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(・w・) 流石に書かないとね~
忙しくて、ホテルでも仕事だけど。書かないとね~
はい、すずアリです。
甘くなる予定だった、長くなる予定だった代物です。
(・w・) ま、私なんて所詮、こんなものですよね~
短いです
かつ、想像にミスれば、確実に迷子になります
「どうしよう、このままでは間に合わないわ」
自らの手で積み上げた残骸の山を前に、アタシは力なくうなだれることしか出来なかった。
本来であれば、次の段階に進んでいなければいけない時間帯。いや、より正確に表すのであれば、準備は全て終わり、明日に備えて寝ていなければいけない時間でもある。
2月14日。平日であったり、休日であったりと毎年バラバラではあったけど、アタシはちゃんと準備を進めていたはずなのに。
去年のアタシは、ミスなく頑張れていたはずなのに。今のアタシはダメなのだろうか?
お菓子メーカーの策略でも良い。1日過ぎれば、悲しい祭りとなっていても良い。アタシはただ、きっかけが欲しいに過ぎないのだから。
日頃は伝えていない言葉も、この日であれば許される。恥ずかしがる自分を押さえつけ、口に出そうと頑張ることができる。
すずかに、好きだよって。いつもありがとう、愛しているよって。
そんな素敵な言葉を、この口からも紡げる筈だったのに。
「夢に成り果ててしまうの?」
2月14日は夢でも何でもなく、ごく普通に訪れる。
すずかが贈ってくれるであろうチョコレートと、言葉と。なによりも気持ちを一緒に連れて、私の元にも訪れる。
それなのに、アタシは出迎える準備の1つも出来ていない。
「まだよ、何か方法はあるはずだわ」
時刻は、2月13日30時。すずかに合わない限り、14日はならないのだから。
もう少しあがくくらいは、許されるはずだ。
というか、許してすずか。
アタシだって、頑張ったのよ?
普段は作らないようなジャンルに挑戦して、頭をひねって考えて――料理の最終段階でミスって全部パーになってしまったけれど。
「手元に残ったのは、包装紙とリボンだけか」
ラッピングの材料だけがあっても、肝心の飾るものがない。
手作りで贈るって決めているから、今更買い物に出かけるわけにもいかない。
ついでに言うなら、そんな元気はもう残っていないの。
「リボン、か……」
本当であれば、アタシの作ったチョコレートに華を添えてくれるはずだったのに。
結ぶ相手もなく、アタシの手の中でたれているだけ。
幅広で、ふわふわしていて、結構可愛いと思うんだけどなぁ。
「リボンねぇ」
このリボンだけでも、なんとか出来ないものかしら?
チョコレートほどの効果は期待できないとして、それでもなんとか出来ないかしら?
アタシは、すずかの恋人なんだから。ちょっとくらいご利益があってもいいんじゃない?
「そうは言っても、思いつかないものはどうしうようもないわね」
残念なことに、アタシはリボンを使って何かを作れるような技術は持ち合わせていない。
巻きつけたり、飾ったりする程度でしか知らない。
まさか、ちょっとだけ残っているチョコレートに、これを直接まきつけるわけにはいかないだろう。
「直接、巻きつける?」
なんだろう、今頭の片隅に凄くよろしくないアイディアが浮かんでしまった気がする。
実行するには、アタシが想像もできないような勇気がいって、下手するとすずかにすら引かれてしまう可能性があること。
「それでも、実行するしかないのよね」
それが最後の手段なのかもしれない。ブルーなまま、すずかに心配されるようなバレンタインを迎えないためにも、やれることは全てやりたいから。
どんなことだとしても、アタシは逃げていはいけない。
アタシ自身が認められるように。アタシはすずかの恋人なんだって。恋人として、恥じるべきことは何もないんだって。
そう、胸を張るためにも、バレンタインという名のイベントから逃げ出すなんてことは、出来ない。
なにより、自分自身の考えたアイディアに屈するなんて、そんなこと認められるはずないでしょ?
「やってやろうじゃないの」
頭をよぎるのでもなく、手段がないからでもなく、アタシ自身が望み、アタシ自身が考え抜いた結果として、実行する。
恥ずかしくても良い。言い訳をしても良い。逃げないのであれば、それで良いから。
それに、恋人なんだから、これくらいは普通なのよ。
普通の恋でないからこそ、普通以上の幸せを贈りたい。感じていて欲しい。
それが、望みなのだから。普通のカップルでもやれるようなことを、アタシがやれないはずないでしょ?
「例えソレが、無謀な試みでも。アタシは逃げないわ」
アタシ自身をプレゼントとして差し出す。アタシ自身をラッピングし、すずかにプレゼントする。
細かいこと、将来的なことを考えれば逃げ出してしまうかもしれないけど。何も考えなければ良い。
すずかの笑顔だけを想像していれば、不可能ではないから。
――この身も、心も。あなたのもの。