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バレンタインですねー。土曜日ですねー。
はい、ずっと更新していませんでしたが何とかSSをかけたので、UPします。
……の前に、web拍手の中身を入れ替えます。
クリスマス SS『炎、舞踊る』
アギト×シグナムに挑戦しました
お暇なときにどうぞ~
「ゆ、融合騎として贈るんだからな!変な勘違いすんなよ!」
12月も終わりに近づいた25日。
シグナム達が以前住んでいたという『地球』の習慣を真似て、プレゼントを贈ってみた。一応世話にはなってるんだし、ロードに贈り物をするのは間違ってないはずだ。
「ありがとう、嬉しいぞアギト」
あぅ、あー!だからアタシに笑顔を向けるんじゃねーよ。照れちまうじゃねーか!
「ふん、アンタだって元はいいんだ。少しぐらいはおしゃれしろつーの!」
これはあくまで、融合騎としてロードを心配してのセリフだ。
別にシグナムにお礼を言って欲しかったとか、これをつけたらよく似合うだろうなとか、これっぽっちも思ってねーんだからな!
「そうなのか・・・?私にはいまいち分からんが」
「大丈夫だって、このアタシが言うんだから間違いねーよ」
「そういうものか・・・」
―――容姿端麗、強さも相性も問題なし。ったくアタシはどこにケチつけようってんだ?
くそっ、冷静に考えてみたら腹が立ってきた。こんだけいーもん持ってるのに、飾ろうとも見せようともしねーなんて・・・あ、いや、あんまりチャラチャラした格好をされても困るんだけどよ。少しは気をつけてもらわねーと、勿体ねーだろ?
今までは、はやてさ・・・八神二佐が頑張ってくれてたみたいだけど、これからはアタシが面倒をみてやらねーとな。
「アギト、ところでコレは何だ?」
「ん?ああ、口紅とかの化粧品、服にアクセ、おまけに小物まで揃えたお洒落1式だ。安心しろ、アタシはセンスにはそれなりの自信があるんだ」
・・・人を使う側のセンスだけどな。
身長や体重、その他のサイズもバッチリ調べ、写真と映像を持っていったんだ。店員と一緒に散々悩んだし、きっと似合うはずだ。
「そんな事はどーでも良いから、早く着替えてこいよ。どーせこれからオフなんだろ?」
「ん?確かにこれからオフだが・・・よく知っているな」
「はん、そのぐらいは融合騎として当然だ」
というか、予定表をリンクしてるの忘れてんのか?
まったく、しょーがねーロード様だな。
何かと渋るシグナムを更衣室に押し込み、とっとと着替えさせる。身包みはいで、服を着せて、化粧をして・・・って、おい!さすがに化けすぎだろ!
「どうしたアギト?私の顔に何かついているか?」
「あ・・・いや、何でもねぇよ」
スーツか騎士甲冑、休日でも野暮ったい格好しかしてなかったから気づかなかったけど、こいつ実は相当なもんじゃねーの?
「そうか?なら、良いが・・・」
「あぁ、アンタが気にするようなことじゃねーよ」
くそっ、お世辞抜きで綺麗だ。
アタシとは違って出るところはドーンと出てるし、引っ込むところはキュッと引き締まっている。
日頃見ることはないであろう着飾った彼女の姿に、不覚にもどきどきしてしまった。ア、アタシのセンスが良かったんだからな!
「ふむ・・・しかし、私だけが貰うのもなんだな」
「はん、気にすんなよ。どうせ安物だ」
・・・口紅1本、1ヶ月分の給料。安いんだよ!
ちょっと欲しい物もあったんだけど、アレは来月でもいいんだ。
「では、物は家に帰るまで待ってもらうとして―――そうだ、アギト。少し目を瞑ってくれないか?」
「ん?何だよ・・・こうで良いのか?」
なんだろうなって目を閉じた瞬間、額に温かくて少し湿った柔らかいものが触れた。
不審に思ってアタシが目を開けてみると・・・っておい、待て!何してんだ!
「悪いが今はこれで我慢してくれ」
「な、な・・・何しやがんだテメー!」
何が悪いが、だ。やっていーことと、わりぃことがあんだろうが!
「柔らかくて、ちょっと気持ち良いとか思ちまったじゃねーか!」
ふん、アタシのおでこになにしやがんだ!
「そうか・・・」
チクショー、1人だけ余裕の笑み浮かべやがって・・・。
ア、アタシだって、慌てても喜んでもいねーんだからな。
「お礼だって言っても限度があるだろ!」
ほら、寒いし早く行こうぜ。
「そうだな・・・少しやり過ぎたかもしれん」
もうちょっと節度ってもんを学んで欲しいもんだぜ、このロード様は・・・そんなんだから、こんな我がままボディーになっちまうんだよ。
「あぁ、くそっ。メチャクチャ嬉しいじゃねーか!」
ふ、ふん、キスなんかされたって嬉しくねーんだからな!こんなので礼になったと思うなよ!
「そうか、それはよかった」
・・・っ!
「ま、まさか頭で思ってることと、口に出してることがひっくり返ってる!?」
冗談だろ、オイ!
「ふふ、アギトは素直で可愛いやつだな」
「なっ・・・ア、アタシイが可愛いだと!?」
このアタシが?烈火の剣精と呼ばれた、アタシが可愛いだと!?
「ふざけるな!メチャクチャ嬉しいじゃねーか!」
んな訳あるか!このおとぼけロードが!
「そうか、喜んでもらえたようで何よりだ」
あぁ・・・また反対に言っちまったのかよ。チキショー。
「も、もうお前の事なんてしらねー!」
顔が、体がドンドンと熱くなってくる。まずい、自分を制御出来てない。
「シ、シグナムの・・・」
早く逃げなきゃ、ここを離れねーと・・・
「おっぱい魔人!」
なんつー捨て台詞だよ。
相手をののしって逃げるのには慣れてるけど・・・流石にそれはねーだろ。
アタシの事を追いかけようとしていたシグナムの足が止まり、真っ赤になっている。
い、今しかチャンスはねー。シグナムがきれる前に逃げきらなきゃ。
「―――レヴァンティン」
本能的とも言える危険を察知し、速度を挙げたアタシだったが、既に手遅れとなっていた。
「ひぃぃ!」
かなりの距離があるはずなのに、シャランと鳴った音は耳のすぐ傍で聞こえた。
「アギト、お前からのプレゼントは嬉しかった。私の事をロードと認めたうえで贈ってくれたものだと分かり、とても嬉しかった」
だったら刃を収めろよ!なんで構えてんだよ!
「だがな、その暴言は許せん。誰がおっぱい魔人だっ!叩き斬ってやる!」
背中から迫る熱量は通常とは違うらしく、頭の中で警鐘が鳴り響いている。む、無理だ。こんなの相手にできねーよ!
「紫電一閃!砕け散れぇぇ!」
「こ、殺すきかぁぁぁ!」
今夜は熱いクリスマスになりそうだ―――