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どうも、忘れられてそうな、らさです。管理局通信のSSかいたりしてたらこんな時間に・・・
まぁ、それは置いといて
お花見19歳verをweb拍手から移しました~。
以下拍手レス
>なのフェイは正義
幸せが正義だ~w勿論なのフェイも正義だ~♪
「ママー、準備できたよぉ」
機動六課の宿舎の一室、なのは・フェイト・ヴィヴィオ用にあてがわれているその部屋はいつもとは違った趣に包まれている。
「こっちにきて雛祭りをするとは思ってもみなかったよ」
「私もだよ。ほら、ヴィヴィオひなあられだよ~」
飾り付けをしているフェイトちゃんに、ヴィヴィオをあやしているなのはちゃん。
外から確認できるその姿は仲の良い家族そのもの。
先のJS事件の後始末などで日々の業務は忙しいが、今日ばかりはそれも忘れて楽しいで欲しい。
自身の限界を超えてでも思いを貫いたなのは、自分を信じてくれる者の為にも未来を掴む事を選んだフェイト、そして泣きながらも痛みに耐え母親を信じ続けたヴィヴィオ。それぞれが辛い思いをしてきたのだ。
この3人は絶対に幸せになるべきだ。何があっても壊させるわけにはいかない。
そう、心に誓ったはやては自分の仕事に戻るべく、部隊長部屋に戻った。
◇
「それにしても、良かったのかな?」
「え?どうかしたの?」
ヴィヴィオと一緒になってひなあられを食べているなのはは童心に帰った様に微笑んでいる。
「はやては良いって言ってくれたけど、私もなのはも今日1日何もしなくて良いのかな」
「あ~、うん。始めは私もまずいかなって思ったんだけどね、ティアナ達がさ・・・」
3月3日雛祭り、とは言ってもミッドチルダには雛祭りという習慣は無い。第97管理外世界・・・地球の日本でも習慣はあるが祝日といった訳でもない。
だが、ヴィヴィオに楽しい思い出を作って貰おうと準備していたいたところ、部隊長であるはやてより特別休暇の命令が下った。通常休暇に関しては取消や却下はありえても強制的に休むという事は無い。そして、追い討ちのようにティアナ達からも休むように懇願されたらしい。なのはは無茶をするからね。
だか怪我をしていて養生が必要ななのははともかくとして、執務官である私まで休みなのだ。
ヴィヴィオに楽しい思い出を作ったってなと、言うはやての笑顔に押されて頷いてしまったけど大丈夫だろうか?やはり私だけでも・・・
「フェイトちゃん、ダメだよ?」
「え?ど、どうしたのなのは?」
考え事にひたっていた私は、なのはの顔が目の前にありビックリした。
「折角みんながくれたお休みだよ?仕事に戻ろうとか、あれしなきゃとか難しい事考えちゃダメだよ?」
「で、でも・・・みんなが働いている時に休むのは・・・」
「ヴィヴィオの為、その名目で休むなら私もだけどフェイトママも休まなきゃダメなんだよ?」
でもなぁ、新しく出てきた事件もあるし・・・ティアナに補佐として誘ったから手続きもしないといけないし・・・。
JS事件が終わったといっても世界はまだまだ悲しい事でいっぱいな。その悲しみの中から助け出して上げる為にも、執務官である私が休む訳には・・・。
「大丈夫だよ、フェイトちゃん。私達がちょっとぐらい休すんでも、みんなが頑張ってくれているから」
あーでもない、こーでもないと唸っていた私をなのはが抱きしめる。
「だから、今だけは休もうよ。私とヴィヴィオと一緒に雛祭りしよ?」
そう言ってよりいっそう力を込め抱きしめられた・・・。もう、こっちの気も知らないで平気でそんな事をするんだから・・・。
「あっ、ずるい~。ヴィヴィオもフェイトママ抱っこするの~」
えへへへ~と可愛らしく笑いながらヴィヴィオが、腰に抱きついてきた。
2人の温かさに包まれた私は心の中にあった不安は溶けていくのを感じた。
ん~といって嬉しそうに顔を押し付けてくるヴィヴィオはくすぐったくて、大丈夫だよと抱きしめてくれるなのはは、温かくて・・・その柔らかい。
こんな感動的なシーンで考えちゃいけないのは分かっているけど・・・私にとってはとても嬉しい場面でもあり、苦しい場面でもある。
・・・今を壊す恐怖が大きい私は、その気持ちをずっと隠し続けている―――
◇
雛あられにひし餅、そして甘酒。屏風やひな壇、ぼんぼり。
雛祭りに使われるものは食べ物も、お飾りも煌びやか。その真ん中ですやすやと寝てしまったヴィヴィオはまさにお姫様みたいだ。
ヴィヴィオとフェイトちゃん、大切なこの日をくれたのも親友であるはやてちゃん。地上で頑張ってくれたフォアード4人にロングアーチのみなさん。
みんなのおかげで解決出来たJS事件以降は大きな問題も無く、忙しいながらも穏やかな日々を過ごせている。
「やっぱり、あの時頑張ってよかったね」
『It's so.』
胸の辺りから賛同の声が聞こえるところをみると、レイジングハートも同意してくれるようだ。
「でも、レイジングハート大丈夫?本体にまで損傷が及んでるかもしれないって聞いたけど・・・ごめんね、無茶ばかりして」
『Don't worry.』
いつもと同じ返事。どれだけ無茶をしてもレイジングハートはついてきてくれる。前を向け、下を見るなと言って励ましてくれる。
「ありがと・・・」
『all right.』
いつも私と共にあってくれる大切なパートナー。
「なのは・・・ここに居たんだ」
ゆっくりと近づいてくるフェイトちゃんと出会えて、分かり合えたのもレイジングハートが手伝ってくれたから・・・そう思うと恋のキューピッドも勤めてくれているのかもしれないね。
「星が綺麗だったから・・・ちょっとね」
幸せそうに眠っているヴィヴィオに毛布を掛けたら、ふと星が見たくなった。そこでのんびりと夜の散歩に出かけたんだけど・・・。
ただそれだけなんだけど・・・。
「よくココが分かったね。穴場だと思っていたのに・・・」
宿舎の裏側、日頃はアイナさんでも滅多に来ない一角。
「バルディッシュが教えてくれたんだ・・・なのはとレイジングハートがここにいるって・・・」
「ずるいよ・・・」
あははと力なく笑っているフェイトちゃん。さっきからレイジングハートが何かしていたのは通信だったんだ。
「レイジングハートも勝手に通信しちゃだめだよ?」
『・・・』
無視されちゃった・・・もう、みんなして私をいじめるんだから。はぁ、すねちゃおっかなぁ。
「ごめんね・・・でもなのはの傍に居たかったから・・・」
「フェイトちゃんのバカ・・・」
たまには1人で考え事もしたいのにな。今後の事とか・・・ね
「バカは酷いなぁ・・・」
「・・・バルディッシュに頼らなくても見つけるくせに」
いつだって私が苦しい時、悲しい時、落ち込んだ時には傍にいてくれた。
「え?何か言った?」
聞こえてるんだ・・・かなり小さな声で言ったと思うんだけど
「何でもないよ~」
明日からどうしようかな~・・・。
ヴィヴィオはまだ小さい。私が養子に引き取ったといえ、仕事の都合上どうしても寂しい思いをさせてしまう。私が結婚してしまえばいいのかもしれないけど、私自身そんなつもりはまだない・・・それに相手だって居ないしね。
一番の問題は私の理想が結構高いところにあるせいかもしれないけど、やっぱり私の事を愛してくれて、ヴィヴィオの事も愛してくれて、何かあったときに大丈夫だよって守ってくれて、やっぱり私より背も高い方が・・・あぁ、駄目だ。そんな条件に合う人は中々いないだろうなぁ。
そう思いながらふと周りを見渡した時に気づいてしまった。
「ん?どうかしたのなのは?」
優しく微笑む金髪の女性に―――。
私もヴィヴィオの事も愛してくれる・・・うん、OK。いざという時には頼りになって守ってくれる・・・うん、これもOK。・・・背だって私よりも高い。
幼い頃から10年ほど付き合ってきて、良い所も悪い所もだいたい把握できている。
・・・完璧なまでに合格だ。これ以上の人材はいないかもしれない。
「・・・ねぇ、フェイトちゃん―――結婚しようか?」
「えっ?な、なのは?」
「ヴィヴィオって子供もいるしさ、もう良いよね?」
「えっええ?け、けけけっけ、結婚?わ、私となのはが!?」
・・・ちょっと急すぎたかな?
地球よりも技術も文化も進んでいるミッドチルダでは同姓だからといって結婚を諦める必要性は無い。
私はフェイトちゃんの事が大好きだし、フェイトちゃんだってきっと私を好きでいてくれている。夫婦って呼ぶのかは分からないけど、そんな関係になれたらいいなと思ったのだって1度や2度ではない。
かといって、目の前で小爆発を繰り返しているフェイトちゃんにはやっぱり急過ぎる話だったみたいだ。
「う・そ・だ・よ♪」
真っ赤になっちゃって可愛いなぁ。
今日はこれぐらいで許してあげる。
人造魔道士のヴィヴィオ、引き取って母親になった私、そして後継人の私フェイトちゃん。誰一人血の繋がりは無いけど今のままでも、私たち3人が家族である事に変わりは無い。
考えてしまったら終わりで、でも、今はチョットだけ早すぎた。
だけど、いつかきっと・・・。
貴女と手をつないで歩きたいな。貴女の隣に私がいつも居たいな。
「だけど、ちょっとだけ考えておいてね・・・」
返事はその内聞かせてもらうとしましょう。その時は覚悟しといてねフェイトちゃん?
だって、この空の下、貴女と娘と3人で踊りたいから―――