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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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リンクフリーです。
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はい、久しぶりの1HSSです。
(テーマに従い、1時間で”完結させる”ことを目的とした、練習品)

今回のテーマは「ベース」です。
これといって、意味はないです。
というか、このテーマに選ばれるものは、意味のあるものの方が少ないですね。
冷やし中華とか、不思議なテーマもありましたから。


とりま、作品的には けいおん!です。
むぎ&律です。


「ねぇ、律ちゃん。あなたにとって、澪ちゃんてどんな存在なの?」
「どうしたんだよ、突然。何かあったのか」
「ううん、ただ知りたいだけなの」
放課後の音楽室。私達、放課後ティータイムの練習場所。
まぁ、そうは言っても練習なんて殆どしてないし、ただお茶を飲みにきているようなもんだけどな。
そこで、むぎと2人向き合っている最中だった。
本当ならのほほんとした、穏やかな時間なはずだったんだけどな。
「前に律ちゃんが色んな楽器を試したことがあったでしょ?」
「その節はご迷惑をおかけしました」
だから、その難しそうな話題を取り消して欲しい。栄養補給もしていないのに、難しいことは考えたくない。
「それ自体は別に良いんだけどね。私も梓ちゃんのギターを持たせてもらったことがあるし、やっぱり興味はあったから」
って、無視かーい。
まぁ、心の中でお願いしているだけじゃ、聞こえないか。
けど、突然にどうしたんだろうか? 何か気になることでもあるのかな?
「私達の楽器を色々と演奏してみて、その上で澪ちゃんのベースにだけは触らなかったよね」
「私の中では、澪はベースのイメージが強かったからなぁ。それに触ると怒られそうだし」
違う、それだけが理由じゃない。そんなことは、分かっている。
私の中だけで繰り広げられる会話。
それは外に洩れることはなく、私以外誰にも気付かれないはずだった。
私らしい、私以外の人が聞いたら納得出来る答えだったはずだ。
「それ、違うよね。律ちゃんが触らなかった理由は、それだけじゃないよね?」
それなのに、どうしてむぎは見抜いてくるのか?
これがお嬢様パワーってやつなのか?
「……あっはは、むぎは不思議なことを言うな。私がそんな難しいこと考えているわけないだろ」
時々、異様なまでに感が働くむぎ。
別に害はないし、嫌がる程のものでもないけど、ちょっと困った特技だよな。
私にだって、隠しておきたいものはあるんだから。
「律ちゃんがどうしても話したくないなら、良いの。ちょっと気になっただけだから」
「だから、そんなに難しいことじゃないって」
この状態のむぎ相手に、誤魔化せるのか?
仲間であるむぎ相手に、隠し通せるのか?
別に悪いことをしているわけじゃない。私はただ、ちょっと隠しておきたいだけなんだ。
「ねぇ、律ちゃん。私達って、友達で仲間だよね? それでもダメかな?」
「ぐっ……むぎも中々ズルいなぁ」
大した理由ではない。それなのに、仲間に話せないのか?
大した理由ではない。それなのに、心配してくれている友達に話せないのか?
口では軽そうに言っているのに、やっぱどこか引っかかっているのか?
だから、話せないのか?
「分かったよ。ちょっと、恥ずかしい話だから澪には内緒な」
「分かりましたであります。律ちゃん隊長」
「あはは、ありがとな」
こんな時に、唯の物真似で笑わせてくれる。
ほんと、そこだけに感を働かせてくれれば良いのにな――


     ◇


「なんていうかさ、私にとって澪のベースは特別な意味があるんだよ」
「特別な意味?」
澪のベースに手を出さなかった理由。
澪のベースにだけ、手を出せなかった理由。
今まで深く考えたことはなかったけれど、私の考えはあっさりとまとまった。
「ほら、私のドラムって走り気味だからさ、頭を抑えてくれる澪にはこれでも感謝してるんだ」
勢いがつくと、止まれなくなる。どんどんと楽しくなり、走り出してしまう。
自分なりに演奏を楽しんでいるつもりだし、それが出来ないのはつまらない。
けど、みんなに迷惑をかけているのは自覚している。私が走り過ぎることで、みんなのペースが乱れていることは理解している。
だから、私の頭を抑えてくれる澪には感謝している。
「走り過ぎないように適度に抑えて、私の味がなくならない程度に遊ばせてくれる。あの絶妙な加減が心地良いんだ」
私が思っていた以上にあっさりと、口から言葉が滑り出てくる。
考えてみれば簡単なことだよな。
「それが出来るのは、澪のベースだけだと思うんだ。というか、こんな我侭、澪しか許してくれないだろうし」
澪だから、私に付き合ってくれる。
澪だから、苦笑しながらも見捨てない。
甘えているのは分かっているし、いつまでもこれじゃいけないとは思う。
けど、今だけは、傍にいられる間だけでも甘えたいから。
「それに、ギターやキーボードはメロディ側だろ? 私達リズム隊の上に立つ状態だからな」
「うーん、上に立つというよりは、リズムを受け取っている感じかな?」
ドラム、ベースはリズム隊。
観客に聞かせる以上に、メンバーのリズムを作るのが仕事。
ドラムが叩き、ベースが伝える。このペアが大切なんだ。
「その受け取る側なら、結局は澪のベースがあるからさ。多少の変化はあっても、どうにかなるかなって思ったんだ」
ベースは、ドラムとメロディ側をつなぐ楽器。
私とみんなをつないでくれる楽器。
「まぁ、結局は私には合わなかったけどな」
「そんなこと、ないと思うけど」
「無理無理。特にキーボードなんて10本の指がバラバラに動くだろ? あんなの真似出来ないって」
豪快に、派手に動きたい。そう思えば思うほど、ギターやキーボードは厳しかった。
体全体で、手ではなく腕で。腕だけではなく足も――
そう考えれば考える程に、難しかった。
「ま、どの道私には向いてないんだろうな。ちまちました動きも多いしさ」
よくあんな動きが出来るな。
見ているだけでも感じたことを、体感までしてしまった。
「そう、なんだ」
「そんな訳で、私にはベースは澪以外考えられない。だから、あの時も手を出せなかったんだ」
私にとって、澪のベースにはそれだけで意味がある。
私の暴走を抑えてくれる、大切な存在。
「そっか、澪ちゃんのベースに触らなかった理由を教えてくれて、ありがとう」
「おいおい、なんか引っかかる言い方だな。他にも何か聞きたいのか?」
どうせ、この際だし。何かあるならついでに話しておこう。
「うん。私が知りたいのは律ちゃんが、澪ちゃん個人をどう思っているかなの?」
「あー、初めの質問はそれだったっけ?」
忘れてた。確かに、むぎの初めの質問はそれだ。
澪のベースについてじゃなく、澪について聞いていたな。
「ま、いっか。別に隠すことでもないし、むぎなら既に気付いてそうだし」
頭の上にはてなを浮かべ、なんのことと聞いてくる顔。
けど、むぎの感があれば、私の考えていることは既に把握しているんじゃないだろうか?
「隠しても無駄みたいだし、恥ずかしいついでだからそのまま話すわ」
これこそ隠しておくべき内容だと思う。
けど、ここまで話したし、むぎならいいふらしたりすることはないだろう。
「私ってさ、ほら、がさつなところあるじゃん? 気持ちを察することが出来なかったり、男っぽかったり」
文化祭の劇で思い知らされたけど、私には女らしさが足りない。
別にそれを嘆いたり、悲しんだりするつもりはないけどさ。やっぱり、良くはないと思う。
「それで友達と険悪な雰囲気になったり、嫌われそうになったことがあるんだよ」
昔、友達に言われた言葉。私の胸に突き刺さった言葉。
『律ちゃんてデリカシーがないんだね。男の子みたいで嫌い』
違う。そんなつもりで言ったんじゃない。
『どうしてそんなこと言うの? 律ちゃんだって女の子でしょ?』
違う。私は私だ。なんでこの考え方を認めてくれないんだ。
「悲しかった。寂しかった。私を分かってくれる人はいない。みんなと仲良くするのは難しすぎるって、諦めようとしたんだ」
優しさが足りなかったのかもしれない。
気がきかなかったのかもしれない。
それでも、そこまで言うことはないだろ?
「そんな時、澪が助けてくれたんだ。恥ずかしがり屋で怖がりの、そんな澪が助けてくれたんだ」
今でも覚えている。忘れられるわけがない。
『そんなこと言っちゃ駄目だよ。律だって優しいんだよ』
あの頃は、まだ姉御言葉でもなかった。今以上に恥ずかしがり屋だったと思う。
けど、私の前に立って、顔を真っ赤にして怒ってくれたんだ。
「ビックリしたよ。目立つ子じゃなかったし、いつも迷惑をかけていたから」
不思議だった。いつも真っ赤になってうつむいている子が助けてくれる。
そのことが不思議だった。
「ついでに私が怒られているのは、今も昔も変わらないけどな」
あの時だって、注意されたはずだ。
……覚えていないけど。
「それにさ、私が何かをやる時、困った時には傍にいてくれたからな」
文句も言うし、注意もする。時には殴られる。
それでも、澪は私の傍にいてくれる。私の傍で、笑っていてくれる。
「バンドだけじゃなくて、いつでもどこでも、澪が私とみんなをつないでくれるんだ」
本当は、こんなんじゃ駄目だと思う。
澪に守られているだけではなく、横に並べるようなそんな存在にならないと。
女の子らしく、気配りもできるようにならないといけない。
そんなふうには思うんだけどな。
「上手く表現できないけど、多分大切な存在だと思う。恋愛感情とかそんなのはないけどな」
気をつけないといけない。
日頃はぽやぽやしてて、優しそうなイメージがあるけれど。
むぎの恋愛観念は、なんというか幅広いから。
「成る程成る程、律ちゃんにとって、澪ちゃんは特別な存在なのね」
まぁ、それでも優しいのは事実だし、まさしく女の子だけどな。
「でもね、1つだけ違うよ」
「ん? 私、何か間違ったようなこと言ったか?」
覚えがない。間違っているはずもない。
私の気持ちを、私が喋っただけなんだ。
それなのに、間違っている?
「確かに律ちゃんは男らしいところがあるけれど、ちゃんと女の子だよ。それに気配りだってちゃんと出来てる」
「……いや、つっこむのソコかよ」
恋だの愛だの。そんなことを言われると思ったんだけどな。
まぁ、むぎもずっと妄想しているわけないか。
「私達の不安に気づいてくれたり、相談に乗ってくれたり、場を明るくしてくれたり。みんな律ちゃんに助けられているんだから」
「買い被りじゃないのか? 私は別にそんなつもりはないぞ?」
「ふふ、それは無意識で出来るほど、律ちゃんが女の子らしいってことなの。大丈夫、心配しなくても律ちゃんは女の子だよ」
背中を見ていれば、体調が悪いとか、不安だとかそういったことが分かるようになった。
気付けば放っておけず、話を聞いたりしているだけだけど……これで良いのか?
ただ、いつもと違うところに気付いて、気付いたからフォローして。それだけなのに。
「良く分からないけど、むぎが言うならそうなんだろうな」
私の女らしいところ。私の優しさにつながるところ。
そんなところにあったんだ。分かんないものだなー。
「ふふ、それにしても、やっぱり澪ちゃんは特別なのね」
「んー、まぁ、間違ってはないかな」
私にとって、澪は特別な存在。
誤解を招きそうな表現ではあるけど、間違ってはいない。
澪がいて、澪が傍にいてくれたからこそ、今の私がある。
それは事実であり、私も自覚していることだから。
「……何度も言うけど、恋とか愛とか。そんなんじゃないからな」
「うふふ、大丈夫よ。その内、律ちゃんも気付くわ」
「いや、何に気づくんだよ」
笑いながら、部室を出て行ってしまったむぎ。
ほんと、何考えているのか分からん。
私がもっと女っぽくなれば……いや、それだけで分かるとは思えないけど。
まぁ、そろそろみんなも来るだろうし、セッティングでもするかな。
澪に怒られない様に、殴られないようにしないとな。
「あれでいて、結構力あるんだよな」
頭に響く痛み。それを思い浮かべながら、少し苦笑してしまう。
私の暴走は澪が止めてくれる。澪がいるからこそ、私は全力でやれる。
けど、私は澪に何をしてあげられるのか?
私は、どんなふうに澪の役に立てるのか?
今は分からなくても良いけど、考えておくべきなのかもしれない。
迷惑かけてばかりじゃ、その内嫌われるからな。
「成る程。全く、むぎももう少し分かりやすく教えてくれれば良いのに」
私が気づくから、教えなかった。
むぎなら、やりそうなことだ。

――はやく、こないかな




途中で迷子になった感じが・・・
 

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