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お尻がいたい
(・w・) あるぇ?
エイラーニャ テーマ:届かぬもの UPです
すぐ近くにある。手を伸ばせば触れられる。
サーニャは私と同じベッドで眠り、同じベッドで起きている。
地上にいる時も、空にいる時も、食事の時だって隣にいてくれる。
だけど、その心はとても遠くにあって、私には理解できずにいる。
サーニャのことなら、何でも分かっているつもりでいた。
私が分からないはずはないと、思い込んでいた。
サーニャの好きなものは把握している。サーニャの行動の大半は、把握している。
彼女の心の動きも、行動に出るタイミングも大体読めるようになってきた。
サーニャに近づきたくて、サーニャのことをもっと知りたくて。
「私が甘かったんだ」
近づけば近づいた分だけ、サーニャのことを理解できると思い込んでいた。もっと仲良くなれるって、そう思っていた。
だけど、実際には違う。仲良くなっても、近づいても分からないところはなくならなかった。
それどころか、近づけば近づいた分だけ、疑問が増え、私の不安を加速させていた。
私はサーニャの隣にいたのに、誰よりも傍にいるはずなのに、どうして分からないだろう? どうして、分かってやれないんだろう?
サーニャが抱えている闇を、どうして照らしてやれないんだろう?
ただ、傍にいるだけ。傍にいて手を握っていることしか出来ない。
私には、サーニャの悲しみをなくしてやることは出来なかった。
私の力が弱いから、私の心が弱いから。サーニャを支え続けることが出来ないんだと思う。
どうしてなんだろうな、サーニャの為に強くなろうって、そんなふうに頑張ってきたはずなのに。
前よりは強くなれているはずなのに、サーニャがどんどんと遠くなっていく気さえする。
「私は、どうすればいいんだ?」
つぶやいてみた言葉は、私の心を1番よく表している。
だけど、その問いに答えるものは折らず、疑問が解かれることはない。
この問いに答えはなく、私自身が探し続けることでしか見つけ出せないものだから。
苦しくても、這いずり回ってでも、私が見つけなければ意味のないものだから。
それを見つけることでしか、サーニャを助けられないから。逃げることなんて、出来るわけないだろ?
――これが、生きるってことなのかな?