name なのフェイの場合（フェイト視点）

はい、土曜日です（２回目）
今回もちゃんと　なのは系でUPもあるんです

どーだ、私だって頑張れるんだ
（後で墓穴掘りそうだなー）

王道もとい、伝家の宝刀「なのフェイ」です
何やら、すずアリとは違った雰囲気になりましたが無問題
恋愛の仕方が違うので、同じになるわけはないです

そんな感じで、お時間ありましたらどうぞー

「なのは……」
綺麗な髪に、美しい瞳。
女の子らしい優しさと、強い意志を持っている。
はぁ、名前を呼ぶだけで幸せになれるなんて、私はなんて贅沢なんだろう？
こんなことが許されても良いのだろうか？
「フェイトちゃん」
その上、彼女が私を呼んでくれる。
鈴のなるような澄んだ声で、私の名前を呼んでくれる。
これを幸せと言わずに、何を幸せと呼べるのだろう。
お互いに見つめあい、名前を呼ぶ。
ただそれだけのことで、私は至福の時を過ごせる。
「なのは……」
名前を呼んで。それだけで良いから。
あの時彼女が教えてくれた、友達になる方法。
でも、それだけではない。想いを寄せ、恋人になれば、また――
「フェイトちゃん」
喜びも、悲しみも、２人で分け合う。
いつまでも一緒に空を飛ぼうと、約束してくれた彼女。
なのは、君は温かい。
呼べば心が温まり、触れればこの身が熱くなる。
なのは、君は優しい。
私の傷ついた心も、身も包んでくれた。
「なのは……」
私は君を守りたい。ずっと、ずっと傍で守りたい。
私は君といたい。一緒に笑って、一緒に泣きたい。
そんな未来を望んでも良いのかな？
そんな未来を夢見ることは、許されるかな？
「フェイト、ちゃん」
私の力は小さくて弱い。私の心は小さくて弱い。
一生懸命、頑張るよ。
なのはに負けないように、なのはを守れるように。
全力全開で、頑張るよ。
強くなる、優しくなる。今よりずっと……。
「なのはっ」
暗闇から連れ出してくれたその手を離したくない。
優しく抱きとめてくれたその腕を放さないで！
お願い、名前を呼んで！
「フェイトちゃん、何で泣いているのかな？」
「あはは、ごめんね。ちょっと思い出しちゃって」
驚かせちゃってごめんね。
泣いちゃってごめんね。
「悲しいこと、思い出したの？　なのはが聞いても良い話かな？」
どうして君はそんなに優しくしてくれるの？
私が勝手に泣いているのに、どうして抱きとめてくれるのかな。
「違うんだ。これは悲しくて、辛くて泣いているんじゃないよ」
過去には寂しいこと、悲しいこと、辛いこと。色々あったよ。
諦めなければ、努力すれば、そうすれば叶うって幻想にすがったこともあったよ。
でも、君が助けてくれたんだ。
君が教えてくれたんだ。
「嬉しいから、幸せだから涙が出てきたんだ」
空は悲しむところじゃない、空は寂しいところじゃない。
誰かと一緒に、誰かの為に――幸せを目指して飛ぶところだって。
「なのはとこうしていられる時が嬉しいんだ。なのはと一緒にいられて、幸せなんだ」
「ふふ……なら、この涙はなのはが貰っちゃっても良いのかな？」
「貰うって、何をするの？」
この幸せはなのはがくれたもの。
その幸せで作られた涙だから、なのはが貰っても良いけど。どうするの？
「こうするの、ちゅっ」
えーと、その、もしかしてキスされたの？
もしかして、なのはに涙を飲まれたの？
も、貰うってそういう……べ、別に、なのはになら何をされてもいいけど。
そのいきなりキスだなんて、そんな大胆なこと。
でも、私達は恋人だし、別に問題ないよね？
「フェイトちゃん、可愛いよ」
「きゃっ！　な、なのは、駄目だよ」
そんな抱きついたりしたら、沸騰しちゃうよ。
なのはの匂いで、クラクラしちゃう。なのはの体温で、ゆでられちゃう。
あぁ……手放したくないのに、このままでいたいのに、意識がもう――
「ふふ、おやすみなさい。フェイトちゃん」
閉ざされていく意識。止まる思考。
でも、恐怖を感じることはない。
愛しい人に抱かれ、幸福の海に溺れるのだから。

なのは、幸せをありがとう――