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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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本日は、水曜日。

はい、そんな感じで更新です。
曜日なんかに意味はありません。多分。

なのフェイに【彼女達の日常】を追加です。

一般的な幸せ。それは大切なもの。
けど、自分達には自分達だけのリズムがある。
それに気付けた2人は、強い絆を持っている。






闇が深まり、静寂が支配する世界。
夜ではなく、深夜と呼ばれる時間に私は帰宅した。
「はぁ、またこんな時間だ」
予定では、昨日の昼には帰るはずだったのに。
そう思えば、自然とため息が出てしまう。
担当していた事件を片付け、本局へと帰還した私を待っていたもの。
けたたましい音共に私を呼ぶのは、救援要請。
勿論、ちゃんと応援に駆けつけたし、それが大切なことなのは分かっている。
それでも、たまには予定通り帰りたかった。
3ヶ月間。通信も困難な、未開発な世界へと出向いた私。
そこで私を襲ったのは、連絡の断絶だった。
いつもであれば、1週間に1度くらいはなのはへ連絡が取れる。
通信だったり、メールだったり……手段は色々あるけど、なのはを感じられる時があるのに。今回はソレを邪魔された。
近距離通信すらノイズが混じる。そんな特赦な世界だったから。
だから、だからこそ、昨日の帰宅には意味があったのに。
お土産を買って、笑顔で帰りたかった。
ご飯を食べて、なのはの背中を流してあげたかった。
けど、それはもう叶わない。
「なのは、寝てるよね?」
明日には、また別の世界への出航が決定されている。
そうなれば、会話が出来るのは今しかないのに。
なのはの手を取ってあげられるのは、今しかないのに。
教導隊での不安や不満。ヴィヴィオに関係する相談。
それを聞くのが、私の楽しみなのにな。
なのはの話を聞いて、相談を受けて。少しでも力になりたい。
あの日助けてくれた彼女を、私が支えてあげたいのに――その願いは叶わない。





「ただいま~」
音を立てないように、こっそりと。泥棒みたいな足取りで廊下を歩く。
うー、自分の家なのになぁ。
とりあえず、気を取り直してお風呂に入ろう。
早起きをすれば、なのはとお話が出来る。
ヴィヴィオと一緒に朝食を食べることだって出来る。
そう、思っていたのに……。
真っ暗なリビング。本来であれば誰もいないはずなのに……。
彼女はそこにいた。
すぅすぅと可愛い寝息をたて、机で眠っている。私の大好きな、愛しい女性。
「なのは」
また、待っていてくれたのかな?
多分、待っていてくれたんだよね?
なのはだって、毎日大変なはずなのに。
教導隊としての任務。目が回る程、彼女は忙しいのに。
ヴィヴィオのママ。初めてのこともいっぱいで、彼女は大変なはずなのに。
こうして、私を待っていてくれた。
その事実に、私を想ってくれている心が嬉しい。
それと同時に、とても苦しい。
「ごめんね。今日も遅くなっちゃった」
そっと彼女の頭を撫で、謝る。
彼女はこんなにも頑張ってくれているのに、私は応えられなかった。
夕食だって、いつも以上に張り切って料理してくれたのだろう。
良いよって、断ってはいるけど。なのはは、そんな人だから。
「ごめんね。一緒に食べられなくて」
それなのに、彼女は笑ってくれるのだろう。
それなのに、彼女は労ってくれるのだろう。
お疲れ様。お帰りなさいって……。
あぁ、どうしてかな?
なのはのことが大好きなのに、私は応えられない。
なのはのことを愛しているのに、私は応えられない。
いつも、彼女の好意を無駄にしてしまう。
「ごめんね。なのは」
今日だって待っていてくれたのに、こんな時間にしか帰れなかった。
彼女を悲しませてしまった。彼女を苦しめてしまった。
なのはと一緒にいると、傍にいたいと願うと、傷付けてしまう。
私って、ダメだね。
「こんなところで寝ていたら、風邪ひくよ」
せめて、夢の中では幸せを。彼女が望んだ、理想の私と幸せを感じて欲しい。
私に出来ることは、これぐらいしかないから。
腕に掛かる重さが愛しい。
なのはは、こんなにも軽いんだ。
伝わってくる体温が愛しい。
なのはは、こんなにも温かい。
「ごめんね、傍にいられなくて」
そんな彼女と一緒にいた、傍にいたい。
そんなふうに望むのは、罪なのかもしれない。
「フェイトちゃん。お帰りなさい」
「なのは?」
さっきまで寝ていたはずなのに、リビングを出た辺りで目を覚ましてしまった。
「ごめんね、起こしちゃったかな?」
「もぅ、どうして謝るの? 帰ってきたら、ただいまでしょ?」
言いたいこと、いっぱいあったはずなのに。
謝りたいこと、いっぱいあったはずなのに。
全てが吹き飛んで、頭が真っ白になる。
「ただいま、なのは」
「はい、よろしい」
夢にまで見た、彼女の笑顔。
それが今、私に向けられている。
世界でただ1人。私だけに向けられている。
「今回も大変だったみたいだね。お疲れ様」
担当した事件。応援に行った事件。
多分、どちらも知っているのだろう。誤魔化しても、無駄だ。
「その、遅くなってごめんね。折角、待っていてくれたのに」
「うー、謝られても嬉しくないよ。やっと会えたんだから笑顔を見せてよ」
「う、うん」
言い訳にもならないのに。なのはを悲しませてしまったのに。
どうして、こんなに優しくしてくれるのかな?
ちょっと、涙が出てきそうだよ。
「それにしても、お姫様抱っこしてもらえるなんて嬉しいな」
「その、嫌だった? 起こさないように気をつけたんだけど」
「全然。こうしてフェイトちゃんの顔が見られたんだから、嬉しいよ」
不満はあるはずなのに、文句もあるはずなのに。
彼女は何1つ言わない。
笑顔で私を迎えてくれる。それが、何よりも嬉しい。
「ところで、フェイトちゃん」
「何、なのは?」
私の好きになった人は、こんなにも優しい。
私の愛している人は、こんなにも温かい。
「その、重くないかな?」
「……何が?」
重たい?
周りの闇を吹き飛ばせそうなぐらい嬉しいのに。
何が重たいのだろう?
「フェイトちゃん、疲れてるし。私は嬉しいんだけど」
「大丈夫だよ、なのは。私は元気だから」
なのはの笑顔を見れた。
なのはの声が聞けた。
なのはに触れることが出来た。
今なら、何でも出来そうなぐらいだよ。
「お姫様抱っこ、重くない?」
「どうして?」
「……ありがとう」
どうしてお礼を言われたのかな?
私は、なのはに触れられて幸せなのに。
少しでも傍にいたいから、幸せなのにな。
「明日からも、頑張ろうね」
「うん、離れていても、大好きだから」
朝がくれば、また離れないといけない。
遠い世界へ、私1人だけ行かなくてはいけない。
けど、それは世界を守る為だから。
世界を守って、大切な人の笑顔を守る為だから。
私は頑張りたい。

――ありがとう、なのは
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