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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
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らさ
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38
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男性
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1986/07/28
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バレンタインSS 第3弾は 八神家一同
バレンタインは恋人の日でもありますが、感謝をする日だとも思うわけですよ(何






「なぁ、はやて。バレンタインって何だ?」
夕食の味見をしていた私に聞いてくるヴィータ。うん、今日も美味しく出来てる。
「ん~、どないしたんヴィータ。好きな子でもおるん?」
内心ドキドキしながらも努めて冷静に聞き返す。急に何を言い出すんだこの子は。
「今日、ばあさん達に聞いたんだ。もうすぐバレンタインだからチョコを準備した方がいいってな」
なんや、バレンタイン自体が分かってないんか・・・これはセーフやな。
「あと少しで料理がすむから、ちょお待ってもろうてもええかな?」
「おう、はやての料理はギガウマだからな。大人しく待ってるぞ」
言うが早いかヴィータはリビングに向かって行った。。素直で可愛い子だ。
ほどなくして準備も終わり、私はいくつかの広告をつかんでリビングに向かった。


「バレンタイン?何だソレは?ロストロギアの名前ではなさそうだが・・・」
「アタシも良く分からねえ。けど、ばあちゃん達が言うには、女の子が男の子にチョコを送る儀式らしいぞ」
リビングには守護騎士のみんなが集まっていた。どうやら「バレンタイン」が何かと話し合っているようだ。
「チョコを送る事に意味があるのか・・・シャマル何か知らないか?」
「チョコレートを相手に贈る儀式ですか?この前はやてちゃんに教えてもらった誕生日みたいなイベントの事かしら?」
流石に参謀を務めるだけはあって良い線をいっている。しかし、誕生日とバレンタインは全く別物だ。
「でもよ、誕生日だっけ?あれはチョコだけじゃねえはずだぞ?」
「・・・全く検討がつかんな。だが、主はやてに教えられていてばかりでは騎士の名が泣く。何とか自力で解決したいものだな」
「だからこうやって聞いてるんだ。なぁ、シャマル他に何かしらねえのか?」
これぐらいで騎士の名に泣かれても困るけど・・・そろそろ止めんとシグナムが落ち込みそうやな。
「残念だけど現時点では情報が少なすぎるわ・・・」
みんなの様子を見ながら私は頬が緩むのを感じた。
今までは悲しい出来事ばかりを繰り返してきた守護騎士達―――バレンタインや誕生日など楽しい思い出はないのだろう。
でも、だからこそこれから家族みんなで経験していけばいい。いつまでも、いつでもみんなが笑顔でいられるように。
「う~ん、誕生日は女の子だけが送るというイベントでは無いはずです。そこから割り出せば何とかなるかしら?」
平和な話題で頭を悩ませる事が出来る時間、その時を守る為にも私は頑張らなあかんな。
よし・・・。
「お待たせヴィータ。あら?みんなも揃っとたんか」
先程の会話などそ知らぬ顔で声をかける。
「遅えぞはやて。早く教えてくれよ」
「あはは、慌てたらあかんよ。丁度ええしみんなにも教えとくわ、コッチおいで」
じゃれついてくるヴィータを宥めながら私達は食卓へ向かう。



「さて、どう説明したらええかなぁ・・・」
みんなを集めたのはいいけど困った。
お婆さん達には悪いけど、おそらくヴィータの聞いて来たバレンタインの意味は少し古いのだろう。今は別に女の子だけが送る儀式ではない。
「え~とな、バレンタインは儀式ゆうほど厳粛な物ではないんやけど、恋する女の子には重大な日や」
「恋する女の子?なんだそれ?だったら恋って奴をしていないアタシには意味無いのか?」
「ん~、意味が無いとは言わんけど・・・お婆さん達が言っていたのとはちょっとずれるかなぁ」
頬を赤らめ好きな男の子にチョコレートと共に告白する。想像するだけでも微笑ましいけど、あいにくと私の家族にはそんな状態な者はいない。
バッチリ確認済みだ。
「主はやて、ずれると言うのは他に意味があると捕らえても宜しいのでしょうか?」
「うん、正解やシグナム。バレンタインには大きく分けると2つの意味があってな。女の子が男の子にチョコを送る日って意味と、いつもお世話になってますって意味を込めてチョコを贈る日でもあるんや」
まぁ、義理チョコゆうのもあるけど・・・混乱を防ぐ為にも後で説明する方が良いだろう。
「どちらにしてもチョコレートを送るんですね。スーパーでバレンタインフェアって看板と一緒に沢山並んでた理由が分かりました」
嬉しそうに手を合わせているシャマル。考えて見れば、買い物に良く付き合ってくれているのだから目にした事があるのだろう。
「そうや、あれはバレンタインでチョコが売れるからフェアをしとんのや。まぁ、可愛い代わりに中々ええ値段するから厳しいもんがあるけどな。まぁ、私は自分で作るから材料費だけでええけど・・・コッチはコッチでお金が結構いるんよ」
「なんだよ、結局金がかかるんなら買っちまった方が楽でいいじゃねえか」
ヴィータの言う事にも一理ある。
可愛くラッピングしたチョコを作るのは、手間がかかるし何より難しい。なのはちゃんみたいに家業としてやっていれば少しは違うのかもしれんけどな。
「でもな、自分の気持ちを受け取って欲しいって時は手作りが一番なんよ?好きですゆう気持ちでも、ありがとうゆう気持ちを込めるんでもそれは一緒なんよ」
もし、誰かに手作りなら気持ちがこもるのかと問われれば、私はYesと答える。
例え形が崩れてしまっても、作っている間に溢れるだけの想いは込めている。
「ヴィータも、もう少し大きくなれば理解できるはずや。こればっかしは経験せな分からんからな」
「な、なんだよソレ。はやてだって子供だろ?」
「ふふふ、私は文学少女やからね、ちょお規格が違うんよ」
「何だかずりいぞ」
ふくれて拗ねているのが子供っぽさに拍車をかけているのだが・・・可愛いのでこのまま黙っておこう。
「なぁ、ところで聞きたい事があるんやけど。みんなこの後暇ある?」
口で説明するよりも実際にやった方が分かり易いかもしれない。
「予定としては・・・ザフィーラ以外は入っていないはずですが」
「あら?ザフィーラは予定があるんかいな」
う~ん、でも問題ないかな・・・。
「・・・申し訳ありません主。騎士カリムの護衛任務が入っております」
耳と尻尾を垂れ下げ謝罪の意をしめすザフィーラ。子犬形体ということもあり非常に可愛らしい。
「そないに畏まらんでもええよ。ザフィーラはしっかりとカリムを守ってあげてな。それに・・・バレンタインでチョコを作るのは元々女の子の特権や。ザフィーラはホワイトデーで頑張ってくれればええ」
「なんだ?ザフィーラは用意しなくてもいいのか?」
「あくまでバレンタインは女の子が送る儀式や。男の子はどんと構えていればいいんや」
その分ホワイトデーが忙しいけどな、最後の一言はザフィーラだけに念話しておく。
『・・・主、ホワイトーデーに関しても説明を頂けると有難いのですが』
『ごめんな、みんなとチョコ作るので忙しいから・・・また今度説明するわ』
ちょこっと意地悪かもしれないが、この方が面白いだろう。
「ところではやてちゃん、私達の予定を確認して何かするつもりですか?」
「むふふっふ、丁度ええからな、今日みんなでバレンタイン用のチョコレート作ろう思うんよ。ええやろ?」
当日まであんまり時間もないし、みんなの予定が合う日もそう多くは無い。やれる時にやってしまわないと後悔するだけだ・・・。
「はやてと一緒に料理か?楽しそうだからアタシはいいぞ」
「はやてちゃんとお料理・・・ふふふ楽しそうでいいですね」
腕まくりしているヴィータに微笑んでいるシャマル。この2人は予想通りとも言えるだろう。
「では、2人とも頑張ってくれ」
そう言ってシグナムは椅子から立ち上がってしまった。乗り気な2人とは違い、冷たい反応である。
問題なく参加してもらえると思っていた私は拍子抜けした。
「なんやシグナム、用事なかったんと違うん?」
「その・・・稽古の方に顔を出して来ようかと思いまして」
稽古?あぁ、なのはちゃんのお兄ちゃんである恭也さんが開いている道場の事か。
時々通っていてシグナム本人も楽しそうなので日頃はいいのだが・・・。
「あれ?今日って稽古に行く日やったん?」
先程ザフィーラ以外はと言っていたし、長くヴォルケンリッターの将をやってきたシグナムが各人の予定を間違える事は滅多にない。ましてや自分の予定を忘れたりする事はまず無いのだが・・・。
「いえ。その、私は料理が苦手ですから、一緒にやるとなるとご迷惑をおかけする事になりますので・・・」
う~ん、いつもと違ってしおらしいシグナムも可愛いけど、今はそれにかまってはいられない。
「シグナム、ちゃんと私の話聞いとった?バレンタインのチョコはな、気持ちがこもってる事が重要なんや。少々下手でも気持ちが入っていればOKや」
「し、しかし、やはり上手な者から貰う方が送られる方も嬉しいはずですし・・・」
何で今日のシグナムはこんなにごねるんやろうか?私はシグナム達と一緒に料理がしたいだけやのに・・・。
「さっきもゆうたけど、気持ちが大切なんや。それにシグナムも女の子なんやから参加するんや。ええな?」
「は、はぁ・・・」
説得成功とみた私はへこんでいるシグナムを尻目に、広告を広げお目当ての食材を探した。



案の定というか、買出しも料理も一筋縄ではいかなかったけど・・・楽しかった。
そして2月14日 バレンタイン。
一人部屋でたたずむ私の手にそれぞれ個性を現している3つのチョコがある。
これでもかと装飾されたチョコ、可愛らしく装飾されたチョコ、シンプルながらも気持ちの伝ってくるチョコ・・・。
勿論私の大切な家族からの贈り物なのだが・・・勿体無くて中々食べれそうに無い。
余談ではあるが私が7個なのに続き、意外な事にザフィーラが5個となっていた。私達家族以外にアルフさんにも貰ったらしく一日中ご機嫌な様子だった。

「ところではやてちゃん、何でみんな寝込んでるのかな?」
「あはは・・・なんでやろうな」
ところで、現在日付は2月15日とバレンタインから1日たっていた。
時折聞こえるうめき声以外は静かな八神家。
我が家を訪れているなのはちゃんが驚くのも無理は無いだろう。何といっても私の守護騎士、ヴォルケンリッターが一人残らず寝込んでいるのだ。
原因はシャマルの作ったチョコレートと判明。
珍しく美味しく出来ているからと全部食べてしまった3人は夕方ぐらいから寝込み、未だに回復していない。シャマル本人も看病と癒しの魔法で疲れきって寝ている。
そこへ、なのはちゃんがやって来た。
みんな寝込んでるし、別に珍しい事でもないので私はは家に上がってもらった。いつものようにフェイトちゃん絡みの相談だと思っていた私は・・・まぁ、予想が外れてのろけ話を聞かされる事にはなってしもうたけど、本当に幸せそうなので起こる気にもならなかった。
ほんま、ご馳走さんです。

うちもはよ幸せになりたいなぁ―――






これにてバレンタインSSは終わりとなります。
3本とも今後のSSにつながるようになっていますので・・・ちょっと短いですけどね ^^;

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