ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
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1986/07/28
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はっきりとした目標もなく、進む為の手順も決まっておらず、それでも前に進む。
いやはや、恋人って実は凄いことなんじゃないかなと、最近思うのです。
・w・) 実体験? 百合モノには、無理だろ?
はい、そんな感じで
ドキドキプリキュア より ありまこ 躊躇いの橋 です
タイトルに意味はありません。ええ、いつものことですね。
・w・) そーいえば、コミトレに参加します。本、出来たら記事作ります。
いやはや、恋人って実は凄いことなんじゃないかなと、最近思うのです。
・w・) 実体験? 百合モノには、無理だろ?
はい、そんな感じで
ドキドキプリキュア より ありまこ 躊躇いの橋 です
タイトルに意味はありません。ええ、いつものことですね。
・w・) そーいえば、コミトレに参加します。本、出来たら記事作ります。
自分でない者を信じるのは、難しいことです。例え、どれだけ近しい者であったとしても、その胸中を計り知ることは出来ないのですから。笑顔の裏で、どのような葛藤を抱いているのか、わたしには理解することが出来ません。
しかし、分からないからこそ、信用するのです。彼女なら大丈夫だと、彼女なら分かってくれると。誤魔化すことなく、取り繕うこともなく、信じれば良いのです。
時には、間違うこともあるでしょう。2人で一緒に傷ついてしまうことも、勘違いに気付き恥ずかしくなることもあるでしょう。
それでも良いではありませんか。それもまた、幸せという道の1歩に過ぎないのですから、忘れることなく通り過ぎて行きましょう。
わたしと彼女の物語が、どのように発展するのかは未だに分かりません。つかめているようで、その全てが霧に覆われているのが事実でしょう。分からないというのは、怖いことです。怖いから、2人で進めば良いのです。
さぁ、次のステージの扉を目指しましょう。
躊躇いの橋
関係の進展。それを望むことが間違いだとは、わたしは思いません。より深い中になる為に、より幸せの中に浸る為に、真琴さんと次のステージへ進もうとすることは、大切だと認識しております。
しかし、それがわたしの思いだけで勧められるほど、容易なものではないということも同時に理解しています。
幸せというのは、1人で手にするものではありません。真琴さんと2人だからこそ、今の幸せも、先の幸せもあるはずなのですから。相談もせず、唐突に進めるというわけにはいかないでしょう。
ただ、問題となるのは、わたしが恋愛の初心者であるということ。これは、真琴さんにも言えることですが、どうすれば次のステージへと至れるのか、どの段階で次のステージを目指すべきなのか、経験がないことが躊躇する原因ともなっています。
入門書、指南書の通りに進めるべきであるなら、わたし達は既に先のステージに到達しているべき時間を過ごしています。もっと甘い時間を享受できるだけの時間を、過ごしていると書かれています。もちろん、本に書いてあることが全てではなく、わたし達のタイミングで進むことが重要であるのでしょうが――そのタイミングを掴みかねている今、本にもすがりたくなってしまうのが現実というものであり、また友人に相談したくなるのが事実というものです。
「それで、ありすの相談って何かな?」
わたしの親友であり、真琴さんの親友でもある、マナちゃん。以前に恋人となった報告をしていることもあり、時々進展状況を気にかけて頂けていましたが、この様に直接的な相談をするのは初めてとなります。
「本来であれば、このようなプライベートなこと、相談すべきではなく、また確認すべきでもないと理解しています。しかし、どうにもわたし達だけでは解決できそうにありませんので、マナちゃんに助けていただけると助かりますわ」
わたしと真琴さんの問題を、他の人に相談するというのは、裏切り行為になるのでしょうか? 自分達だけで解決するほうが、望ましいのでしょうか?
しかし、このまま悩み続けていても、答えが出るとは限りません。真琴さんに満足頂ける、そのような回答にたどり着けるとは限りません。
ならば、この道の先輩にお話をうかがわせて頂くのが、わたしのすべきことではないでしょうか?
「真琴さんと未だ、キスが出来ません。どのようにすれば、この夢が叶うのでしょうか?」
キスは通り道の1つに過ぎない、愛情表現の1つに過ぎないと、そのことは理解しているつもりです。ゴールとして目指すべきものではないと、理解はしているのです。
しかし、キスすら出来ないわたし達に、幸せな未来はあるのでしょうか? 通り過ぎることの出来ない恋人に、未来があるのでしょうか?
経験のないわたしには、それは分かりませんが、不安だけが募ってしまいます。真琴さんと過ごすはずの、幸せな未来が遠退いてしまうようで、怖いのです。
「えーと、その内相談されるのかなーとは思っていたけど、まだだったんだね」
「やはり、そう思われてしまうような、進展なのですね。ふぅ、このままではダメだと理解しているのですが、どうしても踏み切れないのです」
付き合い始めて、それなりの時間が経過しています。真琴さんと過ごせる、素晴らしい日々は積み重なっていきます。
段々とお互いの緊張も解け、分かり合えることが増えてきたのを、喜びとして実感しています。
しかし、やはり遅いのですね。本と比べているだけでは実感がありませんでしたが、マナちゃんに言われるとくるものがあります。けして、行為自体を恐れているわけではありませんが、何かが決定的に変わってしまいそうで、踏み出せずにいるのが現実なのですから。言い訳は出来ません。
「けど、あたしに相談してくるってことは、キスしたいってことでしょ? 多分、まこぴーも同じこと思ってるはずだよ?」
「その、なんと言いますか、勘違いでなければ、時々そのような雰囲気になることもあるのですが。なんと断って、キスをすれば良いのかが分からないのです。無言で、突然するのは、失礼な気がしますし……」
「んー、雰囲気としか言いようがないと思うから、そこに関してはアドバイスは難しいかな?」
幸せを逃すつもりはありません。真琴さんの笑顔を逃すつもりもありません。
しかし、唐突にキスをして嫌われる原因にでもなれば、嫌悪感を抱かれてしまうくらいなら、何もしないほうが良いのではないかと、消極的に考えてしまう自分がいます。今のままでも幸せであることに変わりはなく、失うわけにはいかないのですから。
「ただ、1つ言えるのは、ありすの悪いクセが出ちゃってると思うよ? あれこれ考え過ぎて、何も出来なくなってない?」
「確かに、そうなっている感じもしますが、何も考えないままに行動することは出来ません。わたしは、真琴さんと過ごすことのできる日々を、失いたくないのです」
「うん、そうだね。恋人と過ごす素敵な日は失えないよね? だから、進もうとしているんでしょ?」
流石はマナちゃんですわ。わたし自身が見ないようにしている、根本的な原因をあっさりと見つけてしまわれました。
これでこそ、相談した意味があるともいえますし、自らの口からいえないことを、代弁させてしまった罪悪感も残りますわね。いずれ、何らかの形でお礼させて頂きます。
「ねぇ、ありす。まこぴーには聞いたの?」
「何を聞くのでしょうか?」
「まこぴーに、キスしても良いって、聞いた?」
質問できないからこそ、マナちゃんにお時間を頂いていますのに。不思議なことを聞かれますね。
それに、どうしてそのようなことを気になさるのでしょうか? 今聞かれていることには、どのような意図があるのでしょうか?
「それが聞けるなら、苦労はしませんわ。わたしも、もっと積極的になれるでしょう」
何よりも、質問できるのであれば、困る必要性すらなくなるでしょう。より積極的に、幸せを掴むために日々を過ごしているはずですわ。
それは、マナちゃんにも分かっていただけているはずなのですが、やはり質問の意図が分からないままでは、答えは出せません。
「どうして聞かないの? まこぴーは、ありすの恋人でしょ?」
「恋人だから、愛しいから聞けないのです。そのような、欲情にまみれたわたしがいることを、知られたくないのです」
例えば、真琴さんと恋人でないのであれば、ただの友人であれば、このような感情を抱くことすらないでしょう。マナちゃんや六花ちゃんと同じく、親友であれたと思います。
しかし、恋人であるには、そうはいかないのです。多少は下心があり、真琴さんを欲しいと思ったからこそ、今の関係にあるのですから。
「んー、それは、どうして? 嫌われるから?」
「……どうしてなのでしょう? 意外なことに、答えがありませんわ」
わたしが質問出来ない理由。キスをねだれない理由は、はっきりとしています。
しかし、知られたくないと思っているのは、なぜなのでしょうか?
「確かに、嫌われる心配をしていないのかと問われれば、しているというのが答えになります」
嫌われたくないと思っていない、嫌われても良いのであれば、ここまで悩むことはないでしょう。何かを考えることもなく、行動しているはずです。
何をきっかけにして、真琴さんに嫌われてしまうかは分かりません。ずっと傍にいられると思っていた未来が、崩れてしまう可能性を全否定することは出来ません。
「しかし、それと同時に、わたしの信頼している真琴さんは、わたしの知っている真琴さんは、その程度でわたしを嫌いになるような方ではないと、そう感じます」
どのようなわたしでも、愛していただけると、そのように信じることが出来ます。真琴さんは、その程度でわたしの傍を離れることはないと、声を大にして断言できますわ。
「結局、ありすは恥ずかしかったんじゃないの?」
「恥ずかしい、ですか?」
「うん、そうだよ。自分の綺麗じゃないところを見せるのが、恥ずかしかったんじゃない?」
キスをしたいとは思っていても、それをきっかけに自らの綺麗でないところを、真琴さんにさらしてしまうのを、恐れていたということでしょうか? 幸せになる為には、手加減はしないと、そう決めたはずだったのですが。
それはまた、随分とワガママで、身勝手な話ですわ。
「そうなのかもしれませんね。ふぅ、自分のことながら、情けないですわ」
「あはは、恋する乙女ってそういうものだよ。なにより、それだけノロケられるなら、大丈夫だよ」
ノロケられるなら、大丈夫ですか。ふふ、不思議な励まし方もあるものですわね。わたしも、勉強致しませんと。
どちらにしろ、相談させて頂いたお陰で、活路が見えたのは事実ですわ。これからは、私が頑張るべきところですわ。
「マナちゃん、今日は相談に乗っていただき、ありがとう御座いました。非常に助かりましたわ」
「なんのなんの、気にしなくて良いよ。折角、想いが実ったんだもん、幸せになってほしいよ」
他人の幸せであっても、喜べるというのは素晴らしいことですわ。マナちゃんには、敵いませんわ。
「そうだ。あたしに相談してくれた、ありすに1つプレゼントをあげるよ」
「プレゼントですか?」
相談に乗って頂いた上にプレゼントだなんて、流石にそこまでは。友達といえども、もらい過ぎるのは心苦しいものがありますが。
どのようなものでしょうか?
「うん。本当はね、今日六花と出かけるつもりだったの。けど、中止になっちゃったんだ」
「それは、大変失礼致しました。このお詫びは必ず、近日中に致しますわ」
マナちゃんと六花ちゃん、2人が恋仲であることはずっと前から知っていたはずなのに。自らの恋路のみに集中してしまい、人様の恋路を邪魔してしまうだなんて、あってはならないことですわ。一度、色々なことを整理すべきなのかもしれません。
「そんなんじゃないよ。あたしが知って欲しいのは、六花が行けなくなった理由だよ」
「六花ちゃんが行けなくなった理由ですか? そう言えば、マナちゃんにべったりの六花ちゃんが、他の用事を優先するなんて、あまり考えられませんね」
マナちゃんたちの関係、傍から見る分には、マナちゃんが一方的に甘えているようにしか見えないかもしれませんが。実際のところは、六花ちゃんがマナちゃんの傍を離れたくないが故に、全ての頃柄でフォローに回っているのです。
不思議な関係かもしれませんが、本人達が幸せなのですから、その形で正解なのでしょう。
「実はね、まこぴーから相談させて欲しいって、そうお願いされたみたいなの」
何を相談されているのか、聞かなくても分かってしまうのは、恋人だからでしょうか?
離れていても、温かい気持ちにしていただけるなんて、まったく真琴さんがは出来過ぎた恋人ですわ。
「ね? 心配しなくても、大丈夫だったでしょ?」
「ええ、本当にわたしの早とちりだったのですね」
何より、わたし達のことを理解して、応援してくれる友達がいる。そのことを忘れていた自分が、少し情けないです。
わたし達の恋は、祝福された上で成り立っているのですから、もう少し回りを見ながら、積極的になっていくこととしましょう。
――真琴さんの傍にある為に、頑張りますわ
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