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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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チオビタドリンク美味しいです
リポDと違って、甘くないのがイイ

そんな感じでこんばんは、らさです

なのフェイ テーマ:ガラス UPです

朝日を浴び、徐々にその姿を露わにしていく町。
ビル郡のガラスは光り輝き七色に、公園の木の上では小鳥が既にさえずり。
照らし出される民家の中にも、既に動き始めている者もいる。
人がいて、動物がいて、鳥がいて。ビルがあって、民家があって、思い出の公園もあって。
「フェイトちゃん、そろそろいこっか」
思い出の詰まった町。笑って、泣いて。戦って、救われて。
ここ、鳴海には沢山の思い出があり過ぎる。この町の出身でも、この星の出身ですらないのにね。
不思議だな。
「うん。いま行くよ、なのは」
だけど、思い出を一緒に作っていた彼女は、私の隣にいる。
私が離れてしまう町に残ることもなく、私と一緒に別の世界へと旅立ってくれる。
彼女にだって、私以上の思い出があるはずなのに。友達も、思い出も、私より多いはずなのに。
なのはは、平気なのかな?
自分が生まれた町を離れ、自分が慣れ親しんだ世界を離れ、自分を育ててくれた親からも離れるのに。
働く場所はこの世界ではなく、ミッドチルダと呼ばれる魔法のある世界。
地球とはまた違う、魔法が存在し、科学の存在する世界。
彼女に、不安はないのだろうか? 知らない世界ではないけれど、それでも――
「なのは、寂しくない?」
聞いてはいけない質問だった。
口にしてはいけない言葉だった。
彼女は自分の夢の為に、悲しい出来事を減らす為に旅立つことを決意した。
ただ、そうは言っても、この地球においては子供と呼ばれる年齢。親元を離れるのに、育った町を離れるのに、寂しくないはずなんてないのに。
「どうしたの、フェイトちゃん?」
「なのはは、この町を離れるのに寂しくないの?」
それは分かっているはずなのに。分かっていたはずなのに。
どうして、私は聞いてしまったのだろう?
なのはの気持ちには関係なく、彼女は旅立たないといけないのに。彼女の夢の為に、彼女が乗り越えないといけない道なのに。
なのは自身が、決めたことなのに。
何故、私が邪魔をするような言葉を、感情を煽るような質問をしたのだろう?
せめて、向こうについてからなら。多少は違ったのかもしれない。
ミッドに到着して、引越しが終わってからなら違ったのかもしれない。
何故、このタイミングで。彼女が残れる、最後のタイミングで聞いてしまったのだろう?
なのはが、残りたいと言った時、私には何も出来ないのに。
「にゃはは……やっぱり、分かっちゃったかな?」
「うん。少しだけね」
なのはは、どちらかと言えば賑やかな方で。大人しくしているのは、そんなに得意ではないはずなんだ。
それなのに、私に声をかける前も、声をかけて以降も、こうして大人しいまま。
やっぱり、寂しさを感じて口数が減っているんだよね。
「やっぱり、寂しいよ。今この町を見ていたら、寂しいなーって思うこともあるよ」
「その、こっちに残る道もあるんだよ? ミッドはホテル暮らしか、隊舎暮らしにすれば可能だよ?」
地球から通うのは、難しいのかもしれない。仕事が忙しくなったら、帰ってこられないかもしれない。
ホテル暮らしはお金もかかるし、全面的に賛成してくれる人はいないと思う。
だけど、最初の方だけなら、ミッドになれてくるまでは、それもありなんじゃないかな?
「ううん、違うよ。多分、フェイトちゃんが心配している寂しさと、私の感じている寂しさはちょっとだけ違うんだ」
寂しさが違う?
なのははこの町を、離れたくないんじゃないの?
「私は、高町なのはは、この町で産まれて育ったよ。楽しいことも、涙を流したことも、友達とケンカしたこともあった」
私と出会う前のなのは。私が知らない頃のなのは。
その時何を思っていたのか、何を感じていたのか。今の私には知る術がない。
それでも、そういった体験が彼女を育ててくれたいたのは、私にも分かる。
「みんなで歩いた商店街もあれば、ユーノ君と出会った公園もある。フェイトちゃんと出会ったのは、すずかちゃんの家で。約束を交わしたのは臨海公園だよね」
友達と歩いた商店街。魔法を知るきっかけとなた、ユーノとの出会い。そこからJS事件に巻き込まれ、成り行きとはいえ私と何度も戦った。
最後には友達になれたけれど、改めて考えると凄いことだよね。
「うん、どの思い出もはっきりと思い出せて、手を伸ばせば触れられそうだよ」
印象が強く、心に焼き付いてしまっているのだろう。
過ぎたこととは言え、罪悪感がないわけではない。
「けどね、それは思い出だから。昔の出来事、私の心にだけ残っている出来事なの」
私にも触れられない思い出。誰の手も届かない思い出。。
それは純粋でいて、少しだけ寂しいのかもしれない。
「それを手に入れられたのは、時空管理局の人達が頑張ってきたからでしょ?」
「それは、そうかもしれないけれど」
JS事件の時、遅れたとは言えクロノ達は解決に尽力した。
少しでも被害を減らそうと、時には非情とも呼べるような手段を使ってでも、ね。
「フェイトちゃんは優しいね。どうしたら良いのか、時々分からなくなってしまうくらいに」
どうして、今そんなことを言うのだろう?
どうして、このタイミングでなければいけないのだろう?
傍にいるはずなのに、分かってあげることが出来ない。
「大丈夫。寂しいけれど、心配は要らないよ。私は、私の夢の為に頑張るんだから」
なのはが頑張るのは、引っ越すのは自分の夢の為。自分の将来の為。
そう、本来であれば私は心配できるような立場ではない。
ただ、このままでは悲し過ぎるから。なのはの負担だけが増えてしまうから、口に出してしまった。
「助けられたままで終わるのは、私のやり方じゃない。守られるだけで終わるのは、私のやり方じゃないよ」
なのはは強い子だから、助けられたままでいるのが悔しいのかもしれない。
力をつけて、調整して。自分の出来ることを探し続けている彼女。
そんな彼女だからこそ、私も惹かれたんだと思う。
「高町なのはは、強くなる。強くなれるよ」
彼女は高く飛び上がる。私よりも高く、遠くへと飛んでいける。
「フェイトちゃんとの幸せを邪魔されたくないから。今の幸せを、手放せるはずないから」
その理由の1つとしえいられるのは、光栄だけどね。
負けているだけは嫌だから、私だって頑張るよ。
「ミッドに引っ越すのは、私の我侭でもあるんだよ」
自分の夢の為、将来やりたいことの為だもんね。
ふふ、私も手伝うから頑張ろうね。
「それにね、もう帰ってこられないわけじゃない。ここは私のフェイトちゃん、2人が育った町で。2人の思い出が詰まった故郷なんだよ」
2人の故郷か。うん、そうだよね。
ここには、この町には2人で作った思い出がいっぱいに詰まっている。
「寂しくなったら、報告すべきことが出来たら。帰ってこようよ」
「うん、そうだね……」
寂しくても、悲しむ必要なんてないんだ。
 
     ◇
 
 
「あの時の写真だ」
なのはの故郷で、私の故郷でもある町で、最後に撮った写真。
誰も移っていなくて、ただ朝日に照らし出された臨海公園だけが写った、綺麗な写真。
この写真の意味は、私となのは以外には分からないだろう。
2人が大切に持っている、誰も写っていない写真なんて。誰にも価値が分からないのだろう。
「そう言えば、報告って何?」
ミッドへと移り住み、既に何年かが経過している。
その途中で、忙しい仕事の合間を縫っては帰っているみたいだけど。報告、ではないよね?
あの時は雰囲気に飲まれてしまったし、改めて彼女の強さを実感していたけれど。それだけで、終わるはずないよね?
「それにしても、報告かぁ」
なのはは、何を考えてあんなことを言ったのだろう?
何を報告すべきだと考えて、あんなことを言ったのだろう?
改まって報告するようなことが、報告すべきことがあるのだろうか?
武装隊に入った時も、教導隊に移った時も、まだ鳴海市に住んでいたし。違うよね。
事件の報告なんて出来ないし、多分したくないはずだから。
「分からない」
なのはの隣にいるはずなのに、彼女にとって1番の理解者であるはずなのに。
どうして、分からないんだろう?
親御さんに報告しなければいけないこと。報告するような、大きな出来事。
――思い当たることが、ないわけれはないけれど。まさかね。
ただ、外れではない気がするあたり、私も覚悟が出来ているのかもしれない。
その時が来て、慌てなくて良いように準備だけでもしておかないとね。
 
――私が傍にいるよ
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