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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
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38
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男性
誕生日:
1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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(・w・) コンバンハ

     山形から帰ってきました
     というか、寒いです


すずアリ テーマ;雨の音(すずか視点) うpです


5月病にかかっていたアリサちゃんが回復し、寂しさを覚える頃。毎年やってくるこの季節に、少しだけ心が躍っている。
いつも通りであれば、例年通りの展開を望んでも良いのなら、この時期にしか見られない貴重なアリサちゃんに再会できる。そんな季節。
世間的には梅雨と呼ばれ、5月病から抜け出せた人々の気力を再び奪っていくもの。
農作物や、自然にとっては必要で、水不足にならないためには一定以上の降雨量が必要。
それは分かってはいるけれど、人間、特に恋をしている女の子にとっては点滴のような季節。
湿気を吸った髪は痛み、縮れたように広がってしまう。時には、1時間かけて頑張ったパーマですら、外に出た途端に解けてしまうこともあるみたい。
幸いにして、私はずっと前から対策を打っているし、何よりこの季節でもいつも通りでいられるのなら、アリサちゃんが褒めてくれるから。結構頑張っちゃっている部分がある。
お姫様役のアリサちゃんには休憩時間も必要だし、何よりダレている姿も可愛いから、その分だけ私がびしっと決めておこう。
「アリサちゃん、この時期はダメだね」
だけど、あまりにもだらけきっているのは宜しくない。適度にだらけ、お姫様としての気品は忘れない。いつものアリサちゃんであれば、息を吸うような感覚でそれをやってのけるのに……。
今日はダメみたいだね。
「仕方ないでしょ? こう連日連夜で雨のせいで、アタシ達のデートプランはぺちゃんこなんだから」
アリサちゃんが立案し、ずっと練っていたデートプラン。
マンネリ化しないようにと、時々しかけてくれる刺激のあるデートプラン。
「うーん、『緑を楽しむデートコース』。楽しみにしていたから、残念なのは分かるけど。床を転がっていても、晴れることはないよ?」
それが、この雨で流れてしまった。
少しくらいの小雨であれば、傘を差し、濡れる緑を鑑賞するのも悪くはないのだけど。ここまで強いと、そんな代替案も意味をなさない。
2人して濡れネズミのようになり、慌てて帰ってくるのがオチだから。
「そんなの分かっているわよ。ただ納得いかないから、不満を体で表しているだけ」
アリサちゃんが風邪でもひいたら大変だし、今日は1日お喋りをするつもりできたのだけど。それも、ちょっと難しいかな。
床を転がり、膨れているアリサちゃんは可愛いし、ずっと眺めていても飽きることはないのだろうけど、このままではダメだよね。
「はぁ、それにしてもここまで降ることはないんじゃない?」
まぁ、実のところを言ってしまえば、ダメなのはアリサちゃんがダレていることではない。
デートが潰されてしまったことには、少しだけやだなーとは思っているけれど、問題はそこではないの。
ごろごろと転がっているアリサちゃん。私の視線は時々そっちに向いてしまうし、ちらっと見えてしまうものがある。
それが見えてしまった時には、ちょっとだけ罪悪感が生まれるし、何よりも平常心を保っていられなくなる。
勿論、そのまま襲ったりするわけにはいかないし、冷静になれるよう、そっちの方へ話を振らないように気をつけている。
「土砂崩れとか、地すべりとか、ろくでもないニュースは遠慮したいわね」
そんな浮かれている私の頭とは違い、アリサちゃんはシビアなところも考えている。
うーん、いつもながらアリサちゃんは複数のことを同時に考えているんだね。ついていくのに、ちょっとだけ疲れるよ。
「うん、これだけ降っていると心配になっちゃうね」
だけど、私はアリサちゃんと同じものを感じていたいから、同じものを見ていたいから。
難しいテーマであっても、理解していないものであっても、なんとか着いていこうって頑張れる。
はぁ、私ってズル賢いなぁ。
「あっ……」
「どうかしたの、アリサちゃん?」
気付かれてしまったのだろうか? 私が抱いている邪な気持ちに、アリサちゃんは気付いてしまったのだろうか。
そうでないことを祈って、少しだけ振り返ってみる。
「なんでもないのよ。ちょっと考え事をしていただけだから」
私の早とちりだったのかな?
アリサちゃんの様子からすれば、私の気持ちに気付いている感じはしない。どちらかと言えば、自分自身のミスに気付き、落ち込んでいるような感じ。
何かあったのだろうか?
私が気づけていないところで、傷を負ってしまうようなことがあったのだろうか?
けど、最近はそんな様子なかったけどなぁ。
「何で気付けなかったのかしら?」
「どうかしたの?」
気付く? いや、けど、それは私の心ではない。
アリサちゃんの目は私を見ることなく、もっと遠くのものを見ている。いや、感じているのかな?
傍によっても振り向くことなく、ただ前を見つめている。
その目に映っているのは、その瞳が映しているのは、私にも見えるのかな?
アリサちゃんと同じ視点で、同じ考えを持ち、共感できるものかな?
「すずか、ここにきて目を閉じてみて。中々に面白いものが聞けるわよ?」
面白いもの? 聞こえる?
そっか、アリサちゃんは感情性が豊かだから、雨の音だけでも感じるものがあるんだね。
確かに複数の音が混じっているから、しっかりと聞き込めば何かを感じられるのかもしれない。
「うふふ。雨の音を聞いてどうするの?」
葉っぱに落ちてはねる水音と、反動で揺れる緑達。
水溜りに流れ込む音と、水泡が割れる音が響き。雨樋を通る水は、ベースとなる部分を形作る。
「こんな素敵なコンサート、滅多に聴けるものではないわ。アタシが独占しちゃ、悪いでしょ?」
コンサート、か。うん、そう考えられるなら、素敵だな。
そして、それに気付けるアリサちゃんも、気付かせてくれたアリサちゃんも、私の大好きな人。
これからも一緒に、大切にしていきたい。

――たまには、こんな日も良いよね

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