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なのは×フェイトもアリサ×すずかも時間的にはつながっているので第何話ってのはないのですがね・・・
鳴海市から電車に揺られて10数分、今日はフェイトちゃんと遊園地に来ています。
私達の仲をみんなに公表してから学校で一緒にいられる時も増えました。
でも、やっぱりデートとなると話は別で、フェイトちゃんの横に居るといつも以上にドキドキします。
はやてちゃんによると、この遊園地はデートスポットとしては割と有名らしいです。
「ええか、あそこの遊園地はまさに恋人達の為にあるんや。全てが甘い時の為にある・・・メーリーゴーランドは2人乗り専用、ジェットコースターは横2席しかない。とどめは観覧車や、窓は黒っぽいし景色は最高。中でキスをするのも、ムフフな事をするのもOKなんや」
にゃはは・・・、はやてちゃんは私達に何を期待しているのかな。何だか素直に喜べないよ。
でもチケットまで用意してもらっちゃって良かったのかな?私の都合もあるからいいんよって言ってたけど・・・お土産買って帰らないといけないね。
「うわぁ、凄いねなのは」
でも、フェイトちゃんの喜んでいる姿が目に入った瞬間私はそれどころではなくなりました。
日頃はどこか大人びていて凛としているフェイトちゃんが、まさに年相応に喜んでいるのです。私の横で目を輝かせて、あっちに行ったりこっちに行ったり大忙し。
可愛い・・・いつものフェイトちゃんも可愛いけど、今日のフェイトちゃんは可愛過ぎます。
デートの後で大事なお話をしようと思っているのを忘れそうなぐらいにね。
「待ってよ、フェイトちゃ~ん」
尻尾があれば千切れるぐらいのテンションでジェットコースターに突撃していくフェイトちゃんを慌てて私も後を追った。
◇
「楽しいね、なのはっ」
「にゃはは・・・フェイトちゃんは元気だね・・・」
フェイトちゃん元気過ぎ・・・ジェットコースターにメリーゴランド、コーヒーカップにボート他にも午前中一杯乗り物に乗り続けた。
日頃から鍛えているフェイトちゃんとは違って運動のちょっと苦手な私は大変だった。
昼食を取ろうとレストランに入ってやっと休憩の出来た気分だ。
「あ・・・ごめんね、なのは疲れたよね。ごめんね、私ちょっと楽しくて・・・その・・・」
「大丈夫だよフェイトちゃん。私も楽しいし、まだまだ元気だよ?」
そう、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ疲れたかもしれないけど私もとっても楽しい。
乗り物も楽しいし、何よりフェイトちゃんの輝く笑顔を間近で見ているのだ。
こんな状況で疲れるなんて、楽しめないなんて、あるはずが無い。嬉し過ぎてごはんが喉を通らないぐらいだ。
「時間はいっぱいあるんだよ?フェイトちゃんとのデートだし、午前中だけで疲れるなんて勿体無いよ」
「な、なのは・・・急にそんな事言われたら恥ずかしいよ・・・」
さっきまで私を気遣っていた大人びた表情とは一転、目の前で真っ赤になっているフェイトちゃん。
いつもの通り私がおかしくなっちゃいそうなぐらい可愛い。
でも、何だかちょっと悔しいな・・・私の恋人なのに、ここだと他の人にも可愛い姿を見られちゃう。
「フェイトちゃん、行こう。まだ乗ってないのが沢山あるよ」
「あ、なのは引っ張らないで・・・」
ちょっと強引かもしれないけどご飯もそこそこに店を出た。
引っ張っちゃってごめんね・・・。
レストランを出た直後は大人しかったフェイトちゃん・・・でもすぐに回復して想いっきり2人で楽しんだ。
フリーフォール、ジェットコースター、バンジージャンプなど・・・明らかに午前中よりもヒートアップしている。
さすがに疲れたけど楽しそうなフェイトちゃんを見ていると暖かな気持ちでいっぱいになれる。このままならお願いも素直に言えそうだなぁ。
恥ずかしいけど、2人の仲を発展させるのに必須のイベントだもん。
必ず成功させて見せるよ・・・
「ねぇ、フェイトちゃん最後にあれに乗らない?」
絶叫系を一通り乗りつくし満足そうなフェイトちゃん。
その横顔をいつまでも見つめて居たいけど、あんまり遅くなったらお母さん達に心配をかけてしまう。
だから、最後に乗りたい・・・
「観覧車かぁ・・・いいね。行こうなのは」
いつもは私が引いてる手を逆に引かれて私はフェイトちゃんの後ろを行く。
大丈夫、ちゃんと言える。
そして、おまじないをかけるんだ・・・いつまでも2人幸せで居る為に・・・
◇
ゆっくりと揺れながら上昇していくゴンドラ、そして外に見える景色はとても綺麗。
更にはやてちゃんの言った通り窓は少し黒くて外からは見えにくい。
つまり何があっても外からは見えない・・・チャンスは今しかない。
「ねぇ、フェイトちゃん。ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
「な、なに、なのは?」
う~ん、気のせいかな・・・フェイトちゃん観覧車に乗ったあたりからちょっと様子がおかしい。
赤くなったり、もじもじしたりと何だか恥ずかしがっているような・・・。
でも、ごめんね。時間があまりないから言わせて貰うよ。
「じ、実はねこの遊園地には恋人達を祝福してくれるおまじないがあるんだって・・・。え~とね、その・・・か、観覧車が一番上に来たときにね・・・。そ、そのね、キ・・・キキキ・・・」
「観覧車が・・・一番上に来たときに・・・キスをすれば・・・そのカップルは永遠に幸せになれる。でしょ?」
え?な、なんでフェイトちゃん知ってるの?
「昨日はやてに聞いたんだ。だから・・・なのはに観覧車に乗ろうって言われた時嬉しかったんだけど・・・。いざ乗ってみると恥ずかしくて、どうしようかと思ってたんだ」
はにかんだような笑顔を浮かべているフェイトちゃん。
「にゃはは・・・先に言われちゃったね。というか、はやてちゃんはフェイトちゃんにも同じこと言ってたんだ・・・」
毎度ながら私達のデートを全面的に応援してくれるはやてちゃん。
感謝してもしきれない。
「あはは・・・はやてには感謝しないとね・・・。私に告白する勇気もくれたしね」
でもいつまでも頼りっぱなしじゃだめ。これからは私達2人で歩いていかないと・・・。
「あっ、なのは頂上来ちゃうよ」
「えっ?ふぇぇん。ど、どうしよう、フェイトちゃ・・・」
慌てていた私には完全に不意打ちだった。目の前には目を閉じたフェイトちゃん・・・唇には柔らかくて、それでいて暖かい感触。
キスしちゃった―――
「なのはのファーストキスもらちゃった・・・」
「フェ、フェイトちゃんとファーストキス・・・」
え~と、何て言えばいいのかな?ご馳走様?何だか違うような気がする。
もう、頭が嬉しさと驚きで一杯過ぎてわからないよ・・・
◇
あの後私達は下に降りるまでの間、ずっと抱き合った状態だった。係りの人に降ろしてもらうまでそれに気づけなかった・・・。むぅ、残念。
実は大きな問題はもう1個あった。
フェイトちゃんにキスして貰ったし、嬉しかった。でも私は満足できなかった。
恋人としてとっておきのおまじないだったけど、誰かの意思でキスしたみたいで・・・おまじないに乗せられたようなキスで嫌だった。
フェイトちゃんは満足しているみたいだけど、私は私だけの意志でフェイトちゃんにキスしたい。
ただの我侭かもしれないけど・・・さっきのだけじゃやっぱり嫌。もっとフェイトちゃんを感じながら、抱きしめながらキスをしたい。
もう、その衝動は止められない・・・私の外へと溢れてしまった。
「フェイトちゃん、ちょっといいかな・・・」
「何かな、なのは」
さっきの名残かフェイトちゃんの顔はまだ幾分か赤い気がする。でも、私は止まれない・・・。
「私・・・フェイトちゃんとキスしたい」
「え?さ、さっき観覧車でしたよ・・・」
「うん、観覧車でもしたね。でも、私は私の意志でフェイトちゃんにキスをしたいんだ・・・ダメかな?」
拒否されれば止まれるだろう。代わりに私は拒否されない限り止めるつもりはない。
「え~と、なのはがしたいなら良いよ・・・。あ、で、でも出来れば家に帰ってか・・・んっ」
フェイトちゃんが受け入れてくれた。嬉しいなぁ。最後に何か言いかけてた気がするけど・・・。
ちゅっ・・・
あぁ、やっぱり甘いんだ・・・。レモンの味がするって聞いていたからおかしいなとは思っていたけど、とっても甘い。
何で甘いかは・・・よく分からないけど。これがきっとフェイトちゃんとの本当のファーストキス。
柔らかく、優しくフェイトちゃんを抱きしめながら私は暫く口付けを続けた。
「きゅぅ・・・」
突然、体を全部預けてくるフェイトちゃん。
「フェイトちゃん?もしも~しフェイトちゃ~ん?」
にゃはは・・・気絶させちゃった。
恥ずかしがり屋のフェイトちゃんにはちょっときつかったみたいだ。
気絶して、眠ってるフェイトちゃん。もう、犯罪級の可愛さだ。私が責任をもって連れて帰らないとね。
よいしょ、と背中にフェイトちゃんを背負う・・・軽いなぁ。ちょっと羨ましいかもしれない。
肌寒い季節にはなってきたけど、背中に暖かくて優しい愛おしい人が居る限り私は大丈夫。
「大好きだよ、フェイトちゃん♪」
私のつぶやきは風に運ばれ、秋の空へと上っていった―――
◇
『以上が本日の行動内容です』
『ありがとな、ザフィーラ。美味しいご飯作って待っとるからはよ帰ってきてな』
『了解しました。しかし、主やはり覗き見のような真似はいかがかと・・・』
『ん?ザフィーラなんか言った?』
『い、いえ・・・これより撤収します』
私は念話の内容に満足しながら笑っていた。
しかし、なのはちゃん達やっとキスが終わったんかいな・・・まぁ、公衆の面前で堂々とやったみたいやし・・・ええか。
『で、はやて僕に時間を空けてほしい内容はさっきので合ってる?』
『あっとるで~、どうやったユーノ君?もお、2人ともちょおかわええなぁ』
無限書庫で司書として働いているユーノ君。以前なのはちゃんとの仲が噂されていたから真偽を確かめる意味を込めて今日のデートをモニターしてもらっていたのだ。
慌てたり、驚いたりしたことは少ないけど、本当のところはどうなんやろか?
回答次第ではうちの計画の障害になるかもしれん。
『え~と、はやてが何を聞きたいか分からないけど、僕となのはは何も無いよ?ただの友達さ』
『ほんまかいな・・・嘘やったらラグナロクでええか?』
ちょっと脅してみよう。可哀想な気もするけど、うちの将来設計の為ここで犠牲になってや・・・堪忍な。
『ちょ、ちょっとはやて、本当に僕となのはは何にも無いよ?前は何か噂があったみたいだけど、最近は会ってもいないよ?』
『ふ~ん、でもユーノ君。たまぁにこっちに来とるみたいやないの?司書の仕事無茶苦茶忙しいはずやろ?』
『な、なんでそんな事知ってるのさ?局員じゃない僕の動きは分からないはずなにの・・・』
動揺してる・・・怪し過ぎや。
ユーノ君一人の行動ぐらいうちには分かる。特別捜査官舐めたらあかんで?
『さあて、何でやろな~。うちは調べよう思うたんやないけどたまたま、な!』
最後のところに力を込めて送ってみる。ごめんなユーノ君、恨みはないんよ?
『・・・そっちに行ってるのは翠屋に用事があるからだよ。で、でもなのはには会ってないよ?本当だ』
『翠屋?なんやユーノ君わざわざケーキでも買いに来とんの?』
ユーノ君て甘い物大好きやったけ?うちの記憶にはないけどなぁ・・・。
『そ、それはその・・・み、美由希さんに用事があるから・・・」
はい?美由希さん?何でそこで美由希さんが出てくるんや?
『ま、まさかユーノ君。未だにフェレットで会いに行ってるんや・・・』
『誤解しないで欲しいな。もう、何度も人間のときに会ってるんだ。今更あの格好で会う理由はないよ・・・』
なんや、フェレットで美由希さんに抱いてもらうのが目的やないんか・・・ん?もしかして・・・
『なぁ、ユーノ君。ちょお突っ込んだこと聞いてもええか?』
『あんまり気が進まないけど、どうぞ』
『美由希さんと、もうキスした?』
『な・・・なんて事言うんだはやて。僕と美由希さんはまだただの「お友達」だよ・・・』
あら?落ち込んでもうた・・・。
『まだ、ゆうことは近い将来そういった関係になりたいちゅうこっちゃな』
『えっ・・・いや、まぁ・・・その・・・』
『ユーノ君』
『え?な、何はやて』
『確かにユーノ君は中世的で可愛いけど・・・優柔不断な男の子は嫌われるで』
まったく、何でうちの周りは奥手ばっかりなんや?ってそうやない。
『つまりユーノ君は美由希さんが好きっと・・・うんOKや。うちの計画的にOKや』
『え?はやての計画って何?』
むぅ、思わず洩れてしもうたか・・・でも甘いでユーノ君。
『そんな事はええんや。ユーノ君・・・1つだけ確認しとかなあかん事がある』
『何だかおかしいよはやて・・・も、黙秘ってダメかなぁ?』
『特別捜査官として黙秘は却下します』
『ええ?コレって捜査関係ない・・・』
『ふふふ、誤魔化そうとしてもダメやで?明日は学校も休みや。今夜はゆっくりと語り明かそうな、ユーノ君・・・』
こうして八神家の夜は更けていく―――
今回ははやてさんが大々的に暗躍してますw
なのは達の相談役として大活躍中ですが、彼女も自分の為にがんばっていますよんw