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ってか絶賛放送中のはず!
SSですがタイトルみたく熱くはないです。熱くしたかったという願いだけが込められています (;つД`)。・゜・
今日、アリサちゃんとすずかちゃんがそろって休んだ。これが恋人やったら1日中いちゃついとんやろうなぁと思うけど、まだ恋人になったとは聞いとらんし、あの2人ならいちゃつく為だけに休まんやろう。
お互い好きな者同士なんやし、はよおくっついて欲しいとは思うけど、あたしが口を出す問題やない。静かに見守ってあげるんが、友達としての役割やと思う。
少し前から様子の変わったすずかちゃんはともかく、バレンタインから急に様子が変わったアリサちゃん。2人の間で何かがあったんは間違いないやろうし、とっても気になるんやけど・・・やっぱりダメや。別に喧嘩をした訳ではなさそうやし、ば思い当たる事が無い訳でもない。
・・・成功していればおめでとうで済むけど、失敗していればそれどころでは無やろうしな。
だから、なのはちゃんとフェイトちゃんがお見舞いに行こうって誘ってくれた時、途中で抜けてしまおう思うとったんやけど・・・
「御免下さい。すずかさんのクラスメイトの八神言います。お見舞いに来たんですけど、よろしいでしょうか?」
何故かあたし1人で、月村家の門前に来ていた。
以前から様子を伺っていた者としてはお見舞いよりも2人がどうなったかを聞きたいけど、ちょお後ろ暗い感じがする。
「あ、はやてちゃん?今開けるから入って来て」
スピーカー越しに聞こえた声は弾んでいて落ち込んどるようには聞こえ無い。それどころか、活き活きとしたものを感じた。
これならいい結果を期待してもよさそうやな。そうと決まれば、あたしにも幸せを分けて貰おうか―――
◇
「ねぇはやて、すずか達のお見舞いに行かない?」
昼休み、いつもとは違い3人でお弁当を食べていたところにフェイトちゃんが声をかけてきた。
なのフェイがノロケた時に突っ込むアリサちゃんがいない。みんなを見守りながら微笑むすずかちゃんもいない。少し味気無さを感じていたところに、その提案は出された。
「お見舞い?そら構わんけど・・・行ってもええんかな?」
「2人共風邪だって言ってたし、心配だもん。今日ははやてちゃんも仕事無かったよね?」
「そうやなぁ・・・今のところ仕事は入ってないなぁ・・・」
特別捜査官として世界を飛び回っている事もあるあたしは、3人の中でも忙しい部類に入る。
だから飛び入りで仕事が入る事もあるけど、今のところは何も聞いていなかった。
「フェイトちゃんが提案してくれたんだ。友達が会いに来たら元気になるはずだからって・・・優しいよね~」
「ちょ、ちょっとなのは・・・恥ずかしいよ」
目の前でフェイトちゃんに抱きついて、至福の表情を浮かべているなのはちゃん。ホンマに心配しとるんかいなと一瞬思ってしまったが、いくらバカップル病にかかっているなのはちゃんとはいえ、友達を想う気持ちは本当だ。
無邪気に目の前でいちゃついている2人には申し訳ないが、正直あまり気が進まない。2人共月村家で寝込んでるゆう事は、すずかちゃんの気持ちを知ってしまっている以上、そっとしておいて上げる事も必要だと思う。だからと言って、それを説明する訳にも行かない。そうなればあたしは理由も無く、友人のお見舞いを断ったゆう事になってしまう。
打算的かもしれないが、それは嫌だ。いつまでも仲良し5人組の1人で居たいし、お見舞い自体も行きたいのだ。
「ええよ。別に用事も無いし」
心のどこかで冷めているあたしを非難する声が聞こえるが、これも友人関係を円滑にする為や。
ちょっと頑張ろうか―――
◇
と、まぁ本来ならあたしは途中で抜けて、なのはちゃんとフェイトちゃんに任せるつもりやったんやけど・・・。
「なのは、フェイトすまないが少し良いか?」
いざお見舞いに行こうかというタイミングで通信が入ってしもうた。
魔法技術のないコッチの世界の事を考慮し、突然通信を送ってくる事なんて滅多に無い。規律に厳しいクロノ君となればなおの事だ。
その上で送られてきたこの通信は、緊急のものだと誰もが分かった。
「ロストロギアが暴走しているんだ。時空震の危険は去ったけど抑えるための人員が足りないんだ。手を貸してくれないか?」
「分かったよクロノ君。すぐ行くね」
その顔には焦りが浮かび、余裕が無い事が伺える。
「なのはと一緒に行くよ。どこから転送するの?」
応える2人の顔にも緊張が走っている。
あれ?あたしは行かんでええのかな?
「あの・・・クロノ君。あたしは呼び出しは無しなん?」
2人だけが呼び出されて、私は置いてきぼり。これはちょっと寂しいんやけど・・・。
「あぁ、はやては昨日までの事件が大物だったからね。少しは休んで魔力を回復して貰わないと次に差し支えると困る。それに、今回は僕も出るから何とかするさ」
「そ、そうなん・・・別に平気やし出動できるけど・・・」
確かに昨日まで追っていた事件はちょお大物で、疲れたかなぁとは感じているけど・・・あたしはまだやれるはずや。
それに、1人でも戦力が多ければみんなの負担を減らせるはずやけど・・・。
「申し出はありがたいんだが、今回必要なのは高速戦闘が出来る魔道士と長距離戦闘が出来る魔道士なんだ。それに僕の凍結魔法があればカタが付く。残念ながら広域型の出番は無い・・・」
「そ、そんなん別にええよ・・・あたしだけお留守番で、ちょお寂しいかなぁ思うただけやし・・・。みんな気をつけてな」
広域型の出番は無いか・・・どこか極所での戦闘なんやろうか?洞窟とか壊したらあかん遺跡とかになると、あたしの魔法は使いにくいからなぁ。
まぁ、それになのはちゃんと、フェイトちゃんのコンビなら大丈夫やな。ラブラブな2人の前に敵はおらん。
「転送ポートは屋上にセットするから急いでくれ。では・・・」
用件だけ伝えると通信は切れた。後ろでドタバタやってた感じもあるし、本当に忙しいのだろう。
「う~ん、お見舞いに行けなくなっちゃったね・・・どうしよっか?」
「終わってからだと遅くなっちゃうし・・・悪いけどはやて1人で行ってくれる?」
で、当然この流れになる訳で・・・まぁ、仕方が無い。大人しくお見舞いに向かいましょうか・・・。
「うん、ちゃんとよろしく言ってたって伝えるから安心してや。・・・2人とも気ぃつけてな~」
転送の為に屋上へと向かった二人を送り出し、あたしは月村家へと向かった―――
◇
「お見舞いに来てくれてありがとう」
そう言って出迎えてくれたすずかちゃんは少し苦しそうだったけど、表情は明るく元気な様子だった。
それでも、体調を考慮しベッドに入って貰おうかと思ったが、何故か案内された先はすずかちゃんの部屋では無く、テラスだった。
「すずかちゃん、体調大丈夫なんか?まだ辛そうに見えるけど・・・」
お見舞いに来た人間が無理をさせて、症状を悪化させてしまう事もある。そんな風になってしまっては本末転倒もいいところだ。
「うん、まだ少し熱があるけど平気だよ?ご飯だってしっかり食べれてるし、明日には学校にいけるよ」
目の前で笑っている姿は幸せがにじみ出ていて良い事があったのが丸分かりだ。
ここは少し突っ込んでも平気かも・・・
「それは良かった。みんな心配してたし、はよ元気な顔見せてな。・・・ところですずかちゃん?」
「ん?何かなはやてちゃん?」
そのぽやぽやした幸せな笑顔を崩したるで~。
「アリサちゃんが来とるはずやけど・・・会えるかな?」
ちょお意地悪な質問かもしれんけど、今なら大丈夫だろう。
この幸せそうな雰囲気、進展があったに違いない。
「え?え~とね。疲れてベッドで寝てるよ?」
「そうなん?残念やな・・・何があったか知りたかったのに」
疲れて寝てしまっているなら仕方が無い。・・・疲れて?
まぁ、アリサちゃん熱があるのに無理して学校に行こうしたのかもしれない。いつもすずかちゃんを迎えに来る訳やし・・・そこで体調が悪化していたと考えると月村家で寝込んでいるのも納得出来なくも無い?
どこか引っかかる物を覚えつつも、あたしはそう思う事にした。どうせ明日になったら聞けるし・・・。
「まぁ、それにしても元気そうで安心したわ。はい、これ今日のプリントな。アリサちゃんの分も一緒に渡せばええんかな?」
バニングス家まで持っていくのが一番なのかもしれないけど、アリサちゃんがいるなら鮫島さんが迎えに来るだろう。その時、一緒に持って帰って貰えると助かる。
「うん、私が預かっておくね。後で鮫島さんが来るから・・・渡しておけば良いと思うよ」
助かった。正直、月村家からバニングス家を巡り我が家に帰ると疲れる。それにアリサちゃんが居ないのにに行くのもちょお違和感があるしな。
そんな事を考えながらカバンを漁り、プリントを取り出したけど・・・これを1人で運ぶには辛いなぁ。すずかちゃんは病人やし。
「あ~、せめて部屋まであたしも手伝うわ。1人じゃちょお辛い量やし・・・」
それにまだ回復しきっていないすずかちゃんに無理をさせて、悪化させてもいけない。部屋に送ったらそのままベッドに入って、大人しく眠って貰おう―――
◇
「ごめんね~、手伝って貰っちゃって」
「気にせんでええよ~。それに病人に無茶させたなんて事になったら・・・あかん、考えただけで恐ろしいわ」
そのまま、あはは・・・と乾いた浮かべるはやてちゃん。え~と、なのはちゃん達に何かされるって事かな?そんな心配はしなくても良いと思うんだけどなぁ。
特に断る理由も無かったし、そのまま手伝って貰ったんだけど・・・部屋の前まできて失敗した事に気が付いた。
今、私のベッドの上ではお姫様―――アリサちゃんが眠っている。
別にそれ自体は問題ないし、ずっと眺めていたい光景なんだけど・・・。はやてちゃんに見られるのは問題かもしれない。きっと私のベッドでスヤスヤと眠るアリサちゃんを見て、気づいてしまうだろう。
私としては問題無いんだけど・・・明日学校でどんな光景になるかが如実に想像できて・・・
「ん?どうかしたん、すずかちゃん?」
ドアの前で固まってしまった私を心配してくれるはやてちゃん。優しい子だし、純粋に体調を心配してくれているのだろうけど・・・
「な、何でもないよ?ごめんね、今開けるよ」
面白そうな事を見つけた時はその優しさもどこかへ飛んでしまう。
アリサちゃんがベッドで大人しく眠ってくれている事を祈りつつ私は部屋のドアを開けてみた。
「つ、机の上に置いて貰っても良いかな?」
良かった。布団を深くかぶって静かに寝ている。これなら気が付かないかもしれない。
「お邪魔します・・・あれ?今日はにゃんこ達いないんやな」
「流石に今はいないよ~」
私の部屋には滅多に来ないけどね。縄張りが無いと言われている猫でも遠慮はしてくれているらしく、私の部屋の中には滅多に入ってこない。嬉しくもあり、寂しくもある事実だ。
「さて、と・・・プリントも渡したし、元気な姿も見れた。夕飯の買出しもせなあかんから、あたしはそろそろおいとまさせてもらうわ」
「え?もう帰っちゃうの?」
アリサちゃんが静かに寝ている事もあり、少しお話をする相手が欲しかったんだけどな・・・。
それに、はやてちゃんは口が堅い。喋らないでってお願いすれば秘密にしてくれるし、ばれる前に私からアリサちゃんとの関係を話して・・・ううん、聞いて欲しい。はやてちゃんには悪い事しちゃうけど、ちょっと自慢したい気分だから・・・。
「ん~、せわしない感じで悪いんやけど・・・今日はお肉の特売日なんよ。シグナム達も今日は早く帰って来れるし、ちょお豪華にしようかな~と」
「そうなんだ、ごめんね」
はやてちゃんの返答は小学生とは思えないけど、考えてみたら八神家の食卓を預かっているのは彼女だ。家族に美味しいものを食べて貰おうとしているのを、邪魔するわけにはいかない。
「まぁ、明日学校で会えるしな。そん時にでも何があったか聞かせてもらうで」
覚悟しといてや~と笑いながら歩くはやてちゃんを見送ろうとした時、私は気が付いてしまった。
ベッドの中でアリサちゃんがゴソゴソと動き、パサリと音を立てソレが落ちた事に。
「ん?それは・・・ドレスかな?」
「う、うん。今度着るからちょっと合わせようかな~と思って」
おそらく邪魔だから脱いだであろうドレス。雨に濡れ、裾の方は泥にまみれ凄い有様だ。でも、このドレスを着ていたアリサちゃんは輝いて見えた。う~ん、恋人だから色眼鏡でみてるのかな?それでも良いけどね・・・ってそれどころじゃない!さっきのでごまかせるとは思えないし、きっと気が付いてしまってるはず。
「ふ~ん、えらく汚れとるドレスやな。・・・ちゃんと洗って着んとアリサちゃんに嫌われてしまうよ」
あれ?いつもならにやにやして詰め寄ってくるはずなんだけど・・・それだけ?
「ま・・・何があったかは明日にでも教えてな。すずかちゃんも今日は大人しく寝とかんとあかんで~」
それだけ言い残すとはやてちゃんは帰ってしまった。
後に残された私はほっとしたような、残念なような気分になってしまった。
◇
「もう、同じベッドで寝る仲になってしもうたんか~」
すずかちゃんは気が付いてなかったみたいやけど、部屋に入った瞬間にベッドにドレスが載っていて、誰かが眠っているのは分かった。というか、入る直前にあれだけ固まっていれば、部屋の中に何か見られたくないものがあって躊躇していたのが丸分かりだ。
「でも・・・幸せそうやったなぁ」
さっきベッドの方を見ていたすずかちゃんのまなざしはとても優しいものだった。当然それだけで誰が眠っているのかは分かるし、正直問いただそうかとも思ったんやけど・・・そこまでする程あたしは野暮ではない。明日には登校してくるみたいやし、そん時にでもゆっくり聞かせて貰えばええ。まぁ、大方ノロケ話になるんやろうけど、気にする事は何も無い。
だって、幸せはみんなで共有できるから―――
は~い、アリすずペアもはやて師匠に見つかりましたよ~。これにて一段落。
次はR.H擬人化か異色CPをお送りしたいです!(希望