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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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1週間 空いてしまいました
入稿してたら、更新忘れてました

orz


はい、そんな感じでSSUPです
すず×アリ 【眠りの狭間に】
我侭と、甘え。我慢と努力。
その差はなんでしょうね。










「アリサちゃん、起きちゃうかなぁ」
私の腕の中で、すやすやと寝息を立てているお姫様。
眺めているだけで幸せが溢れてくるけど……ちょっとだけ、触れても良いかな?
「ちょっとだけなら、大丈夫かな?」
そっと閉じられているまぶた。
良い香りがしている髪の毛。
ふっくらとし、触れてみたいほっぺた。
うーん、我慢しなきゃいけないけど、我慢出来そうにないよ。
「触りたいけど、アリサちゃんを起こしたら可哀想だもんね」
さっきからこの繰り返し。
私は、アリサちゃんに触れたい。
頭を撫でたいし、抱きしめたい。
けど、アリサちゃんが起きてしまったらどうしよう?
折角、気持ちよさそうに眠っている彼女を、起こしてしまうのは可哀想だ。
「少し我慢すれば、良いだけなのに……」
あと3時間もすれば、アリサちゃんは起きるだろう。
起きて、おはようって言ってくれるはず。
そうすれば抱きしめても、頭を撫でても問題ない。
私が、その時間まで我慢すればいいだけ。良いだけなんだけど……。
「どうしよう、我慢出来そうにないよ」
いつもなら、我慢出来るはず。
いつもであれば、制御しているはず。
それなのに、私の気持ちは欲望だけを伝えてくる。
「ダメだって、分かっているのになぁ」
眠っているアリサちゃんを抱きしめたい。
眠っているアリサちゃんに触れてみたい。
眠っているアリサちゃんの唇に――
「ダメだって、分かっているはずなんだけどなぁ」
理性では、理解している。
してはいけない、そんなのダメだよって。
けど、私の本能は、アリサちゃんを愛しく想っている気持ちは、止まろうとしない。
「ダメだよ。そんなのダメなんだよ?」
王子様がどうとか、お姫様がどうとか、それ以前の問題だよ。
眠っているアリサちゃんを襲うなんて、そんなことしちゃダメ。
恋人だからって、何でも許されるわけじゃないんだよ?
恋人だから、愛しているから、我慢するのも必要なんだもん。
「我慢するのは慣れている。我慢するのは平気」
そのはずだったんだけどなぁ。
はぁ……どうしてかなぁ。前までは平気だったはずなのに。
「我侭はダメ。アリサちゃんとお付き合いするには、節度が必要だもん」
なんとか、自分を納得させないと。このままだと、触れてしまう。
腕の中で眠っている。安心してくれているお姫様を、襲ってしまう。
「そんなの嫌だよ。そんな私、認められないよ」
私を信頼してくれているアリサちゃんを、裏切ってしまう。
私を愛してくれる、アリサちゃんを傷つけてしまう。
そんなの、嫌だよ。
「嫌なのに、そんなのダメなのに」
我慢出来ない。耐えられない。
アリサちゃんに触れたくて、ぎゅって抱きしめたくて。どうすれば良いか分からなくなっちゃう。
落ち着かなきゃ、冷静にならなきゃいけないのに。
私はアリサちゃんが大好きなんだよ? 愛しているんだよ?
アリサちゃんだって、私を愛してくれているんだよ?
「それを裏切るの? 我慢出来ないの?」
私はそんなに弱くないはずなのに、私は我慢出来るはずなのに。
アリサちゃんを見つめていると、傍にいると触れたくなっちゃう。
アリサちゃんの匂いに包まれていると、おかしくなっちゃう。
抱きしめたい、キスしたいって暴走しちゃいそうになる。
「離れなきゃ」
このまま、アリサちゃんと一緒にいるのは危険。
私の理性がどこまでもつのか、分からない。
布団を抜け出して、部屋の隅にでも行こう。
そこで本を読んでいれば、きっと平気だから。
「大丈夫、もう暫くは我慢出来る」
のんびりとは出来ないけど、焦らなくても良い。
アリサちゃんを起こさないように、そっと抜け出せば良い。
それだけ。
「ゆっくりと、落ち着いて……」
腕を抜き、体をちょっとずつ離していく。
もう少し、もう少しでアリサちゃんから離れられる。
離れればきっと平気だから、我慢出来るから。
アリサちゃんの匂いが充満している、ベッドから逃げれば――





「……っ!」
甘かった。離れれば平気だなんて、甘かった。
そんな簡単に、離れられるわけがないのに。
私が身を離し、温もりがなくなったせいかな?
無意識だとは思うけど、それはダメだよ。
折角、我慢しているのに。頑張っているのに。
「はな、して」
アリサちゃんの手が、私の服をつかんでいた。
意外なほどに強く、しっかりと掴まれている。
「お願い……」
ダメだよ、今離れないと、私はもう耐えられない。
アリサちゃんの傍にいて、アリサちゃんを感じながら我慢するなんて、もう出来ないよ。
「ダメなんだよ」
眠っているアリサちゃんに手を出すなんて。そんなこと許されない。
私は、私を保つ為に離れないといけないのに。
アリサちゃんの恋人である為に、アリサちゃんを愛し続ける為に、ここで手を出しちゃいけないのに…・・・。
「ダメなんだよ」
離れなきゃ。離れて、冷静にならなきゃ。
このままじゃいけない。一緒に寝てたら、襲っちゃうよ。
そんなの嫌なのに、ダメなのに。
「いけない、そんなのダメ」
頭の中で声が聞こえる。
襲ってしまえと、欲望に身を任せろと。
苦しむ必要はない、我慢する必要はないって――
「認めない。認めないよ」
そんな声は聞こえない。気のせいだ。
聞こえちゃいけないんだ。
アリサちゃんが好きなら、愛しているなら。ここは我慢するところなんだよ。
「苦しくても、辛くても……ダメなものは、ダメだよ」
息が荒くなって、頭も痛い。
体はしびれたように言うことを聞いてくれない。
それでも、私は離れないといけないのに――





「すずか、何してるの?」
「……え、あの、その。何もしてないよ?」
起きちゃった。アリサちゃんが起きちゃった。
「ホントに、何もしてないの?」
「本当だよ。何もしてないよ」
嘘だ。こんな状況で、信じてくれるはずない。
こんな状況で、言い訳出来るはずがない。
「んー、眠っているアタシに欲情したわけ?」
「えーと、その、ね。これには深い訳があるんだよ」
半眼になり、私を疑っているアリサちゃん。
どうしよう、なんとか誤魔化さないと。
「こんな、押し倒したような姿勢に成る程の事情って何?」
「これは、その。じ、事故だよ」
あぅ……アリサちゃんを怒らせちゃったかな?
それでも、誤魔化すしかない。素直には言えないよ。
「全く、すずかはしょうがないわね」
そう言って、私の頬を撫でてくれるアリサちゃん。
「怒って、ないの?」
ずっと我慢していたアリサちゃんの温かさ。
柔らかくて、優しくて、愛おしい温かさ。
「怒ってるわよ。すずかが何も話してくれないから。1人だけで、苦しんでいるから」
でも、我慢出来なくて、耐えられなかった。
だから、こうなっちゃってるのに。
「何よ。泣くことじゃないでしょ?」
「ごめんね。そんなつもりじゃなかったんだけど」
我慢して、混乱して、苦しんで。やっとアリサちゃんを感じられた。
アリサちゃんに触れてもらえたことが、嬉しかった。
「我慢のし過ぎは毒よ。……どうしようもなければ起こせば良いのに」
「だって、気持ち良さそうに眠っているんだもん。そんなこと出来ないよ」
やっぱり、アリサちゃんには分かるんだね。分かってたんだよね。
どうして、私がこんなことしているのか。
どうして、私が泣いているのか。
「起きた途端に、泣かれるよりはマシよ」
「ごめんね」
こんなに優しいのに。アリサちゃんは、こんなにも優しいのに。
私はその優しさに甘えることしか出来ないの?
それだけしか出来ないの?
「それに、アタシが寝ている間に、すずかが苦しんでいたのかと思うと。そっちの方が苦しいわ」
「それは、私が勝手に苦しんでいただけだから。アリサちゃんは気にしないで」
眠っているアリサちゃんを、襲うことしか出来なかった私。
そんな私の為にアリサちゃんが苦しむなんて、間違っている。
「気に入らないわね。凄く不愉快だわ」
「アリサちゃん?」
それなのに、彼女は踏み込もうとする。
私の心に汚い部分まで、抱きとめようとしてくれる。
「すずか。1つだけはっきりさせておくわよ?」
何度も言われたこと。何度も言ってくれたこと。
素直に認めるには、私が未熟過ぎる優しさ。
「アタシは、すずかの恋人なの」
アリサちゃんが、私にくれる魔法の言葉。
私が迷った時、私が困っている時。
彼女は助けてくれる。
「すずかに幸せになってもらって、笑ってもらって。アタシも幸せになりたいの」
でも、いつも以上に強いね。
いつもなら注意されるだけなのに、今回は怒られちゃった。
「泣いている姿は勿論、苦しんでいる姿も見たくないわ」
それだけ、アリサちゃんが真剣に向き合ってくれている証拠。
私を愛してくれるって、そう言ってくれている。
その想いに、私は答えられるのかな?
その想いを、受け入れても良いのかな?
「でもね、それ以上に許せないことがあるわ」
私は、まだ迷っている。
どこまで伝えても良いのかな。どこまで愛して良いのか。
どれだけ我侭を言っても良いのかな。どれだけ甘えれば良いのかな。
「アタシが知らないところで苦しむのは止めて。アタシが見えないところで泣くのは止めなさい」
そんな私なのに、アリサちゃんは1つずつ教えてくれる。
どうすれば、良いのか?
どうしても、良いのか?
「このアタシが良いって言っているの。恋人である、アタシがね」
そして、全てを受け入れてくれる。
「良い? 今後一切、勝手に苦しんじゃだめよ?」
それに頼り切ることは出来ないけど、少しずつ調整しながら。
アリサちゃんに嫌われちゃわないように、加減をしながら。
「アタシに出来ることで、すずかが幸せになれるんなら。それはアタシが幸せになるのと同じなのよ?」
アリサちゃんが幸せだって、そう言ってくれるなら。
もう少し、甘えても良いのかもしれない。
もうちょっとだけ、甘えさせてもらっても良いのかもしれない。
「相談しなさい。甘えなさい。我侭も言いなさい」
難しいけど、幸せになる為だから頑張るよ。
アリサちゃんに怒られないように、2人で幸せになる為に。
「それを受け止められないほど、アタシは小さくないわ」
「でも、アリサちゃんが大変だよ?」
幸せになる為だから、我慢じゃないね。
幸せになる為なのに、我慢するのはおかしいよね。
それは、努力って言うべきなんだから。
「あら、そんなの平気よ。すずかがどれだけ我侭を言っても、関係ないわ」
私の恋人は、どんな我侭でも受け入れてくれるだろう。
それは、嬉しい反面、怖い。
手加減を忘れて、私の幸せの為だけに暴走しそうで、怖い。
「すずかの我侭を聞く以上に、アタシが我侭を言うから。すずか以上に、アタシが甘えればいいのよ」
「えーと?」
……私以上の我侭を、アリサちゃんが言うの?
私以上に、アリサちゃんが我侭を言ってくれるの?
それは、それで素敵かもしれないけど。大変だよ?
「アタシの王子様は、お姫様の我侭は聞いてくれるわよね?」
「そうだけど……良いの? きっと、アリサちゃんが想像している以上に、私は我侭だよ?」
私が我侭を言い出せば、凄いことになってしまう。
それなのに、アリサちゃんは良いと。認めてくれるって言うの?
「ふん、それぐらい許容出来なくて、この先付き合うことなんて出来ないわよ」
無理をすれば、どこかで歪んでしまう。
無理を通せば、どこかで爆発してしまう。
それは、分かっているつもりだったんでけどなぁ。
やっぱり、アリサちゃんは凄いよ。
「アタシはすずかと一緒にいたいの。すずかと一緒に歩くって、そう決めたの」
一緒にいる為に、我侭は必要なのかもしれない。
綺麗なだけの、恋愛なんてない。そうだよね。
「勝手に泣いたりしたら、許さないからね」
「うん、分かったよ」

――ありがとう、アリサちゃん。
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