思いは、全て愛おしいの」
もぅ、ダメね。
アタシの全てにすずかがいて、アタシの行動はすずかに繋がっている。
「心の真ん中は、すずかの指定席」
ずっとそう思っていた。そう、思い込もうとしていたわ。
アタシの心にすずかがいるように、すずかの心にはアタシがいるって。
アタシが想っているのと同じように、すずかも想ってくれているって。
でもね、そんなの決まってないのよ。
アタシの勝手な思い込み、勘違いなの。
どんなに傍にいたって、他人の心なんて分からないから。
どんなに焦がれていても、心の中までは分からないから。
そして、先のコトがどうなるかなんて分かるわけがないわ。
すずかにも、アタシにも、それぞれの立場がある。
自分自身が望む必要はない。自分自身で決めることも出来ない。
学校も、就職も……恋愛だって、きっとそう。
今は許されている関係も、いつ禁止されてしまうか分からない。
不幸がいつか終わるように、幸福だっていつか終わってしまう。
幸せな時間は、終わりを告げる。
「永遠なんてないのよ。それは、始まっていないのと同じだわ」
カミサマがいるなら、アタシを笑っているんでしょ?
あがいたところで、未来は変えられない。
アタシが頑張ったぐらいじゃ、未来を変えるなんか不可能だって……。
そんなの分かっているわ。
今のこの気持ちは、意味のないものになってしまう。
どんなにアタシが願っても、周りが変わってしまう。
「今の幸せは、今だけのもの」
今は幸せ。すずかと一緒にいられて、幸せよ。
「今の気持ちは、いつか終わりを告げてしまう」
今の気持ち。すずかを想うだけで、幸せになれる。
でも、既に残酷な終演が決まっている幸せだとしたら。
アタシは、想い続けることが出来るのかしら?
いつか、残酷な最後を迎える幸福だとしたら。
最後の時まで、笑っているのかしら。
そして、その時すずかは笑ってくれるのかしら?
窓の外に広がる、夜の街。
幸せな人も、不幸な人も、全てを抱いて輝く。
アタシの今の気持ちも、過去の想いも、未来の不安さえ飲み込んでしまう。
――存在だって、消してしまう。
◇
人の溢れるこの世界。
運命的な出会いは数あれど、運命に見放された出会いだって沢山あるわ。
彼女も、アタシに出会わなければ、別の誰かと幸せになっていたのだろうか?
そんなのは嫌、認めたくない。
彼女の幸せはアタシがあげたい。そして、幸せそうな彼女の傍にいたい。
でも、すずかは幸せになれるのかしら?
普通の恋愛を知らず、子供を産む喜びを知ることなく、冷たい目に晒される日々。
アタシさえ、アタシの気持ちさえ抑えてしまえば、すずかはもっと幸せになれる。
アタシが諦めて、全てを投げ出せる勇気さえあれば、すずかにもう1つ上の幸せをあげられる気がする。
「アタシの存在が、邪魔なのね」
ソレは……嫌よ。
アタシが、アリサ・バニングスが月村すずかの邪魔をしているなんて、冗談じゃないわ。
アタシがすずかを不幸にしているだなんて、認めるわけにはいかない。
一時の幸せの為に、アタシの幸せの為だけに、彼女を巻き込むわけにはいかない。
頬を撫でていく冷たい風、真っ暗な闇が手を広げアタシを待っている。
いっそ、飛び降りてみようかしら?
消えて、全てが解決するのなら悪くないかもしれない。
アタシは、すずかがいなければ生きていけない。
でも……ううん、間違いないわ。すずかなら、大丈夫。
アタシがいなくなっても、ちょっとだけ泣いたら、元気になってくれるわ。
フリーになれば、すぐにでも彼氏が出来るでしょ。
アタシが今まで磨き続けた宝石よ?
アリサ・バニングスが愛してやまなかった、花よ?
スグにでも、傷を埋めてもらえるわ。そうすれば、彼女は笑えるはず。
アタシがココで消えさえすれば、すずかは幸せになれる。
「飛び降りちゃおっかな?」
きっと痛い。凄く痛くて、アタシは死んでしまう。
そしたら、すずかはちょっとだけ泣いてくれる。アタシなんかの為に、泣いてくれる。
でも、新しい恋がソコから始まるわ。
だから――
アタシさえ消えてしまえば、全てが上手くいくんじゃないかしら?
どうせ、今のままではいられないのよ。
いつまでも、昔のままのアタシ達ではいられないの。
時が流れ留まれないように、アタシ達の仲も変わってしまう。
変わらずにいることなんて、不可能なのよ。
変化は、アタシの望んでいる形かもしれない。
変化は、アタシにとって悲しい形かもしれない。
どんな関係にも、出会いがあり、変化があり、終わりがある。
出会いは、別れの始まり。楽しさと、悲しみは表裏一体。
悲しすぎる別れは、アタシを壊してしまうかもしれない。
心の壊れたアタシは、空っぽの人形になってしまうかもしれない。
弱いアタシは、耐えられない――
「ねぇ、すずか。そうなったても、アタシは幸せよ」
すずかに出会い、恋を知った。
すずかに出会い、愛を知った。
今の幸せは、彼女に貰ったもの。
アタシ1人や、他の誰かとでは、ありえなかった。
すずかを想い、もどかしさを知った。
すずかを想い、恐怖と幸せを知った。
今感じている恐怖は、彼女の傍にいたから感じられる。
1人ぽっちなら知ることさえなかった。他の誰かとなら、諦められたのかもしれないもの。
すずかの恋人になれたからこそ、見えた世界。
すずかの恋人だからこそ、知ってしまった現実。
でも、良いわ。
後戻りは出来ないからこそ、意味があるのよ。
やり直しが出来ないからこそ、今の瞬間が貴重なの。
アタシは、胸に宿る想いさえあれば、幸せなんだから。
この想いを抱えたまま、消えてしまえば――
◇
考えに浸っていたアタシは、けたたましい電子音で現実に引き戻された。
あのまま考え続けていたら何をしていたか分からないし、助かったわ。
『アリサちゃん、大丈夫?』
「……そんなに慌てて、何かあったの?」
ただ、さっきまでゴチャゴチャと思いを巡らせていた相手だから、ちょっと反応が素っ気なくなってしまう。
まったく、すずかには何の非もないのに、何やってるのかしら。
それにしても、大丈夫かなんて心配されるようなことあったかしら?
『その……うまく言えないんだけど、何か嫌な感じがしたの』
親しい間柄であれば、言葉にしなくても伝わることがあるらしいけど。
どうせなら、もっと良いコトが伝われば良いのに……。
「別に、何もないわよ。ただ、すずかが傍にいなくて少し寂しいだけ」
最近、やっと慣れてきた自分。ちょっとだけ素直なアタシ。
でも、このままだとお別れになのね。
折角出会えたのに、残念だわ。
女の子同士での恋愛が認められていない日本。
ここでは、アタシとすずかの気持ちは不純として非難される。
ホント、余計なお世話よ。どうして恋愛事情にまで、口出しされないといけないのかしら。
『あは、アリサちゃんもそう言ってくれるんだ』
「何よ、アタシが寂しいって言ったら、ダメなわけ?」
こんな風に幸せに包まれている日々。それが、近々終わりを告げてしまうとしたら……。
アタシはつなぎとめようと、このままでいたいと懇願するに決まっている。
でも、それは許されないことなのよ。
こんな風に幸せを感じている日々。それが、彼女の幸せを邪魔しているのだとしたら……。
アタシはアタシを許せないわ。すずかを好きでいるアタシを、認められなくなるわ。
だから、アタシから終わらせるの。
『そんなことはないけど、珍しいね。アリサちゃんが素直になってくれるなんて』
「ま、タマにはこんなアタシも良いんじゃない?」
悪かったわね。どーせ、アタシは素直じゃないわよ。
でも、これで最後だから、良いでしょ?
ちょっとぐらい、甘えさせてよ。
「ほら、明日も学校なんだから、そろそろ寝なさい」
『うー、、もうちょっと話してたいよ』
強引かもしれないけど、話を終わらせる。
甘い時間が続けば続くほど、今のアタシには辛いから。
決意が、にぶってしまいそうよ。
「明日聞くから……お肌に悪いわよ?」
『分かった。明日、いっぱい聞いてもらうからね』
「分かったわ。覚えとく」
明日はたっぷり聞いてあげよう。
彼女の話を、彼女の想いを……そして、どうするのか考えなければいけない。
『あ、そうだ。アリサちゃん』
「何よ。まだ、何かあるの?」
この幸せな時間が永遠に続けば良いと思う反面、なくなってしまう幸せなら早めに諦めろと急かす自分がいる。
アタシの想いが、アタシだけのものであるうちに、決着を付けてしまえと……。
ホント、どうしたいのか分からなくなってきたわ。
『大好きだよ』
その一言を告げると同時に、通話は終了した。
彼女の最後の一言は、アタシの心を満たしていく。
「アタシだって、大好きよ。愛しているわよ」
でも、このままじゃダメなのよ。
アタシ達は、一緒にいてはいけないの。
「すずかの、バカ……」
◇
どんなに暗い道でも、怖くない。
どこまで落ちたとしても、恐れない。
だって、大好きって言ってくれたもの。それだけで、十分だわ。
そうよ。アタシが邪魔なら、消えれば良い。
そうよ。アタシが必要ないなら、消えれば良い。
いつまでも、すずかの優しさに甘えているわけにはいかない。
アタシが願うのは1つ、大好きな彼女の幸せ。
私が欲しいのは1つ、大好きな彼女の笑顔。
悲しくとも、現実は変わらない。
涙を流しても、現実は変わらない。
ごめんね、すずか。アタシ、ちょっとだけ我侭になるわ。
嫌われても、憎まれても構わないわ。
それで、それだけで済むのなら、安いものよ。
許してとは言わない、傷つけても気にしないわ。
アタシにそんな資格はないから。
アシサ・バニングスは決意する。貴女に別れを告げることを。
アリサ・バニングスは願う。貴女の未来に幸せがあることを。
――さようなら、すずか
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