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他の2本よりも短いですが・・・これ以降にも続くようにしてありますw
世の中に認められない恋なんて存在しない―――
歌のフレースだったか、本で読んだ台詞かも思い出せない。
いつも私の心の片隅にある言葉、私の恋を否定しない言葉。
好きな所や理由は沢山あるけれど、いつ好きになったかは覚えていない。気づいた時には好きだったし、私の心の真ん中にいた。
アリサ・バニングス
いつでも元気で、ちょっと怒りっぽいけど優しい。何より私の手を引いて歩いてくれる人。
その背中を見ていたくて・・・隣を歩いていたいと願うのは我侭なのでしょうか?
今までだって一緒にいれたし、これからも離れるつもりはないけど・・・果たしてその願いは叶うのでしょうか
◇
重たい音を響かせながらも優雅に走り抜ける車。後ろへと流れていく風景達。
いつものようにアリサちゃんの車にお邪魔している私、月村すずかはちょっとだけ緊張しています。
変わらないようで毎日ちょっとづつ変化していく世界。最近はちょっと大きな変化もあったけど、平和で穏やかに過ごして行く日々が私は大好きです。
学校で授業を受けて、みんなでお弁当を食べて―――もちろん大好きな人との通学も大好き。
楽しそうにお話しするアリサちゃんの隣で笑っていられる時間が大切でいつまでも終わって欲しくない。
「ちょっと、すずか人の話聞いてる?」
「あ、うん聞いているよ。・・・それで何の話だったかな?」
「あぁ!結局聞いてないんじゃないの!」
うがーっと怒り出すアリサちゃん。起こった顔も可愛いけど笑ってて欲しいな・・・。
「まったく・・・今日もあのバカップルがいちゃいちゃしてたわねって話してたのに」
「うふふ、そうだね。でも・・・バカップルはひどいと思うよアリサちゃん。なのはちゃんもフェイトちゃんも恋人同士なんだから、あれぐらいが普通だよ」
「いや、すずかアレが普通なんて思っちゃだめよ・・・。周りの気温が上がりそうなぐらいにいちゃついてるのはどうもね」
どうやら今日もご立腹の様子だ。そんなに怒ってて疲れないのかちょっと心配。
「大体人前なんだからちょっと考えなさいよね、まったく。はやてははやてで止めないどころか煽ってるし・・・」
この前恋人になった事を教えてくれたなのはちゃんとフェイトちゃん。電話ではやてちゃんからお話を聞いていたから大体のところは知っていたけど素敵なカップルだと思う。
自分を偽る事も無く、お互いに相手の事を想い、色んな壁を乗り越えて告白したらしい。なのはちゃんはともかく、あの恥ずかしがり屋のフェイトちゃんが頑張ったって聞いた時、少し勇気を分けて貰った気がした。
私だって1人の恋する女の子だ。恋人になりたいと願う気持ちと、今の関係を壊したくない気持ちを両方持っている・・・。
「見せ付けられるこっちの身にもなりなさい・・・ってすずかまた聞いてないわね?」
お互いの家のこともあるし、告白をしたからといってすんなり恋人にはなれないだろう。特にアリサちゃんの方は大変だと思うし・・・。
「もしもーし、すずかー。ねぇ、ちょっとすずかってば・・・」
でも、今のままだといけないよね。自分の気持ちがはっきりとしているのに悩んで動かないのは良くない。うん、たとえ結果がどうなったとしても私はやっぱり想いを伝えるべきだと思う。
「ちょっとすず・・・」
「アリサちゃん!」
「は、はいっ」
思わず叫んでしまった・・・うぅ、恥ずかしいよぉ。
前を見ると鮫島さんが聞こえなかったかのように運転している。
「あ、あのね・・・コレ受け取って欲しいの・・・」
差し出すのは頑張って美味しく作って、可愛くラッピングした自信作。
「ん・・・ありがと。学校で渡されなかったから今年は無いのかと思ったわ」
「そ、そんなはず無いよ・・・私がアリサちゃんにチョコレートを渡さないなんて・・・」
うぅ、失敗しちゃったかなぁ・・・みんなの前で渡すと恥ずかしいから2人きりになるのを待ったんだけど。
「まぁ、いいわ。すずかの作るチョコレートは美味しいしね」
「うふふ、ありがとうアリサちゃん」
「なんで渡した方がお礼いってるのよ・・・」
まぁ、いいわなんて言いながら包みをカバンへとしまっている。心なしか頬が赤いのは気のせいだろうか?そうだったら嬉しいけど。
そのままカバンをゴソゴソと漁っていたアリサちゃんは一つの箱を持っていた。
「はい、コレあげるわ。あたしも学校で渡しそびれちゃったし・・・べ、別に恥ずかしいからとかそんなんじゃないんだからね」
「ありがとう、アリサちゃん」
ところでアリサちゃんはツンデレというものを知っているのだろうか?
「て、手作りだから・・・その、味とか期待しないでよ。あたしすずかと違って下手だから」
「そんな事無いよ、アリサちゃんの作ってくれるものはいつも美味しいよ」
チョコレートを胸に抱きながら答える。アリサちゃん自身は下手だというが、私が以前食べさせてもらった料理は美味しかった。
「で、でも形はちょっと崩れちゃったし、ラッピングだってうまく行かなかったし・・・」
確かにアリサちゃんにもらったチョコレートの外装は失敗したあとが沢山あったけど、私の為に頑張ってくれたんだと思うだけで心が温かくなる。
「ありがとうアリサちゃん。私嬉しいよ」
まだ何かいっているアリサちゃんにお礼を言って黙らせる。もう、私はアリサちゃんに貰えれば嬉しいんだからあまり落ち込まないでよ。
バニングス家は資産家なので、その気になれば一流のパティシエに準備させるのなんて簡単な事だろう。でも、アリサちゃんは自分で作ったものを渡してくれた。それで私が喜ばないなんて事はありえないだろう―――
◇
あの後、家まで送ってもらい、ご飯やお風呂をすませて今に至る。
ちょっとぼうっとしていた事もあったみたいだけど、今日は許して欲しいな。
アリサちゃんに渡したチョコレートに添えた手紙。その事を考えると、居ても立ってもいられない。
勝負は明日の屋上、私の想いをアリサちゃんに伝えるんだ。散々悩んで迷って考えから、もう後には引けない。
何だか今夜は眠れない夜になりそうです―――
次は当然告白シーンですよ。
でも、他にも書きかけのがあるのでUPする順番は不明です ^^;