【ドキプリ】隣にいるよ【ありまこ】

I　LOVE,　YOU　LOVE,　WE　LOVE　まこぴー。
そんな感じで書きましたよ。お嬢様、溢れ過ぎです。

そういえば、曲を聴きながらのリアルタイム変換は、随分と前進しました。
後は、映像を残すのみ。LIVE風味と、PV風味はなんとかなりますが、アニメ風に絡ませるのって難しいですね。
もう少し、ライブラリデータを増やしていかねば、甘い話には遠いとそういうことですね。

閑話休題

ありまこ　隣にいるよ　をUPです。
なお、ありまこ　って表記ですが、受け攻めのポジションは、まだ決まっていない様子です。
すずアリみたいに、ひっくりかえったりすると、楽しいんですけどね。

　わたしの弱さを受け入れ、幸せへと導いてくれる存在。そんな彼女へ、わたしは何をしてあげられるのでしょう？

　幸せを頂くだけではなく、送ることが出来るようになるのでしょうか？　傍にいて、彼女を支えられる恋人へ、成長していけるのでしょうか？

　全ては未定であり、未来のこと。今はまだわかりません。

　ただ、そうであろうと決めたのです。逃げないと、幸せになる為に全力を尽くすと、あの日のわたしは誓いました。

　それを裏切るような行為は、出来ません。

　

隣にいるよ

 

　あの日、真琴さんへと自らの弱さを打ち明けた日、わたしは生まれ変わることが出来ました。弱さを受け入れ、その上で幸せを目指すことで、未来へとつなげていくと。幸せになる為には、もう手加減をしないと。

　わたしだけではありえなかった選択肢も、真琴さんと２人であるのなら、怖がらずに選び取ることも出来ます。そこにあるものを選ぶだけではなく、存在しなかった選択肢を、作り出すことも可能でしょう。

　わたしだけではありえなかった、考え付くこともなかった未来。それを、２人で作っていくことが出来ます。

　そう、例えば――真琴さんへと、攻め寄ることも可能でしょう。真琴さんの愛を受け取ってから動くのではなく、愛を注ぐ為にわたしから動きます。幸せで満たす為に、わたしの愛を注ぎます。

　恋人としての証拠。それを頂けるというので、てっきりキスをして頂けるものだと、そのように思い込んでしまいました。真琴さんに傷つけて頂くことで、安心出来るものだと思っていました。真琴さんの恋人である証拠を、この身体に頂けるものだと、期待していたのです。

　……まさか、抱きしめるだけで終わってしまうとは、満足されてしまうとは、思ってもいませんでした。

　確かに、幸せにはなれます。真琴さんに抱きしめて頂き、わたし自身がその先を求めなかったのも事実です。真琴さんの体温に幸せを感じ、ぼーっとしてしまったのは恥ずかしい過去です。

　しかし、物足りなさを感じてしまうのは、もっと先を求めてしまうのは、仕方のないことだと思いませんか？　捨てられるかもしれないと、分かれることになるかもしれないと、その恐怖を振り切ってまでお話しましたのに。抱きしめられるだけというのは、正直なところ不満です。全然足りません。

　せめてキスを、望まれるのであれば、その先ですら覚悟していましたのに。そういった流れだと期待していましたのに、残念です。

　あの時、赤くなられていましたし、まさかキスを知らないなんてことは、ありませんよね？　芸能界に身を置きながら、スキャンダルを身近に感じながら、まさかそこまで純情だったりしませんよね？

　どうしましょう。その心配が当たってしまったら、どうすれば良いのでしょうか？

　どのようにして、恋人としての幸せを求めていけば良いのでしょうか？

　具体的には、少女漫画に困惑しているような、この可愛らしい方に対して、わたしはどう接していけばよろしいのでしょうか？

「ねぇ、ありす。こんなに間単に手をつないでも良いものなの？」

「ええ、もちろんですわ。わたし達のように、この方々も恋人ですから。手をつないだり、腕を組んだりと、スキンシップをとられているのです」

「恋人なら、手をつないでも許されるの？　それって、友達とどう違うの？」

　これは、わたし色に染めてしまえばいいという、そういったご褒美なのでしょうか？　それとも、全てを分かった上で、わたしを試していらっしゃるのでしょうか？

　天使のささやきや、悪魔の誘惑が、すごい数で押し寄せてきます。わたしの理性を飲み込もうと、望みに身を任せてしまえと。

　その言葉にのってしまえば、どれだけ楽なのでしょう？　何も考えず、わたしの幸せだけを優先してしまえば、このように悩む必要もありません。

　しかし、それは恋人としてやってはならないこと。理解していない、純粋な真琴さんをかどわかす様な、そんなことをしてはいけません。

　真琴さんが分からないと、そのように言われるのであれば、一緒に学べば良いのです。一緒に幸せを探せば、それで良いのです。

　焦らずとも、それも幸せの１つなのですから。

「手をつなぐという行為自体に、変わりはありませんわ。ただ、その２人が友達か、恋人かで気持ちが変わるだけですわ」

「ごめんなさい、よく分からないわ。どちらも、幸せな気がするのだけど？」

　キュアソードとして、人知れず戦う彼女には、友達と呼べる存在がいなかったと聞いています。王女様を探すことだけに、歌うことに全てをかけていた彼女には、親しい存在はいなかったと、そのように聞いています。

　だからこそ、友達と恋人の区別がないのかもしれませんね。ちょっと寂しい気がしないことはありませんが、真琴さんらしくて可愛らしいですわ。

　何より、友達と一緒にいられる時間も、幸せであることに代わりはありませんから。そんなに悩む必要はありません。

　ここは分かりやすいよう、説明して差し上げるのが、わたしの役目でしょう。

「そうですね。例えば、マナさんと手をつないだ時と、私と手をつないだ時、真琴さんはどちらが幸せですか？」

　口だけで説明するのは、難しい。わたしは教師でもなく、教えられる立場の人間ですから。

　けれど、経験していることから思い返すのは、難しいことではありません。真琴さん自身が経験していることであれば、簡単に思い出せるはずです。

　もちろん、わたしとの方が嬉しいと言って頂けるなら、それはそれでありがたいことですが。今は、そういった話はしていません。

「うーん、どちらも幸せだけど、ありすとの時は嬉しいかな？　それに、ちょっとだけ恥ずかしい」

「あら、恥ずかしいですか？」

　わたしの望んだ、高望みした答えがそのまま帰ってきて、心に暖かいものが広がるのを感じます。熱が身体をめぐり、心臓が高鳴るのが分かります。

　真琴さんは、無意識の内にわたしの鼓動を早めるのが、ご趣味なのでしょうか？　色々な感情が溢れてしまいそうで、困りますわ。

「心をくすぐられているような、そんな感じがして、ちょっと恥ずかしいかな？」

　それは、わたしが真琴さんを満たしているということでしょうか？　その感覚が、くすぐったいということでしょうか？

　申し訳ありませんが、そちらに関しては、わたしではどうしようもありませんわ。真琴さんが幸せを感じていることを、うれしく思うだけしか出来ません。

「でも、ありすの手、温かくて安心出来るし、時間がたてば平気なんだけど。どうしてかしら？」

「きっと、真琴さんが幸せというものに慣れつつあるのでしょう。いつかは、恥ずかしさもなくなるかもしれませんね」

　幸せになる感覚というものは不思議で、慣れるまでは非常に戸惑いを覚えるものとなります。自らの心が満たされる、だんだんと暖かくなるこの感覚は、確かに恥ずかしさを感じてしまうようなものかもしれません。

　ただ、それも慣れるまでの間ですから。慣れて頂けるように、幸せを届け続けるのもわたしの役目ですから。

　もうしばらく、今の感覚をお楽しみ下さい。

「それは、ちょっと寂しいかな？　ありすがくれていたものがなくなるのは、寂しい」

「ふふ、その時は別のものをお渡し致しますわ。真琴さんに、もっと喜んで頂けるような、素敵なものを」

　寂しいですか。確かに、感じていたものがなくなってしまうのは、慣れてしまうのは寂しいことなのかもしれません。

　しかし、心配は必要ありませんわ。その寂しさを埋めるのも、新しい幸せをプレゼントするのも、わたしが抜け目なくこなさせて頂きます。

　寂しさを感じるような、そんな時間はありませんよ？　真琴さんの全ての時間を、わたしが満たしますから。

「なら、あたしはそれを待っていれば良いの？　ありすにプレゼントされるのを、ただ待っているだけなの？」

「ええ。真琴さんは気づかない内に、同じことをして下さっていますから。お気になさらなくても大丈夫ですわ」

「むー、それはそれで、損をしてる気がするんだけど？」

　そう申されましても、わたしにはどうにも出来ませんわ。真琴さんは無意識の内に、わたしに幸せを届けて下さいますから。そこに関しては、変えようがありません。

「あたしだって、ありすが恥ずかしがっている姿見たいのに。ありすにだけ見られるなんて、不公平よ」

「まぁ、随分とワガママですのね」

「ワガママでも良いよ、ありすが好きでいてくれるなら。あたしは、それで良いの」

　嫌いになれるはずもないのに、それを分かって言うのは卑怯ですわ。悩まない代わりに、離れることも出来ませんのに。

　ただ、そんな姿を可愛いと感じてしまい、愛しいと感じている以上、わたしには抗うことは出来ません。いさめることすら、難しいでしょう。

「それに、真琴さん自身が意識をしていないだけで、恥ずかしいのはわたしも同じですから。わたしがずっと真琴さんを見ていると、それがバレてしまっただけですわ」

「あたしだって、ありすのことを見つめてるのに。どうして、恥ずかしがってるありすに会えないの？」

　真琴さんが、恥ずかしがっているわたしを見つけられない、その理由。真琴さんが、見つけられていないと感じている、その理由。

　心当たりがないわけではありません。ただ、それを素直にお答えしてしまっては、面白くないと感じます。

　だから、ちょっとだけいじわるします。

「真琴さんの前では、可愛らしいわたしでいられるよう、そのように努めていますから。簡単には見つかりませんわ」

「それは、我慢してるってこと？　あたしに見つからないよう、隠れているってこと？」

「そうではありませんわ。わたしはただ、真琴さんに可愛がって頂けるよう、理想の恋人に近付けるように努力しているだけですわ。真琴さんに、格好悪い姿は見せられませんから」

　慌てている姿や、恥ずかしがっている姿を見せるのは、はしたないことです。わたしは真琴さんの恋人であると、その自覚のもとに、自らを律しているだけですわ。

「だから、わたしの理性を吹き飛ばすほど、強力な刺激を頂ければ。もしかしたら、真琴さんに見つかってしまうかもしれませんね」

「そっか。なら、仕方ないかな。あたしが足りないなら、頑張れば良いだけだもんね」

　納得されてしまうところに、多少の恐怖を感じないこともありませんが。真琴さんが良いと言われるのであれば、わたしに異存はありませんわ。

　ただ、理性を飛ばして頂ける程の、わたしの本能を開放して頂ける程の、素晴らしい刺激をお待ちするだけです。

　勤勉な真琴さんですから、そんなに遠くない未来で実現してしまうかもしれませんね。

　

――物語のように甘い恋。それもまた、わたし達の幸せでしょう