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(・w・) これで終わり~
手の間からするりと抜けてしまうよな、そんなはかない存在。
だけど、私の心と身体を限界まで突き動かす、衝動。
たった1つの思いのはずなのに、どうしてこんなにも違う形で表れるの?
「だから、アリサちゃんも怒ったのかな?」
始まりは、ちょっとした違いだった。私の考えていることと、アリサちゃんの考えていることが、少しだけすれ違ったの。
それだけのはずだったのに、すれ違いはどんどんと増えていって、私達は喧嘩してしまった。
ううん、それは正しくないよね。私がアリサちゃんの言っていることを、言葉を理解したくなかったの。
私の意見も、アリサちゃんの意見も、きちんと伝わっている。伝わった上で、喧嘩になった。
相手を大切に想っているからこそ、喧嘩につながってしまった。
分かっているよ? アリサちゃんは私を大切にしてくれている。だから、言ってくれたんだって。
けどね、それを認めたくない私の心があるの。
「どこででも、私といられれば幸せ。こんな言葉、勿体無いよ」
私はただ、自分の理想を、我侭を押し通そうとしただけなのに。アリサちゃんは優しく受け止めてくれた。私らしい意見だって、そう言ってくれたのに。
私は、アリサちゃんの意見を受け止められなかった。お姫様の言葉から、逃げてしまった。
王子様のはずなのに、世界でたった1人。アリサちゃんだけの王子様になったはずなのに。彼女を悲しませてしまった。
私はただ、アリサちゃんに傷ついて欲しくないだけなのに。どうして、上手く伝えられないのだろう。
この話題になると、いつも怒らせてしまう。アリサちゃんを傷付けてしまう。
お姫様は守られていれば良い。そこまで言うつもりはないよ?
だけど、やっぱり大切だから、好きだからこそ守りたいの。アリサちゃんの笑顔を、アリサちゃんが笑顔でいられる場所を、私は守って行きたいの。
その為に私が傷つくのなんて、気にしなくて良いのになぁ。
アリサちゃんは優しいから、私だけが傷ついているのは認められないんだよね。
だけど、2人共が傷つく必要性はないんだよ? 2人揃って、痛い思いをする必要はないんだよ。
私だけが我慢すれば良いの。大丈夫、アリサちゃんの笑顔があるなら、私は頑張れるから。
どんなところでも、どんな時でもくじけないから。
真直ぐ前を向いて、幸せだけを目指して頑張れるから。
だから、傍で笑っていてくれればいいんだよ。時々、褒めてくれれば、それで良いんだよ。
「私は、幸せなんだから」
幸せになるために、特別なことなんていらない。幸せを感じるのに、特別なことなんていらない。
好きな人の傍にいられるなら、好きな人が笑ってくれるなら。それこそが幸せなんだから。
「日常の繰り返し。何でもない日々が続くこと」
思い返せば、幸せなんだって、幸せだったんだって、胸が温かくなるから。
アリサちゃんがいて、私が隣にいて――
「嬉しいんだけどね」
どんな時でも傍にいてくれる。傷つくことがあっても、離れない。
そう言ってくれるのは、嬉しいんだよ?
愛されているんだなーって感じられて、涙が出そうなほどに嬉しいよ?
だけど、そんなアリサちゃんだからこそ、連れて行けないの。傷つくかもしれない場所に、危険な時に、アリサちゃんを遠ざけなければいけないの。
だって、それこそが私の選んだ道であり、アリサちゃんを幸せに出来る方法だって、そう信じているから。
だから、ごめんね。
――私がきっと、守るから