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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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はい、バレンタインSS第二弾(一弾はweb拍手に……)

キャロ×フェイト つぼみ をUPです。

文にせず伝えようとした箇所がある為、変わった形になっちゃったかもしれない orz
(以前UPした【漆黒の妖精】の前になります)

お暇でしたらどうぞ~














「ふぅ……。まさか、スバルさんに巻き込まれるとは、思っていませんでした」
フォアード陣共有のキッチン。そこはスバルさんのトンデモ料理によって、滅茶苦茶になっていた。
あまりの惨状に、逃げ帰ろうかと思ったんだけど……時間もなければ料理する場所もない。
前もって準備していなかった私が悪いということで、諦めて手伝うことにした。
「まぁ、間に合いそうですし……これからでも準備は出来ますから、良いですけど」
アルザスの魔術師として生を受けた私。ボルテールとフリード、この2匹と契約したことにより部族を追い出されはしたけれど……何も断絶した訳ではない。ル・ルシエの一員として、心得も持っているし、術やまじないだってちゃんと受け継いでいる。
「まぁ、おまじない程度なので効果は期待できませんが……何もしないよりはマシでしょう」
恋のおまじないのレベルアップ版と思えば良いのかな?
別に強制力が働くものでも、増強効果があるものでもないけど、私の気持ちを後押ししてくれればそれで良い。
『対象物に自身の一部を与え、想いを込める』
依代とか、うつしとかそんな風に呼ばれる魔法みたいだけど、私にとってはどうでも良い。
フェイトさんに私の想いが届きさえすれば、他はどうなっても良い。私にとって大切なのは彼女だけだから。
「フェイトさん……」
私の頼れるお姉さんだった人。1人きりだった私に温かさを教えてくれ、世界の広さを感じさせてくれた。
この想いに間違いはないし、隠すつもりも曲げるつもりもない。
「愛しています」
好き、愛。この2つが違うものだって聞いたことはある。
友達として好き、同僚として好き……。大切な仲間に対する好きは、なんとなく理解出来た。
大好きな上司、先輩として好き……。なのはさんや、八神部隊長。大好きだけどフェイトさんとは違う。
親子として、姉妹としての愛かもしれない。そんな些細なことも考えてみたけど、違った。
それに、どっちかって言えばエリオ君の方がその思いが強い。彼だって嫌いじゃない。お兄ちゃんとしては、大好き。
でも、やっぱりフェイトさんとは違う。
この気持ちがおかしいのだって分かる。私だって、普通と違っているのは理解しているから……。
「でも、気が付いちゃったんだもん」
私が愛しているのはフェイトさん1人。彼女、ただ1人だけ……。
私はフェイトさんが好き。家族としてではなく、お姉さんとしてでもなく、1人の人間として彼女に恋をした。
この想い。届くかも、受け取ってもらえるかも分からない。
でも、もう我慢できない。
今日は女の子が頑張る日だから。私だって――


  ◇


「受け取ってもらえるかなぁ」
チョコレートは作った。おまじないだってかけた……ちょっと痛かったけど、これで効果が出るなら、嬉しいなぁ。
でも、準備は万端なのに、肝心のフェイトさんが見つからない。
急いで見つけてしまわないと、気持ちがしぼんで告白できなくなっちゃいそう。
今だって、怖くて逃げたい。でも、逃げてしまったら、2度とこの舞台に戻って来れない気がする。
「渡したいんだもん」
フェイトさんに渡す為に頑張ったんだもん。一生懸命練習したんだもん。
受け取って欲しいなぁ。
「フェイトさん……」
「あれ? キャロ、何か用事かな?」
「えっ! フェ、フェイトさん?」
うろうろと探して、見つからなかった金髪の女性。その人は私の後ろに立っていた。
も、もしかして私の独り言聞かれちゃった、かな? どうしよう……。
「ぼーっとしてると危ないよ」
「あ、あのっ!」
聞かれてないみたい? 凄く気になるけど、今はそんなの気にしていられない。お昼頃から探し始めて、今だから……結構な時間が経っちゃってる。
どうしよう。おまじないの効果は長く持たないし、早く食べてもらわなきゃいけないのに。
「あれ? もしかして私に用事だった?」
「そ、そうです! 私はフェイトさんを探していたんです!」
六課の敷地にさえいてくれれば、感知出来るのに全く分からなかった。
どこに行っていたのだろう?
「ごめんね。ちょっと整理しなきゃいけないことがあって、地上本部に出向いていたんだ」
「い、いえ。お仕事、お疲れ様です」
わがままな子供。ませたお子様。
他の人からはどんな批判を受けても、評価をもらっても関係ない。
でも、彼女の前でだけは『大人しい女の子』でいたい。
「ふふふ……。もう用事は終わってオフだし、何かあるなら付き合うよ」
「本当ですか? 嬉しいです!」
「そんなに大きな声出さなくても、私は逃げないよ?」
わ、笑われちゃった。嬉しさのあまり大声を出しちゃったし、それを笑われちゃったんだよね。
嫌われちゃった……よね?
「もぅ、そんな暗い顔しないの。ほら、用事があるんでしょ? 早く教えてよ」
ほっ。
別に、おかしい子だって思われてはないみたい。良かったぁ。
「えーと、ですね。その……きょ、今日はバレンタインですね」
「そうだね。昔はみんなでチョコレート作ったりしたなぁ」
昔を懐かしむ横顔に、チクリと痛みが走る。目の前に私がいるのに、別の事を考えられているのかと思うと……ちょっと悔しい。
「そ、それで私も作ってみたんです」
こっちに向いて欲しい。私を見て欲しい。
そう思うと自然に声が大きくなってしまう。
「そうなんだ。でも、エリオ達に渡さなくて良いの?」
「その、1番始めに、フェイトさんに渡したかったんです」
エリオ君達に渡すのは市販のやつだし、渡してしまえば終わる。
でも、彼女に渡すものだけはきちんとした形で渡したい。心が、想いが伝わるように渡したい。
「は、初めて作ったので、美味しいかどうか分からないんですけど……」
「うふふ、そんな事はないよ。ありがとう」
チョコレートを受け取ったフェイトさんの腕が、そのまま後ろに回ってきて……。
え? ええっ!? も、もしかして!?
「あわわわ……」
だ、抱きしめられちゃった!
私、フェイトさんに抱きしめられちゃったよ!
「嬉しいよ、キャロ」
フェイトさんが目の前で、フェイトさんに抱きしめられて、フェイトさんの良い匂いがいっぱいして……。
「きゅぅ……」

もう、幸せすぎます――





まだ病んでないよ! キャロは純粋だよ!

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