テーマ；写真 - 雨の降る日に

今、この一瞬。あなたと同じ時を生き、あなたと同じ空間で過ごしている。この瞬間こそが、私に力をくれる。
冷たくて暗い空の上でも、私に元気をくれるの。私の心に、温かくて優しい何かをくれるの。
「ねぇ、エイラ」
この気持ちは何かしら？　この気持ちが表す思いは、何かしら？
あなたからもらって、あなたへと帰っていく。この気持ちには、何が込められているの？
温かい気持ち、楽しい気持ち、愛しいと思える気持ち。いろんなものが、あなたへ向かって流れている。
溢れそうになりながらもこぼれることもなく、だけど枯れることもないこの気持ち。
どうすれば良いのかな？
伝えれば、良いの？　ハルトマン中尉に言われたとおり、好きだと言ってしまえば良いの？
だけど、それはエイラを困らせてしまう。
エイラが告白をしようともがいている、その努力を無駄にしたくはないから。私からの告白は出来ないよ。
忘れれば良いの？　何もなかったかのように、エイラへの気持ちを忘れてしまえば良いの？
ううん、それは出来ないよ。
こんなにも大切で温かい思いを、消してしまうなんて出来ない。
そんな悲しい選択は出来ないよ。
この気持ちは、かけがえのないものだから。代わりのきかないものだから。
私がエイラと出会えて、仲良くなれて、恋をした記憶そのものだから。
忘れたり、消したりすることはダメ。
「エイラが好き。エイラも好き」
私はエイラが好きで、エイラも私に好意を持ってくれている。
それ以上を望むのはいけないこと？　もっと親しい関係に、深い関係になりたいと思うのは、良くないことなのかな？
お互いに好意を持てている、この現状で満足するのがベストなの？
「分からない」
エイラとの関係が変わってしまうのは怖い。
だけど、今のままはっきりしない関係でいるのは、あまり良くない気がする。このままでいるのは、きっとエイラにとっても良くない。
好意を持っているのに、形に出来ていない。信じあえているのに、口に出せていない。
変わることを恐れて、現状で満足しようとしている。
「私は、どうしたいの？」
自分が幸せになりたいだけ？　エイラが幸せになれば、それで良いの？
それとも、２人共幸せにならないとダメ？
「うん、２人で幸せになりたい」
私の幸せはエイラのくれたものだから。私はエイラに幸せを贈りたいの。
私を笑顔にしてくれるのは、エイラだから。私もエイラを笑顔にしたい。
その為には、もっと勇気を持たないとね。
「ううん、それだけじゃない」
私がエイラに幸せを贈るように、世界から贈られているメッセージにも気づいて欲しいから。
エイラには、この世界の優しさを知って欲しい。
エイラには、この世界の温かさを感じて欲しい。
全てのものが繋がっていて、その中に私達がいることを。
「部隊のみんなとも、仲良くして欲しいな」
私の為に、時間を使い過ぎないで欲しい。私は、傍にいられる時があるのなら、それで良いから。
もっと、他のみんなとも仲良くして欲しい。エイラの優しさを、かわいらしさをみんなにも知って欲しい。
そして、エイラにはみんなの魅力を知って欲しい。仲良くして欲しい。
そうすれば、どんな時でも１人じゃないから。
「エイラ……」
エイラには、私以外のみんなとも仲良くなって欲しいの。
そうすれば、もっと笑顔が輝くから。
エイラには、色々なものを見て欲しいの。
そうすれば、もっと楽しみが増えるから。
私の傍にいるだけでなく、そんなふうに自分の時間も持って欲しい。
エイラ自身の世界を輝かせて欲しいの。