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これで、原稿が刷れるぜベイベー
(・w・) あとがきとか、終わってないけどな!
すずアリ テーマ:テレビ です
なんか、テーマに沿わなかったなぁ
「ねぇ、すずか。やっぱり、そうなのかしら?」
「えーと、どうしちゃのかな?」
ある日の昼下がり。いつも通りにお茶を飲んでいたら、アリサちゃんが話題を振ってくれた。
最近は盛り上がりに欠ける話題も多いし、提供してくれるのは嬉しいんだけど。もうちょっと、分かりやすくして欲しいな。
「やっぱり、有名人には憧れるべきなのかしら?」
「……ごめんね、意味が分からないんだけど」
有名人に憧れる? それはテレビでみたりする、芸能人に憧れを抱くってことかな?
確かに誰が好きなのかって、結構聞かれたりもするよね。
ただ、それのためだけに憧れる必要はないと思うけどなぁ。
「学校とかで、どうしても話題になるじゃない? あの人がカッコイイとか、あの演技はないとかさ」
「うん、話題にはなるよね。私も余り詳しい方ではないから、笑っているだけのことが多いけど」
天気の話題と並んでよく出てくるよね。テレビ自体はつけていれば見るけど、そこまで意識はしていないから、私は話題についていけない。
全くダメとはいわないけれど、みんなほど詳しくないから。
「すずかならそれでも良いのよね」
「そう、なのかな?
「どっちかといえば、聞き役でしょ? アタシにみたいに騒がしいわけでもないし。ただそこにいてくれるだけで良いと言うか、そんな感じなのよ」
なんとなくアリサちゃんの言いたいことは分かるけど、納得したくないなぁ。
私は、私なりに自己主張しているんだよ?
他のみんなに比べれば大人しいかもしれないけど、私は私を持っているんだよ?
「そんな顔しないの。すずかが言いたいことは分かってるから。ただ、そういうポジションにいるってだけのことよ」
「意識した事はないんだけどな。やっぱり、そうなっちゃうのかな?」
みんなから一歩引いた位置にいる。自己主張をしない、みんなの後ろに隠れている。
確かに、私はみんなの前に出て行くタイプではない。アリサちゃんみたいに、みんなを引っ張れるように人間ではない。
「誇りなさいよ。どんな集団でも、そこはすずかの位置なのよ? すずかが優先的に獲得できる位置なの」
「素直に喜んで良いのかな?」
「良いんじゃないかしら? アタシみたいに騒がしいのは、嫌われるわよ?」
そんなこと、ないと思うんだけどな。ちょっと強引なところはあるけれど、アリサちゃんはみんなのことを良く見ているから。
心配もしてくれるし、フォローもしてくれる。正に、人の上に立つのに相応しいと思うよ?
「まぁ、今問題なのはソコじゃないのよ。経済の動きとか、政治の動きは見ているけど、芸能人となると少し分からないのよね」
「割ける時間時間も少ないし、仕方のない部分はあるよ。私だって、良く分からないから」
「だけど、話題についていけないって、なんか悔しくない? 取り残されるみたいで、気を使われるのもヤダし」
――それは、我侭だと思うよ?
時間が足りないからと、諦めてしまわないのはアリサちゃんの良いところだけど。やれる事と、やれない事は存在する。
それを認めるのだって、大切なこと。何かを取れば、代わりのものを捨てなければいけない。
全部を抱えたままでいるのは不可能なんだよ。
「雑誌でも読もうかしら? テレビならだらだらと見てしまうけど、雑誌なら少しはマシなんじゃないかしら?」
「うーん、けど選定は難しいよ? アリサちゃんが求めている情報が載っているかどうかなんて、読んでみないと分からないから」
私は、芸能関係の雑誌を読む前に、ファッション系の雑誌を読みたいな。
お化粧とかも考える必要がある。アリサちゃんに見劣りしないように、コーディネートも気をつけないといけない。
芸能人の情報を知るよりも、そっちの方が大切かな。
恋人として、アリサちゃんに愛されるものとして、ちゃんと綺麗になっていかないと。
「そうよねー。ゴシップ系の雑誌って、嘘が多いから。何を読めば良いのか、さっぱり分からないわ」
「うん。それに、熱愛発覚とか、ちょっと可愛そうだな」
「それもそうよね。本人達にとってみれば、放っておいて欲しいだろうし。少なくともアタシなら、いやだわ」
有名になれば仕方のないことかもしれない。ある程度は妥協する必要もあると思う。
だけど、可愛そうだなってそう思うこともある。
恋愛は簡単な事じゃない。誰かを好きになるのは、とても難しいことなのに。
自分の気持ちを口にして、行動して。それで、初めて結果が出るんだよ?
それなのに、あんなふうに騒ぎ立てられるのは可愛そう。
「はぁ……一気に読む気がなくなったわ」
「だけど、どうするの? 諦める?」
「んー、それはそれで癪よね。諦めるの、嫌いなのよ」
「うん、知っているよ」
諦める事、途中で投げ出す事。アリサちゃんは大嫌いだから。
最後まで足掻いて、綺麗でなくてもいいから足掻いて、涙を流してでも頑張ろうとする。
それが、アリサちゃんだから。
「まぁ、何か手を考えるわ。ごめんなさい、つまらない話につき合わせちゃって」
「ううん、新しいアリサちゃんを見つけられて気がするから、私は嬉しかったよ」
我が道を行く、自分の信じた道を突き進む。
それだけじゃないってことを見せてもらえたから。
――今日も良い時間だったなぁ