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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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リンクフリーです。
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次の記事:テーマ【憧れ】

前の記事:貴女と始める日々

1月2日で御座います。
みなさん、初日の出・初詣には赴かれたでしょうか?
え? 私は行きませんよ?
1人で行っても、寂しいだけだもんね!


さて、姫初めです。
なんか、いや、随分とズレた感じもしますが、姫初めです。


アルコールによる一時の快楽
日々に酔っている彼女には、不要なものです


「クイズです、今日は何の日でしょうか?」
「唐突になによ。どうかしたの、すずか?」
1月2日。元旦のみでお正月の恒例行事を終わらせ、アタシは自由を手に入れた。
自由を手に入れて、出歩けるとなれば訪れる場所はココ、月村邸。ぶっちゃけ、すずかの家。
「えへへー、いらっしゃい、アリサちゃん」
「すずか、様子がおかしいわよ。まさか、風邪なんてひいいてないでしょうね?」
「らいじょうぶ、だよ。私はいつでも元気だよー」
明らかにおかしい。
真っ赤な顔に、呂律の回らないしゃべり方。いったい、どうしたのかしら?
熱でもあるの?
「あはは、アリサちゃんが3人に見えるよ」
「ホント、大丈夫なんでしょうね?」
「これで私の幸せは3倍だね。やったー」
――誰か、説明して頂戴。まったく、新年早々何があったのよ。
すずかがこの様子だと、説明できる人なんて……ちょっと、待ちなさい。
なんか、アルコールの匂いがするわよ?
「すずか、もしかしてお酒でも飲んだ?」
甘酒で酔うほど、すずかは弱くない。
というか、普通のお酒で酔うよな気すらしないわね。
「お酒? えー、アリサちゃんに飲ませるやつかな?」
「ちょっと、アタシに何を飲ませるつもりだったのよ」
いや、酔うようなお酒を造れば良いだけか。
仮にもすずかは、月村家のお嬢様だ。ちょっとくらいの無理であれば、通せるだけの環境にいる。
「アリサちゃんにぃ、かわいーくなってもらうの。アルコールで理性もなくなっちゃうの」
問題は、その権力をアタシが絡むことにだけ使っていること。
それはそれで嬉しいけど。将来的に困るわよ?
「きっと、可愛いよ? 真っ赤になったアリサちゃんだよ? 抱き締めたいよー」
「今も十分抱きついているでしょ! というか、どれだけ飲んだのよ」
冷静に物事を考えられない。考えがまとまるわけがない。
酒蔵にいるのかと錯覚してしまう程の、匂いだ。
「ほんのいっぱいだけだよー」
「それで、そんなになるわけないでしょ」
少々手を加えたとしても、いっぱいだけでこんなになるわけがない。
人間の身体はそこまで弱くはないはずだ。
「むっふふー。月村の科学力は世界一」
アルコールのせいとはいえ、すずかがここまで壊れてしまうなんて。ちょっとだけ、ショックだわ。
けど、そんなすずかもアリかな、なんて思ってしまう自分にも嫌気がさす。
「見た目は甘酒だけど、どんな酒豪も酔っ払うお酒。それがこの『すずかデラックス』だよ」
「ネーミングセンスに大いに突っ込みたいけど、放置するわ」
その技術力と熱意を、別の方向に役立てて頂戴。
変わった甘酒を作る為に、消費された時間が勿体無いわ。
「で、結局は何がしたかったの?」
「アリサちゃんに甘えてもらうの~。このお酒を飲むとねー」
「って、飲んでんじゃないわよ! 余計にひどくなるでしょ!」
本人は解説しているつもりなんでしょうけど、実際に飲む必要はない。
むしろ、ひどくなるから飲んで欲しくはない。
「えー、でも、飲まないと分からないよー」
「すずかが飲んでも意味ないでしょ」
アタシに飲ませようと思っているものを、すずかが飲んでどうするのよ。
状況が悪化するだけで、解決するわけないでしょ?
「うー、アリサちゃんのいじわる。どうして、そんなことゆーの?」
「別にいじめてないわよ。ほら、とりあえず中に入りましょ?」
いくらすずかとは言え、酔っ払ってしまっては真面目に相手をするだけ無駄。
まともな判断なんて出来ないだろうし、こっちの言葉を聴いているのかも怪しい。
「むふふ、私を押し込んで何をする気かな?」
「何もしないわよ。水でも飲んで、酔いをさましなさい」
「私、酔っ払ってなんかないよ?」
だからと言って、無視することも出来ない。
「酔っ払いは、みんなそう言うのよ。すずか、自分の足で歩いてよ」
「アリサちゃん、連れて行ってくれないの?」
「……置いていこうかなって、今本気で考えたわ」
どっちにしても、ここにいるだけでは解決出来ない。
部屋に行って、眠れば少しはマシになるんじゃないかしら?
「ほら、とにかく部屋まで行きましょ。そうすれば、座ることも出来るでしょ?」
「うー、気持ち悪い。疲れたから、歩きたくないぃ」
「ああ、もう! 仕方ないわね、今回だけよ」
それにしても、ファリン達はどうしたの?
お正月の帰省? すずかに止められた?
「まったく、どうして小学生のうちから酔っ払いの相手をしなきゃいけないの?」
「えへへ~、ごめんね。お詫びにキスしてあげるから、許して」
「別に怒ってないから止めなさい」
まぁ、どっちにしてもこの場にいるのは私だけ。
なんとかしないとね。


     ◇


こちらは所変わって、と言う程変わってないけど月村邸屋内。もとい、すずかの部屋。
まぁ、こうなることを予想はしていたんだけどね。
「ごめんなさい、アリサちゃん」
「別に良いわよ。でも、理由だけはちゃんと聞かせてよね」
アタシの目の前では、すずかが深く頭を下げていた。
水を飲んで、休憩したら、少しは酔いがさめたみたいね。
「うん。えーとね、可愛いアリサちゃんを見たかったの」
「はい? えーと、アタシの聴き間違えかしら?」
少しはまともな意見が聞けるかと思ったのに、酔っている時と変わらないじゃない。
いや、2度目である事を考えればひどくなっているのかしら?
「私は、可愛いアリサちゃんを見たかったの!」
「いや、大丈夫よ。しっかり聞こえているわ」
別に聞こえなかったから、聞き返したわけではないのよ?
ただ、聞き間違えだと思いたかっただけ。
「酔っ払って、真っ赤になっているところとか。熱くなってきて、潤む瞳とか。呂律の回らなくなっている言葉とか」
そんな醜態をすずかに見せるの?
というか、すずかはそんなアタシを見たいわけ?
「アリサちゃんが酔っ払っているところを、見たかったの」
「えーと、それは今のままのアタシには魅力がないってこと?」
「そんなわけないよ。誰、そんなこと考えたの。私のアリサちゃんは、世界で1番可愛いんだから!」
すずかよ、なんて素直に答えられるわけないか。
さっきまであんなにも酔っていたんだし、こんな短時間で醒めるわけないわね。
「けど、より可愛くなれるはずだったんだもん。アリサちゃんが、もっと色っぽく可愛くなれるはずだったんだもん」
「小学生に色気を求めて、どうするのよ」
頭はいいはずなのに、時々ズレたことを言うのかしら?
小学生に求めて良いのは、精々可愛さぐらいでしょ。
「私は、アリサちゃんの色気にメロメロだよ?」
「そう。ごめん、アタシが悪かった」
あー、真面目に相手をしていたアタシに問題があるのね。
酔っているのは、分かっていたはずなのに。
「そんなことないよ。悪かったのは私なんだから」
そうゆう意味じゃないわよ。そんな深刻な顔、市内で頂戴。
「どれくらいの効果があるのか分からなかったし、自分自身で試したの」
そして、そのまま喋りだす。すずかって意外と長引く方なのね?
それとも、触れ込み通りの効果なのかしら?
「結果は見ての通り。ごめんね、迷惑かけちゃって」
「そこまで迷惑でもないわよ。珍しいもの、見せてもらってしね」
「私としては、失敗なんだよー」
すずかがどんなつもりであったとしても、それは可愛らしい動機から始まったものでしょ?
それに対して怒る程、アタシの心は狭くないわ。
「へこんでても良いことないわよ?」
「うーん、それもそうなんだけどね」
すずかがへこんでいても、アタシは楽しくない。
すずかがへこんでいても、アタシは嬉しくない。
傍にいられる時は、笑顔でいて欲しい。
「別にアルコールに頼らなくても良いでしょ? すずかが見たいなら、どんなアタシでも見せてあげるわよ。まったく、変なところで遠慮するんだから」
「けど、私は酔っているアリサちゃんを見てみたいの」
どうして、そこまでこだわるのかしら?
アタシにお酒を飲ませること。それ自体が目的になってない?
「……強情ね。アタシを酔わせて、どうするつもりなの?」
「思いっきり可愛がるの。頭を撫でて、頬擦りして、抱きつきくの」
「いつもと変わらないじゃない」
強情な割には、やることはいつもと変わらない。
そこが可愛いと言うか、何と言うべきか。ホント、困った子ね。
「ぶー、いつも通りじゃないもん。酔ってるアリサちゃんだもん」
「それはアタシの話でしょ?」
まだまだ酔っているのね。
というか、段々酷くなっている気がするわ。
「まぁ、良いわ。そこまで言うんだし、飲んでも良いわよ」
「本当?」
「だって、こんなのジュースみたいなものでしょ?」
酸味があって、味もしっかりとしている。うん、香りだって悪くないわね。
そうね、少し高めのフルーツジュースと言ったところかしら?
「そんなことはないよ。お酒だよ。飲みやすくて、ジュースみたいにはしてあるけど、間違いなくお酒だもん」
「確かに飲みやすいけど、まさにジュースね」
「むー、なんか納得いかないよー」
飲みやすさが、ジュースとしての演出を一層高めている。
成る程、これをジュースと偽って出されたら、疑うこともなさそうね。
すずかも中々やるじゃない。
「私はフラフラの状態なのにぃ」
「そうは言われてもねぇ。これなら、いくらでもいけそうよ?」
「少しは赤くなっているし、一緒に飲めば酔うはずだよ!」
「別に良いけど、すずかは大丈夫なの?」
既に酔っているすずか。
これ以上飲んでしまったら、大変な事になるんじゃないかしら?
「らいじょうぶに決まってるよ」
「そう、なら良いんだけど」
聞くんじゃなかった。
すずか、こう見えても負けず嫌いだから。退いてくれるわけないか。


     ◇


「あぅー、アリサちゃんがいっぱいだー」
「アタシは1人しかいないわよ」
アタシの目の前で、酔いつぶれているすずか。
「ホント、すずかも無茶をするわねー」
酔っ払っている状態から、更に飲み続けたのだ。
こんなふうに倒れてしまうのも、仕方ないだろう。
「別に、アタシの前だからって格好つけなくても良いでしょ?」
すずかがこんなになるまで頑張った理由。頑張ってしまった理由。
アタシとしては止めたいけれど、止められなかった理由。
「王子様か……」
すずかはアタシの王子様だから、必要のないプレッシャーに負けてしまったのだろう。
今更取り繕う必要なんてないのに、この子は頑張ってしまうんだから。
「別に、アタシは王子様なんて求めていないのよ。すずかがそのまま、アタシを愛してくれれば良いんだから」
アタシが好きなのは、月村すずか。
影で努力して、いつも微笑んでいて、アタシを安心させてくれる。
意外なところでドジふんで、変なところで意地になって、時々アタシの理解を超える。
けど、良いところも、悪いところも全部好き。全てを愛せる。
ここまでくると、ホントどうしようもないわね。
「そっか。アタシが酔わなかった理由が、分かったわよ」
アタシが酔うのに、アルコールなんて必要ないのよ。
単純で、とても簡単な答え。

――すずかとの恋愛以上に、酔える物なんて存在しない
 

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