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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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バレンタインSS第三弾

本命ともいえる
なのフェイ 【前を向いて】 UPです。


今年は「なのフェイ」を書くつもり無かったのですが……
Bond!!のにゃのは先生にネタをなげたら、打ち返されまして
らさが書くはめにww

まぁ、楽しかったからいいや♪














よ、よし、今日は絶対に負けないよ!
2月14日 バレンタイン
大きな決意を胸に秘め、私は待ち合わせ場所に立つ。この日の為に頑張ったんだから、成功させないとね。
高町なのはにチョコレートを渡す。
文にしてしまえばこれだけのことなのに、実現するのは難しい。
花が咲くような笑顔を見せてくれる彼女に、渡したい。
私の心を温めてくれる彼女に、受け取って欲しい。
「大丈夫、大丈夫……」
深呼吸をし、はやる気持ちを落ち着ける。
大丈夫、私ならやれるはずだ。ちょっと時間を貰って、チョコレートを渡すだけ。
今朝までずっと、シミュレートを重ねてきたんだ。きっと大丈夫。渡せる!
なのはが来たらいつも通りあいさつをして、チョコレートを渡す。
もし、それが失敗したとしても、休み時間があるから大丈夫。昼休みだって、放課後だってあるんだ。
立案したプランは100余り……。これだけ準備していれば、いくら私でも渡せるはず。
プラン1 『朝の挨拶と共に渡す』
これさえ成功すれば、こんなにも必要ないんだけど……不足の事態を想定すれば、多すぎるということはないだろう。
失敗は許されない。
「フェイトちゃん、おはよー」
髪の毛をピョコピョコと揺らし、駆けてくる姿。ほんわかした雰囲気につられて、私の顔もにやけてしまう。
うぅ……お持ちかえりしちゃ、だめだよね。
「おはようございます。高町さん」
内心を悟られないように、務めて平常に返す。落ち着いて、礼儀正しく、気付かれないように……。
「高町さんって……フェイトちゃんどうしたの?」
私に向けられていた笑顔が崩れ、困惑したような顔になる。
しまった! 緊張のあまり『高町さん』なんて言っちゃったよ。礼儀正しすぎだよ、もう!
あぁ、なのはが私を見ている視線が痛い。
どうしよう。今更撤回できないし、何とも言えない雰囲気が漂っている。
『プラン1失敗とみなし、学校への逃走を開始する。なお、プラン2~20も同時に破棄、後のプランに統合せよ』
失敗した時用に考えていたセリフが頭をよぎる――本当に使うことになるなんて、思わなかったよ。
なのはと一緒に登校出来ないのは寂しいけど、仕方ないよね。
「えーと、その……ごめん。用事があるから先に行くね!」
「えっ? あ、うん。気をつけてね」
自分の気持ちを伝えるって難しい。


     ◇


「なのはぁ……」
家に帰ってきちゃったよ!
まだ渡せないのに、困ったなぁ。何でこうなっちゃうのかな?
なのはに渡すチャンスは山のようにあった。あったはずなのに……。
「どーして、出来ないのかな?」
チョコレートを渡すだけなのに! なのはにチョコレートを受け取ってもらうだけなのに!
渡そうとするだけで、恥ずかしくなってしまう。なのはの姿を見ただけで、逃げてしまう。
顔だってまともに見れなかった。
「はぁ……」
結局、なのはから逃げるようにして帰ってきちゃった。うぅ……何でこんなにも恥ずかしいのかな?
今日は散々だったなぁ。
なのはのことを考えるだけで顔が熱くなるし、目が合うだけで呼吸は荒くなるし……チョコレートのことを考えてるだけで心臓が飛び出そうになった。
病気なのかな。でも、こんな変な病気聞いたことないよ。
風邪? でも、せきも出ないし、頭だって痛くない。
対人恐怖症? でも、なのは以外は平気だよ?
どっちにしても、絶対に変な子だって思われちゃったよ。もう、だめ……。
母さんも、クロノも、エイミィも、アルフだっていない。
たった1人のハラオウン家で、私は落ち込んでいる。なんて、みじめなんだろう。
何もする気が起きないよ……。
プシュッ
冷蔵庫から持ってきた、大量のジュースを飲みながら、私は沈んでいく。こんなことしてても何も解決しない、なのはにチョコレートは渡せない。そんな事は分かっているのに。
「どーすれば良いのかな?」
のどを通り過ぎる炭酸の刺激だけが全て。
部屋を満たす泡の音だけが全て。
私、こんなところで何してるんだろう? 今日は楽しい日になるはずだったのに。
自分がこんなにも不甲斐ないだなんて思わなかった。情けなくて、泣けてきそうになるよ。
「なのはぁ……」
頭はぐわんぐわん揺れているし、溢れた滴で視界もぼやけている。
なのはにチョコレートを渡して、一緒に笑って……楽しい1日になるはずだったのに。どうしてなのかな?
渡すべき相手を失ったチョコレート。
伝えるべき手段を失った気持ち。
私の手元に残ったのは、大きな後悔とこの2つ。
悲しくて、寂しくて、情けなかった。喜びも、明かりも、温かさもない。
1人でいても、面白いはずがない。なのはがいないのに、楽しめるはずはない。
「そんなの、分かってるよ」
ぐるぐると回る思考は、まとまることなく暴れ続け、いい加減うんざりしてきた。後悔したって、反省したって……終わっちゃったことは戻らないんだよ?
ちゃんと分かっていたはずなのにな。
心を包んでしまったベールは重く、彼女への気持ちすら沈めてしまう。こんなこと、考えてたって仕方ないのは分かっているのに……止められない。
あーぁ、私にもっと勇気があればなぁ。
「ごめんね」
どうしようもない自己嫌悪におちいった私は、考える事を放棄した。
――なのはに会いたいな。


     ◇


「フェイトちゃん、どうしちゃったのかなぁ?」
私の手元に残ってしまった箱。彼女の為に頑張って作ったチョコレート。
無駄になっちゃっうのかなぁ。
考えてみれば、朝から様子がおかしかった。
いつもなら嬉しいそうに一緒に登校してくれるのに……もしかして、私の勘違いだったのかな?
嬉しかったのは私1人だけで、彼女に負担をかけてしまっていたのかな?
「それとも……」
あんまり想像したくないけど、フェイトちゃんに好きな人が――
朝急いでいたのは男の子に会う為。でも、フェイトちゃんは優しいから、私に一言告げてから行ってくれた。
そう考えれば『高町さん』と呼ばれたのも、納得出来ちゃう。今までみたいに『なのは』って呼んで、誤解を与えたら困るから、私から距離を置こうとしたのかな?
休み時間にいなかったのも、昼休みにいなかったのも、全部その人に会いに行っていたのだろしたら……。
「はぁ……」
フェイトちゃんはみんなから愛される子。明るくて、礼儀正しくて……私が大好きな女の子。
でも、女の子同士の恋愛なんておかしいもん。
この想いを伝えちゃったら、フェイトちゃんに迷惑がかかる。そう思って、今日まで我慢していたのに。
「悔しいな」
振り向いてもらえるようにお洒落して、気に入ってもらえるように努力した。
でも、フェイトちゃんの笑顔は、私の知らない人にさらわれた。告白すらさせてもらえなかった。
本当は、おめでとうって祝福してあげなきゃいけないはずなのに、私の心は曇り空。その人への嫉妬で真っ暗に曇っている。
「どうすれば良いのかな?」
私の気持ちと、彼女の気持ち。
どちらを優先すべきかは分かっているけど、理解したくない。
「フェイトちゃん」
情けなくなって、泣いちゃいそう。
変なこと考える前に、寝てしまおう。夢の中でなら、彼女に告白できるかもしれない。
そう思い、ベッドへ向かった私の目に金色の光が写りこんだ。
ど、どうしてここにいるの?
私はまだ理解できていない。でも、現実は今ここにある。
窓の向こうには、フェイトちゃんが浮かんでいた。


     ◇


「フェイトちゃん、どうしたの?」
突然の出来事にびっくりしたけど、彼女に合えただけで私の心は晴れていた。
単純だよね。
「なのは、コレ受け取って!」
「えーと……フェイトちゃん酔ってる?」
いつもと違ってなんだか怖い目をしている。そして、なんだかアルコールの臭いが漂ってきた。
「そんな事ないよ。お酒なんか飲んでないよ」
酔っぱらってる人はみんなそう言うんだよ?
「とりあえず、部屋に入って」
今は2月。それにこの時間帯だと、かなり寒い。
もう、耳まで真っ赤になっちゃってるよ?
「コレ、チョコレート。受け取って……」
チョコレートは嬉しいんだけど、フェイトちゃん大丈夫かな?
「そうだ。えーと、私からもあるんだけど受け取ってもらえるかな?」
「えっ? なのはのチョコレート貰えるの!?」
何でそんなに驚いているのかな? タイミングが掴めなくて渡せなかっただけだもん。
休憩時間にはどこか行っちゃうし、お弁当だって一緒に食べられなかった。放課後もすぐに帰っちゃって……避けられてるのかなと思ったんだけどな。
――忘れてた。フェイトちゃんが、すごい恥ずかしがりやさんだってこと。
「なのはのチョコレート……なのはのチョコレート……」
チョコレートを渡しただけなのに、クルクルと踊っている。酔っ払っているから心配だけど、あんなに喜んでもらえるなんて、嬉しいな。
それに、そんなフェイトちゃんを見ていれば、私が心配していたような出来事はなかったと分かる。明日には、しゅんとした彼女から直接聞けるかな。
ちょっと可哀想な気もするけど、私をこんなにも心配させたんだもん。笑顔と合わせて、両方見せてもらうよ?
「なのはのチョコ……きゅう」
「フェイトちゃん!?」
嬉しそうに回っていた彼女がフラリと倒れ、もたれかかってくる。
どうしたんだろう? 調子でも悪いのかな?
「大丈夫、フェイトちゃん?」
勝手にドキドキし始めた心を抑え、様子を確認してみる。
……寝ちゃってる。幸せそうな顔して、寝ちゃってる。
急に倒れたりするから心配したのに。もぅ、心配させるの得意なんだから。
「困ったもんだね」
「う、ん……」
ちょんちょんとほっぺたをつついてみる。そうしたら、指から逃げるどころか頬ずりをするみたいにしてくれる。
くすぐったいよ。
「フェイトちゃん……」
リンディさん達は別世界に行っているって聞いたし、どうしよっか。
「お泊りする?」
そんなわけにはいかないとは思うけど……帰したくない。
やっと落ち着いたこの雰囲気を壊したくない。
「……うん、なのは」
そんな私のわがままに、彼女の返事が重なる。
自分勝手かもしれないけど、OKだって思っても良いよね?
フェイトちゃんも一緒に居ることを望んでくれた。そう、思っても良いよね?

はぁ……安心したら、私も眠たくなってきちゃったよ。
彼女をベットまで運び、明かりを消す。
明日は良い日になりそう

おやすみ、私のお姫様――




いろいろと暴走しました!
ゴメンナサイ

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