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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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イケメンまこぴー登場☆

の、予定でした。はい


ありまこ 薄氷の檻 UPです

ちょっとgdったかな?


 友達となり、恋人となり、それなりの時間が経った。
 けれど、あたしは彼女のことを余り知らない。情報として集めるのは難しく、直接聞き出すことを得意としない為、彼女の好みなどを把握し切れていない。
 そんな状態で、恋人を名乗っても良いのだろうか? 恋人なのに、彼女のことを知らないままで良いのだろうか?
 そんな疑問を抱いていた日々は、ありすのたった一言により、解決してしまう。あたしの悩んでいた時間は、彼女の心遣いによって解決してしまうのだろう。
 知って欲しいことまで、遠慮されたくない。話せないこともあるけれど、それ以外はちゃんと聞くようにしよう。
 そんなふうに言ってくれた。いつまでも行動できないあたしを、彼女はまた助けてくれた。恋人であること自体は疑ったことも無いけれど、ありすに相応しくあれているのかは、時々疑問として感じてしまう。
 以前、彼女にそのことを告白されたけれど、あたしだって同じことを考えていた。考えた上で、気にしないようにしていただけ。
 そんなアンバランスな関係にも、決着を付ける。あたし達は、対等な関係になる。
 
薄氷の檻
 
 ありすと刻む、幸せな日々。ありすと奏でる、幸せな音。その全てが心地良くて、あたしは問題から目をそらしていた。幸せの中にいれば、いつか問題も消えて無くなると、そんなことを考えていた。
 けど、それはただの勘違い。問題は消えることなくあたし達を待ち構えているし、そんな状態でも幸せを手にすることが出来た。
 なら、問題や疑問は、ちゃんと解決しなければいけないでしょ? ありすが望んで、あたしが賛同したのは、表面的な恋人ではないから。深いところで繋がった、途絶えることの無い絆を手にしようとしているのだから。
 ただ、まさか最大の障害になっていたのが、あたし自身の甘えだったなんて、想像もしていなかった。あたしがきちんと説明していないせいで、ありすを傷つけ続けてきただなんて、叶えてもいなかった。
「ごめんなさい。真琴さんにとって、アン王女様が大切な人だというのは、わたしも理解しているつもりなんです。ただ、理解していても、真琴さんをさらわれてしまいそうな、大切な人と引き離されてしまうかもしれない、そんな現実には耐えられません」
 泣かせてしまった。
 強くて、優しくて、あたしに出来ないことも、何でも出来て。そんなふうに思っていた。いざとなったら、ありすが助けてくれるって、心のどこかで思っていた。
 だから、負担をかけてしまった。あたしが笑う為に、あたしの幸せの時間の為に、彼女の心を犠牲にしてしまった。
 あたしと彼女は、年齢も変わらない、それどころか戦いを知らないような、心穏やかな少女だと知っていたはずなのに。どうして、こんな簡単な問題からも目をそらしてしまっていたのだろう?
 支えてもらっているのは分かっていたのに、どうして彼女の負担を考えることが出来なかったのだろう?
 心に生まれる後悔は、黒くて生暖かい。あたしの心を埋めようとして、あたしが考えるのを邪魔しているようで、その中に埋もれてしまえば全てを忘れられるのかもしれない。後悔することで、現実から逃げられるのかもしれない。
「ワガママだとは、分かっています。願ってはならないことだと、分かっています。けど、真琴さんには恋人でいて欲しいです。わたしだけの恋人で、いて欲しいです。誰にも渡したくありません」
 ただ、目の前で泣いている大切な人を、放っておけるほど弱くは無いから。強くなってみせると、そう誓ったはずだから。
 いつもの綺麗な言葉遣いさえ忘れて、あたしへの思いをぶつけてくれる。そんなありすを放っておくことなんて、あたしには出来ないから。
 その涙を拭くのは、恋人としてのあたしのはずだから。
「あたしは、ありすだけの恋人だよ。あたしの心は、ありすにしか向かないよ。だから、ワガママだなんて言わないで。あたしも、ありすと別れるのなんて、イヤだから」
 あたしの心は弱い。硬いのかもしれないけれど、凄くもろい。とがっているからこそ、傷つけることしか出来ない。
 けど、あたしの思いはどこまでも届くはずかだら。ありすが受け入れてくれるなら、1番深いところまで届けられるはずだから。
 綺麗な言葉なんて、あたしには言えない。感動してもらえるような、そんな言葉は持たない。あたしが言えるのは、ただの気持ち。飾ることも出来ない、ただの想いを伝えるだけ。
「あたしにとって、トランプ王国にとって、王女様は大切な人だよ。けど、その大切はありすとは違う。あたしが好きになったのは、ありすが初めてだから。あたしが好きになれたのは、ありすだけなんだから。それを信じて欲しい」
 ありすのことが好きなのに、どうして傷つけてしまうの? ずっと笑っていて欲しいのに、その笑顔をあたしが曇らせている。
 どうして上手く出来ないのかな? どうして、好きな人を泣かせてしまうのかな? 
 あたしはただ、ありすと幸せになりたいだけなのに。笑っていて欲しいだけなのに。そんなことも出来ないの?
「では、真琴さん自身には、王女様に対して特別な気持ちはないのですか?」
「あたしが持っているのは、臣下としての敬愛だけだよ? 王女様には婚約者がいることは、ありすも知っているでしょう?」
 王女様と仲が良かったことは事実であり、キュアソードとして慕っていたのも事実。
 王女様に婚約者がいることも知らず、突然出てきた、怪しい人だと疑っていた彼がそうであったことに、いらだっていたのも事実。
 けど、そこに特別な感情が無いのも、あたしとしての真実。あたしの気持ちは、ありすだけのものだから。ありすだけに向かっているから。
「けれど、いえ……申し訳ありません。真琴さんを疑うようなこと、あってはならなかったのですが。どうしても、心配になってしまったもので」
 ありすはいつでも笑おうとするね。自分を誤魔化す為に、周囲に気付かれない為に、ずっと笑っていようとするね。
 けど、その仮面は今は必要ないよ。泣いた後の今日くらい、あたしの隣にいる時くらい、その仮面を外して欲しいな。
 本当の、ありのままの君でいて欲しい。あたしはきちんと、受け止めるから。どんなありすでも、好きになるから。
「ありすが不安になってしまったのは仕方がないよ」
 だから、あたしは誤解を解いてくよ。言い訳だと言われても、あたしの真実を伝えていくよ。
 それこそが今、あたし達には必要なはずだから。ありすに話していなかったことを、伝えるよ。
「今のあたしになら分かる。あの時のあたしは、自分だけで王女様を探そうとしていたんだ」
 ありすに告白をする前も、ありすに告白をしてからも、トランプ王国の戦士の役目として、王女様を探し続けてきた。多少の無理をしてでも、全ての幸せを手に入れる為と誤魔化して、1人だけで頑張った。
 時には無茶をし過ぎて、倒れそうになったこともある。みんなに心配をかけてしまったこともある。
「全てを自分だけで解決しようとして、誰にも相談しないままに勝手に決めて。ありすが不安になるのは当然だよ」
 相談だけでもしておけば、ありすは分かってくれたかも知れない。いつものように、フォローをしてくれたかもしれない。
 トランプ王国の問題だからと意地になったところで、既に巻き込んでしまっている事実は消えなかったのだから。ちゃんと相談すればよかった。
「それにね、恋人なのに何も話していなかったのが、1番悪いんだ」
 ありすに心配をかけたくなかったから、黙っていた。自分だけで解決しようとしていたはずなのに。その行動こそが、結果として心配をかけてしまった。ありすに疑わせてしまうような、原因を作ってしまった。
「あたしがちゃんと説明していれば、ありすは心配しなくても良かったんでしょ? あたしがきちんと説明さえしていれば、ありすの心配を払えたんでしょう?」
「確かに、結果的に言えばそうかもしれません。ご相談頂ければ、心配せずにすんだのかもしれません」
「ね? やっぱり、あたしが悪いんだよ。ありすに心配をかけて、ありすに誤解をさせて。そのままで良いんだって、甘えていたあたしが悪いの」
 ありすが苦しむのは間違っている。ありすが責任を感じるのは、間違っている。
 あたしの苦しみまでさらわれてしまったら、あたしの責任まで肩代わりされてしまったら、自分が情けなくて立っていられなくなる。ありすの隣にいられなくなってしまう。
「だから、お願い気にしないで。あたしのせいで、ありすが苦しむのは嫌なの。今更の話だし、ワガママだと分かってるけど、嫌なの」
 これは、ワガママといっていいことなのかな? ワガママだと、誤魔化していいことなのかな?
 これは、罪と呼ばれるべきものじゃないのかな? あたしが、ありすを傷つけた、自らの身勝手さで傷つけてしまった、そんな罪じゃないのかな?
「仕方ありませんね。真琴さんがそこまで言われるのであれば、この件に関してはお互いに忘れましょう」
「それは、間違ってると思うんだけど?」
「ふふ。追求しても幸せになれる話ではありませんから、今日のお茶会の趣旨とは外れてしまいますわ。わたしは、真琴さんのことを教えて頂く為に、今日のお茶会を開いたのですよ?」
 そういって見せてくれるのは、可愛らしいノート。その中には、あたしへの質問が数多く書き込まれていて、少し驚いてしまう。
「あたしって、自分自身のことなのに気付けてないことが、こんなにもあったんだね。ありすに聞きたいことばかり考えてて、聞かれることなんて想像してなかったよ」
 食べ物の好みから、ファッションに関すること。普段の生活や、何を考えているか。
 そのほとんどは些細なことであり、あたしの聞きたかったことでもある。
「ありすは、その気になれば全部調べられるんだって、思い込んでた。あたしのことなんて全部知ってて、あたしの為にこのお茶会を開いてくれたんだって、勘違いしてた」
「あら? わたし、そんなことはしませんよ? 真琴さんのことは、わたし自身が知りたいのですから。ちゃんと質問させて頂きますわ」
「そうだよね。うん、ソッチの方がありすらしい」
 四葉財団としての力を使うべき時と、自らの力のみで解決すべき時。それを見誤るようなことを、彼女がするはずは無い。
 自分の知りたい、恋人として調べるためだけに、誰かに頼ったりはしない。それでこそ、あたしの知ってるありすだ。
「はぁ、あたしが1番知っているはずなのに、知っていなきゃいけないはずなのに。ありすは、そんなズルしないって知っているのにね。ごめんね。あたし、自分のことだけでいっぱいになってたよ。ありすの恋人のはずなのに、ありすのこと全然考えてなかった」
「大丈夫です、問題はありませんわ。今日はしっかりと教えて頂きますから」
「うん。ありすが知りたいこと、なんでも聞いてよ。あたしも教えて欲しいことが、いっぱいあるから」
 こんなことで躓いているだなんて、あたし達は恋人として成長中なのだろう。
 ただ、成長中だからこそ、今だからこそ味わえる幸せもあるはずだから。一歩をしっかりと踏み出していこう。
 
――あたし達の心は、どんどんと近づいている
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