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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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明日は土曜日、局ラジの日ですよー。
繰上げ放送で21時から放映開始らしいです。涼香さん頑張って☆

でも、私はリリマジ4に向けて出発しているので、聞けないかも  (;^_^A



さて、ソレはさておき・・・
『幸せに向かって』に「後に残るモノは・・・」UPです。
これは前回の「雨降りの日」からの続き物です。次で終わる3話構成の予定ですぉw






まどろみから覚めて、始めに見つめるのは机の上の写真立て。アルフと写っている写真、ハラオウン家全員で写っている写真、色んな写真があるけれど一番多いのは、なのはと写っている写真だ。ピクニックに行った時・・・街角で撮ったもの・・・本局内部で撮ったもの・・・。そこにあるのは友達として写っている写真。2人で微笑んで手をつないでいる写真が精々だ。でも、その裏には・・・恋人になりましたと報告をしていない為、まだ飾る事のできない写真が収まっている。
「ふぅ・・・今日も幸せだなぁ」
この前、アリサになのは病だとからかわれたけど、それも素敵だなと思える。好きな人の事を1日中考えていられる・・・想像するだけで頬が緩んでしまう。今日だって、夢の中のでなのはとお喋りをしていて寝坊しそうになったから。
起きている時も、寝ている時もなのはに会える。どちらも夢のような世界にいるせいで、最近はちょっと寝坊気味です。それも幸せの1つなのかなと思いつつ、手早く着替えを終わらせます。
今日は土曜日。なのはとデートの約束をしている。ぐっすり眠って、朝ごはんも食べた、身だしなみだってバッチリ整えてある。これで今日もなのはに・・・か、可愛い私を見せられます。
実は昨日の帰り道、なのはに熱弁を振るわれてしまった。
その内容は私、フェイト・T・ハラオウンがいかに可愛いかと言う事。正直なところ、褒め過ぎだと思う。でも、なのはに見合うだけの容姿をしているなら安心だ。釣り合いが取れてなくて、なのはに恥ずかしい思いをさせるのは嫌だから。
それは置いといて、早く待ち合わせ場所に行かないとね。ふふ、楽しい1日のはじまりだ―――



―――朝だ。
いつものように携帯電話をベッドから落とし、陽の光を浴びて目が覚めます。空は昨日の雨が嘘のように晴れ渡り、フェイトちゃんのお部屋ではなく、ショッピングになりそうです。
今日はフェイトちゃんとデート。コースも確かめてあるし、お洋服も昨日のうちに選んであるのでばっちり・・・のはずなんですが、何だか頭がクラクラします。デートが楽しみで、眠るのが遅くなっちゃったのが原因かな・・・。
「あ、あれれ?」
ベッドから降りて着替えようとした瞬間、ぐるんと景色が回って倒れてしまいました。
そのまま段々と気が遠くなって―――



38度9分
どう考えても平熱ではない状態だ。時々苦しそうにあえぐその姿に、胸が締め付けられて泣いてしまいそうになる。
いつも通り約束の1時間前に到着し、なのはを待っていました。時間ピッタリに来ようねとは言われているけど、デートが・・・なのはと会える事が嬉しくて早く出てしまった。
それにしても、遅いなぁ・・・。
約束した時間から随分と経ち、時刻は既に昼過ぎ。待ち合わせは午前9時だったからなのはは遅刻しているのだけど、何の連絡も無く遅刻した事は今まで無かった。用事が出来たとか、翠屋が忙しくなってしまったという事はあったけど・・・。でも、電話にも出ない、念話も通じないとなればただ事ではない。
何かあったのだろうか?
トラブルに巻き込まれてしまったのだろうか?
頭の中を色々な想像が駆け巡ってしまい、心配になった私は気が付けば高町家に向かって走り出していた。
そして、苦笑する美由紀さんに案内してもらったのがさっきだ。
私の目の前で苦しそうに眠るなのは。昨日、疲れたように見えたのは気のせいじゃなかったんだ。
思い返してみれば、彼女の持っていた傘は小学生用で、子供2人とはいえ小さ過ぎる。それなのに、私は全く濡れていなかった。あれだけ雨が降っていたというのに全く濡れてなかったんだ。その事実にもっと早く気が付いていれば、なのはが苦しむ必要は無かったんだ。
私が傘を忘れていなければ・・・。
私が走って帰っていれば・・・。
そんな後悔の念が頭をよぎるが、過去の失敗は無くならない。今出来る事は、傍にいて症状が和らぐように看病し、少しでも早く治るように祈る事だけだ。
「う・・・んっ」
タオルを取替えたり、汗を拭いたりする事しか出来ないけれど、私に出来る精一杯の事をやる。そして、なのはの目が覚めてお話が出来るようになったらごめんなさいって謝るんだ。今、謝っても意味が無い。
そう、頭では理解できているけど・・・
「ごめんなさい・・・」
私の口からは知らず知らずの内に、謝罪の言葉が漏れていた。



どれだけの間、こうしていたのだろう。気がついたら部屋に差し込む光が赤くなり、部屋を染めていた。
なのはは目を覚ます事も無く、ずっと眠り続けている。でも、体調は良くなっているらしく、気持ちよさそうに寝息を立てている。自分の罪が許されるわけではないが、ひと安心といったところか・・・。
「フェイトちゃん、ちょっといいかな」
「あ・・・はい、何でしょうか?」
なのはのことばかりを考えていて、後ろに立たれるまで気が付かなかった。ダメだ、こんなのだからなのはに負担をかけてしまうんだ。もっと強くなって守ってあげないと・・・私がなのはを守らないと・・・。
「なのはの事ずっと看ててくれてありがとね。でも、フェイトちゃんも休憩しないと倒れちゃうよ」
「・・・なのはが風邪をひいたのは私のせいですから、私がもっと早く気が付いていれば、私がなのはの優しさに甘えていなければこんな事にはならなかったんです」
そう、私が傘を忘れていなければ、なのはは濡れずに済んだ。
そう、私が優しさに甘えていなければ、なのはは風邪を引かなかった。
私はあの夜に守ると誓ったはずなのに、それなのにいつもなのはに迷惑ばかりかけてしまう。
「うーん、そうなのかなぁ?私はちょっと違うと思うんだ」
「えっ?それはどういう事ですか?」
違う?何が違うというのだろう。私のせいで、私が弱いからなのはに迷惑をかけているのに・・・。
「きっと、なのはが熱をだしてるのをフェイトちゃんは自分のせいだって、思っちゃてるんだよね?もし、そう思っているならそれは間違いだよ」
私と同じ目線になり、じっと瞳を見つめたままで話しかけてくる美由紀さん。雰囲気からもこれから大切な事を話そうとしているのが伝わってくる。
「なのははね、フェイトちゃんに濡れて欲しくなかっただけなんだよ。今日2人で出かけるのは分かっていた事だし、ずっと楽しみにしていたからね。寝込んじゃって悔しい、フェイトちゃんと一緒にいられなくて悲しいとは思っても、怒ったりはしていないよ」
「そう・・・ですかね?」
なのはは怒っていないだろうか?恋人である私が不甲斐なくても・・・私のせいで寝込んでしまっているのに。
「だからね、フェイトちゃん。悔やんじゃダメとは言わないよ、悲しんじゃダメとは言わないよ。でも、ごめんなさいって謝っちゃダメだよ。なのはは自分の意思で、恋人を守りたかっただけなんだから・・・」
「・・・はい」
ねぇ、なのはそうなの?そう思ってもいいの?
私はなのはに守ってもらえるだけの恋人になれてるって思ってもいいのかな?
「ふふふ・・・。まぁ、今のは私がそう思っているだけだけどね。なのはも同じ事を言うと思うよ?それに、寝起きに見るのがフェイトちゃんの笑顔なら、風邪も吹っ飛んじゃうってね」
「ありがとうございます」
寝起きに泣いている恋人を見るよりは、笑顔でおはようって言ってくれるほうが嬉しい。それぐらいなら私にも分かる。
あれ?でも、私達まだ報告してないはずなんだけど・・・なんで付き合ってる事を知ってるの?
「エイミィが教えてくれたんだよ。フェイトちゃんとなのはが、恋人みたいに仲良くなってるって・・・。だから、意地悪かなと思ったんだけど、ごめんね」
「あ・・・いえ、恋人なのは本当ですし・・・その、挨拶が遅れてすみません」
不思議に思って美由紀さんを見ていたら、悪戯っぽい笑みと共に言われてしまった。う~ん、エイミィにもまだ言ってないはずなんだけどなぁ・・・。
「挨拶って・・・まるで結婚するみたいだね。まぁ、フェイトちゃん達が言うまで、お父さんとお母さんには秘密にしといてあげるね」
「は、はいっ」
け、結婚。今、結婚って言われちゃった。なのはと結婚するのは嬉しいけど、その・・・私達まだ小学生だし・・・あ、でももうエッチな事はしちゃったし・・・。確か本の通りならアレは愛を確かめるための夜の営みだとかなんとか・・・。勿論、私はなのはを愛しているし、なのはだって私を愛してくれていると思う。す、好きな者同士が一緒になるのは当然の事で・・・でも、私達はまだ子供だから・・・しょ、将来の約束ぐらいなら・・・
「・・・ちゃん、フェイトちゃん。もしもし聞こえてますか?」
「あっ・・・その、ごめんなさい」
また、やっちゃった。せめて人と話している時は止めないと失礼だ。気をつけよう。
「いい、フェイトちゃん?1つだけ覚えておいて、なのはにとって貴女はかけがえの無い存在なの。どんな事からでも守ってあげたい、どんな事でもしてあげたい。そして、その結果自分がどれだけ傷つこうと気にならない。愛しい人の為に負った傷なら、誇りに思うかもしれない」
その通りだと思う。私はなのはを守りたい。なのはが笑ってくれるなら、どんな辛い事でも耐えてみせる。そして、なのはを守り通せたら自分の傷は誇りになるだろう。
だけど、美由紀さんの話はまだ終わっていなかった。静かに、諭すように言葉を紡いでいく。
「・・・でもね、自分が傷ついたら悲しむ人がいる事を覚えておいて。なのはが傷ついたらフェイトちゃんが悲しいように、フェイトちゃんが傷ついたらなのはが悲しむよ。相手の事を思うからこそ、自分自身も大切にしないといけないんだよ?」
・・・そうか、そうなんだ。今、私はなのはが傷ついてしまっている事が悲しい。苦しみから救ってあげたいし、出来る事なら代わってあげたい。それは、なのはも同じなんだ。私が風邪を引かないように守ろうとした。ただ、それだけなんだ。私がなのはの立場でも同じ事をするし、後悔なんてしない。
でも、私達は忘れていたんだ。自分が傷つけば心配してくれる人がいる事を、1番悲しむのが誰かを―――



夕刻を過ぎ、あたりは夜の帳に包まれている。
あの後、なのはの看病を続けると言って譲らない私に士郎さん達は苦笑しながらもお泊りの許可をくれた。美由紀さんも無理はしないでねと残し、2人きりにしてくれた。
なのはが目覚めるまで看病を続け、起きているつもりだったのにいつの間にか眠ってしまったらしい。
そんな私を起こしたのは、ひどくうなされている声。それが、なのはの声だと分かった瞬間に私の意識は覚醒した。
「なのはっ!」
シーツを握り締め苦しそうにしている。傍にいるといっても助けてあげる事は出来ず、自分の無力を呪いながらタオルを変えることしか出来ない。
「フェイ、トちゃ・・・嫌・・・」
時々漏れる寝言に私の名前が混じっているところをみると、どうやら私を原因とした夢を見ているらしい。私を呼ぶ声にいつもの元気さは無く、悲しみと苦しみに彩られている。私は夢の中でも、なのはを苦しめているのだろうか?
「い・・・に。一緒・・・いて」
私は、手を握る事しかできない。頭を撫でることしか出来ない。
今の私では守ることは出来ないかもしれない。
「なのは、私はここにいるよ。なのはの傍にずっといるよ」
それでも傍に居たい。貴女の傍に居させて欲しい。私はやっと勘違いに気付けたんだ。それを貴女に伝えたい。
世界中には届かない声や願いが沢山ある。こんなはずじゃない事だって沢山ある。私のこの声も、なのはに届かないかもしれない。
でも、私は諦めない。言葉にする事の大切さを、思いを貫く大切さを貴女に教えて貰ったから。だから、今度は私が教えてあげるんだ。私達は大切に思い過ぎてちょっと間違えてしまっていると、恋人として相手に頼らなきゃいけないと・・・。
なのは、守ってくれてありがとう。でも、心配したんだよ?とても心配したんだよ?
無理はしないで、私に頼って。なのはの悩みを解決してあげる事は出来ないかもしれないけど、ずっと傍に居るから。悲しみも苦しみも一緒に経験して、半分に減らしてみせるから。
「なのは・・・」
そっと頭を撫でると気持ち良さそうにする。不思議と優しい気持ちに包まれて、さっきまでの悲しい気持ちが消えてしまいそうだ。
でも、私が悲しい顔をしていたらなのはが悲しむから・・・私は笑っていたい。貴女の為に笑顔でいたい。
「フェイト・・・ちゃん?」
「あ・・・起こしちゃったかな?」
突然の事だけど、笑顔で迎えてあげられた。これで、なのはも笑顔になってくれるかな。
・・・。
なのは、何で泣いてるの?
そう、質問をしようとしたらなのはに抱きつかれていた。
「ど、どうしたのなのは?」
痛いぐらいに抱きしめられていて、震えているのが伝わってくる
「フェイ、トちゃ・・・うぐ、ひ・・・ぐ」
怖い夢でも見てしまったのだろうか?こんなにも怯えているなのはを私は知らない。
「い・・・ないで、大す・・・から。行かないで・・・」
なのはがどんな夢を見たのかは分からないし、何に怯えているのかも分からない。
「なのは、私はここにいるよ。ずっとなのはの傍にいるよ」
私に出来る事は、ただ名前を呼んで頭を優しく撫でてあげる事。そんな事しか出来ない。
腕の中で震える貴女を助けたい。貴女を悲しませている全てのものから守りたい。ただ、それだけなのに難しくて上手くいかない。いつも貴女を苦しめてばかりだ。今回だって泣いている貴女を慰める事は出来ない。
それでも、私は恋人としてなのはの傍にいたい。なのはの為に何かをしてあげたい。そう、願う事は許されるのでしょうか?

ねぇ、なのは。私は貴女の力になれるかな―――

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無題
 はぁ~♪ 良い。すごく良いですねぇ~♪ フェイトさんのなのはさんを想う気持ちが全面に出てとても良いです♪ なのでごちそうさまです♪
 これからも頑張ってください。応援しています。
[ 2008/05/16 11:54 まぎゅなむ 修正 ]
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