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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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はい、本日は すずか視点 なんですよ

テーマ自体が曖昧であり、筆力不足によるブレにより、視点を入れ替えると別のところへ向かってしまうんですけどね……そこは、追々頑張ります
なんにしても、私が1番やりやすいのが、すずかさん

(・w・) 短くまとめすぎて、とんでもない形になるところでした☆



手を伸ばしても、けして触れることがない。どれだけ求めていても、手に入ることはない。
心の中にいつもあり、頭の片隅でくすぶり続けることはあっても、明確な結果として手に入ることはない。
「抽象的だからかな」
私が目指すものは幸せで、私が連れて行ってあげたいところも幸せ。
私の今の状態も幸せで、昨日まで私がいた場所も幸せ。きっと、未来も幸せでいられる。
文面だけで表現すれば、私は既に理想とするところへ辿り着けているはず。
独りで乗り越えた冷たい夜も、寂しさに折れそうになった夕方も。
涙を隠した昼も、笑顔でごまかしていた朝も。
全てこのためにあったのだと考えれば、報われる。私は、過去の私に感謝することが出来る。
それなのに、どうして私は頑張っているのだろう?
どうして私は、今も頑張り続けているのだろう?
幸せを手に入れたはずなのに。幸せに触れているはずなのに。
「まだ、足りないんだよ」
そう、手に入れたはずの幸せを手に入れてなお、私が努力している理由はそこに尽きる。
確かに、手に入れた幸せを継続させるためというのは、わざわざ確認するまでもない。
私も、アリサちゃんも、そこに関する努力は忘れることなく、継続している。
ただ、未来にある幸せ。理想と呼んだほうがいいのかもしれない、それを目指しているスタンスはちょっとだけ違う。
アリサちゃんの目指し方は、今の幸せを継続したまま、いつかたどり着ければ良いといったやり方。
わざわざ自分達で起伏を作らなくても、大変な苦労をするのが身に染みて分かっている恋愛だから。静かに、そして確実な方法で幸せを求めている。
それに対して、私、月村すずかはちょっとだけ違うの。
私はね、アリサちゃんを最短距離で、一気に幸せになれる場所へ、悲しみのない未来まで連れて行ってあげたいの。
それが理想だって言うのは分かっている。夢と現実の境界線にあり、現実的でないことは分かっているよ。
ただ、そうだとしても諦めたくない。諦められない。
私は、幸せを知るまでに経験した、様々な辛い出来事を忘れられないから。忘れたくないから。
アリサちゃんにはあんな思いを、辛さを味わって欲しくない。既に遅かったとしても、これ以上は経験して欲しくない。
「お姫様は遠慮しちゃいけないんだよ。幸せになるのに、条件なんてないんだから」
それを叶えるのは、その状態を保ち続けるのは、王子様の役割なんだから。
アリサちゃんがずっと笑っていられるように、笑顔が曇らないように頑張るのは、私だけに許されていることなんだから。
誰にも譲れない。例えアリサちゃん本人だとしても、この役割は譲れないよ。
 
 
     ◇
 
 
「いい加減、勝手に努力するのは止めなさい」
「えーと、ごめんね」
ただし、これは私だけの考え方だから、当然のようにアリサちゃんとぶつかってしまうわけで――笑顔でいて欲しいから、やっているはずなのになぁ。
笑顔のための努力の結果、私は怒られていて。納得しろといわれても、それは難しいことで。
けれど、さっきまで頑張っていた私と、頑張ろうと決意した私を攻めることは出来ないから。
「なによ。不満でもあるの?」
「ちょっとだけ、近いかな?」
今の私は、こうしてアリサちゃんに怒られている。
瞳に炎が宿っているのなら、確認できそうな位置で。荒くなっている息が当たっている位置で。ちょっと動けば、キスが出来そうな位置で。
「すずか、アタシは怒っているのよ? そこら辺、ちゃんと分かっている?」
「分かってはいるけど……あんまり近いと、キスしちゃうよ?」
「勝手に苦しんでいた分、それくらいなら良いわよ。ただ、今の倍以上、怒られることは覚悟しなさい」
あぅ、昔なら恥ずかしがって、逃げてくれたんだけどな。ちょっと、やり過ぎた?
キスをしてみろとばかりに突き出される唇。リップクリームを塗っただけの筈なのに、なぜこんなに光って見えるのかな?
全ての事柄を忘れて、その後で改めて怒られるのも良いかもしれない。
「ホントにキスしようとしないの!」
「えっ? 駄目だったの?」
ショックだ。キスしても良い、その後で改めて怒るからって言う、そんな合図だと思っていたのに。
疲れた体と、しぼんだ心が元気になれると、そう思っていたのに。
「少しは、空気を読みなさいよ」
「読んでいるよ? ただ、自分の欲望に忠実なだけ」
「怒られている間くらい、我慢しなさい! アタシだってお預けだったんだから、一緒でしょ?」
それは、そうなのかもしれないけど。ちょっとだけ、残念だな。
「はぁ……今までみたいに、ごまかされたりしないわよ? 相談もせずに、勝手に苦労するなって。前に言わなかったかしら?」
「ごめんなさい。言われたのは覚えていたんだけど、守れませんでした」
勝手に苦労しない。1人だけで苦労しない。
2人の幸せの為には、2人で努力する。
アリサちゃんの言っていることは分かりやすくて、疑問を挟む余地すらないのかもしれない。
ただ、実現するのはとても難しいんだよ?
「良い? 次にやったら、本気で怒るわよ?」
「はい。もうしないよ」
次はやらない、次こそはアリサちゃんに相談する。
うーん、自分で約束しておいてなんだけど、守れる気はしない。守る気があったとしても、守れる気はしない。
私にとっての最優先がアリサちゃんである限り、守れる環境を整えるのは難しい。いっそのこと、無理だと判断するほうが早い気すらしてしまう。
ふぅ……私の我侭なんだって、アリサちゃんも気づいているはずなのに。許してもらえないなぁ。
「さて、この話はもう良いわ。本題に入るわよ」
「はい、どうぞ」
アリサちゃんは、一度にまとめて怒る癖があるから。溜まりに溜まった鬱憤が、一度に放出されるから。
怒られる回数が減るのは嬉しいけど、長くなっちゃうね。
「このアタシに寂しさを味あわせた。その罪に関しては、どうやって償うつもりなのかしら?」
「……おはようのお迎えから、商店街でのウィンドウショッピング。お昼は私の手作り弁当で、夕方くらいからお茶会。夕食も私が腕をふるって、一緒にお風呂コース。夜のパジャマパーティーと、抱き枕コースでどうかな?」
幸せに対する償いは、幸せでしか補填できない。
寂しさを強要してしまったなら、溢れるほどの幸せを注いで。
私に出来る全てで、アリサちゃんを幸せに連れて行く。
「ふん、堪能させてもらうわ。ただ、抱き枕コースは却下よ。すずかだって、不足しているんでしょ?」
「えへへ、バレちゃったかな?」
アリサちゃんが幸せになるということは、自動的に私も幸せになれる。
そんな素敵な時間が、私の償いにも、笑顔の源にもなる。
 
――もう少し夢の世界へ、進む力が欲しい
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