【ドキプリ】わたしのできること【ありまこ】

ありすさんの心、迷子にならないように、まこぴーに導いて欲しいです。

　恋人と対等でありたい。幸せを与えられるだけの、ヒナではいたくないと、そう願うのは間違いなのでしょうか？

　幸せになれるのは、素晴らしいことだと思います。幸せにしていただけるのも、素晴らしいことだと思います。

　ただ、その幸せが真琴さんの苦しみの上に成り立っているんであれば、わたしだけのワガママの上に成り立っているのであれば、改善する必要があります。わたしが求めているのは、１人だけの幸せでは在りません。２人で一緒にいることによる、幸せを求めているのです。

　与えられているだけの、一方的な幸せは必要ありません。

　

　

わたしにできること

　

　

　真琴さんを幸せにするのは、わたしが最大の目標とすることです。真琴さんが笑ってくれることを、願うのがわたしの常です。

　しかし、それだけで良いのでしょうか？　それを目標としてしまうのは、今のわたしにとって正しいことなのでしょうか？

　わたしのやり方と、真琴さんのやり方は違います。それぞれ、自らの出来るやり方で、恋人としてのアプローチをかけています。

　その為に、埋めることの出来ない差が、どうしても生まれています。真琴さんの与えてくれる幸せは、わたしの与えられる幸せに比べて、非常に大きなものです。

　傍にいなくても、隣にいなくても、真琴さんは色々なものを送ってくれます。今もほら、傍にいないのに、電話でもないのに、彼女の言葉がわたしに届きます。

「私はちょっとズルいのかもしれませんね。テレビやＣＤで、いつでも真琴さんの声が聞けるんですもの。寂しいと思えた時に、真琴さんの歌に励まして頂くことが出来ます」

　寂しい時、ボタン１つで声を届けて頂くことが出来ます。テレビなどを利用すれば、お姿を拝見することが出来ます。

　もちろん、その時の真琴さんはまこぴーであり、わたしだけに語りかけてくれるものではありません。わたしだけに微笑んでくれるのではありません。

　それでも、寂しさを紛らわせることくらい、出来ますから。

「真琴さんは、寂しい時どうされているのでしょうか？　わたしの声を聞きたいと、そう思って頂ける時があるのでしょうか？」

　わたしは寂しい時、ちょっと時間の空いた時、真琴さんの声を聞きたいと願っています。自らの心を満たすために、真琴さんを求めてしまいます。少しでも幸せでいたいと、願っています。

　それは、真琴さんも一緒なのでしょうか？　同じように願って頂けるのでしょうか？

　わたしの声を聞きたいと願って頂けるのでしょうか？　わたしの姿を見たいと、思って頂けるのでしょうか？

　そうであるなら、嬉しいのです。

「ただ、わたしは真琴さんに何が出来るでしょう？　わたしはアイドルではありませんから、真琴さんと同じことは出来ません。真琴さんに声を届けることすら出来ません」

　傍にいられる時であれば、全力で応えることも出来ます。手を伸ばして、触れられる時であれば、いくらでも応えられます。

　けど、そうでない時は、傍にいられない時は、わたしには何も出来ないのです。どれだけ頑張ろうとも、何も届けることが出来ません。

「わたしは、四葉財団の者として、様々な事柄に首を突っ込むことが出来ます。様々な情報を手にいれることも出来ます」

　自らに出来ること、整理すればするほどに、苦しく、そして申し訳ない気持ちになりますね。

　わたしの出来ることとは、四葉の力を使ったものになります。わたし自身の努力により、苦労をして手に入れたものではありません。

　真琴さんのように、、目的に向かって真っ直ぐに進むことすら出来ません。立場だけはあり、権力もあるかもしれません。

　けれど、わたし自身に出来ることなんて、わたしが真琴さんにしてあげられることは、何もないのかもしれませんね。

「それが悔しいです。私がしてもらえることをしてあげられないのが、凄く悔しいです」

　今の何も出来ないわたしでは、真琴さんの隣にいることは認められないのかもしれません。釣りあいも取れず、対等だと呼ぶことも出来ないでしょうね。

　もっと、自分自身を磨かないと、真琴さんをわたしの出来ることだけで、同じように幸せに出来るよう、頑張りませんと。自分が恥ずかしくて、イヤになりますわ。

　

――真琴さん、笑ってくださいな